媒体接触不動の2トップは「テレビ」と「LINE」
では、YouTube一強なのでしょうか。そんなことはありません。当研究所が毎年行っている「ブランド浸透&診断調査」の中で「媒体別接触率」を聞いています。2024年は、7月11日~24日、50~79歳女性6,056名に実施しました。
接触率1位は「テレビ番組・CM」(88.5%)、2位は「LINE」(65.5%)でした。依然として、テレビの影響力は強く、LINEは連絡手段としてだけでなく、ニュースやクーポンなど情報接点のハブになっています。

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「ニュースサイト」(51.8%)や、「動画サイト」(35.6%)などのデジタル、「新聞記事・新聞広告」(56.5%)、「家族・友人・知人」(49.2%)などの紙や人系も上位に入りました。
まとめると、紙・デジタル・人をまたぐ複合接触が当たり前になっていることを示しています。言い換えると、シニアは「受動のテレビ」、「能動のLINE」、「趣味や学びのYouTube」という三層構造でメディアを楽しんでいるということになるでしょうか。
広告や販促は、「テレビ」「LINE」を軸に、「YouTube」「SNS」で補完するクロスメディア戦略が有効です。
50代はネット、70代は紙、60代は“端境期”
年代別で見ると、50代はネット寄り、70代は紙中心という傾向の中で、60代はネットと紙のハイブリッド型。60代にスコープを当てると、前半と後半とで異なります。
60代前半は動画やSNSへの親和性が高く、60代後半は新聞・雑誌やチラシとの接点が強いという結果でした。60代は「情報接触の端境期」に位置しており、企業にとっては、戦略難易度の高いターゲットと言えそうです。
だからこそ、デジタルとアナログを行き来する仕掛けが効くのではないでしょうか。ハルメクでよく行う施策は、紙媒体にQRコードを付け、動画やECに誘導する取り組みです。まさに、アナログとデジタルのハイブリッド型の実践例です。また、同じ60代でも前半と後半とで、ターゲティングを細分化し、双方に対応するメッセージ設計が必要です。