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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Autumn

今どきシニアの消費行動大解剖

シニア女性に響くアプローチとは?「メディア三層構造」と「実用→感情→習慣」の視聴サイクルが鍵に

「紙で認知、ネットで確認」「ネットで知り、リアルで見る」

 購買行動に目を移すと、シニア女性は「紙で知り、ネットで確認」する流れが顕著です。雑誌やカタログで商品を知り、YouTubeやレビュー動画で納得してから購入するケースが目立ちます。また、「SNSなどのネットで知り、リアルで確かめる」というパターンも見られます。リアル店舗で「実物を確かめてから買いたい」「スタッフに相談したい」という声も根強く、ネット完結にはならないのが特徴です。

 この購買心理は、企業にとってヒントの宝庫です。オンライン広告や動画で“関心”を喚起し、紙やリアル店舗で“安心”を補完するクロス体験が重要になります。デジタルとアナログをどう組み合わせるかのオムニチャネル戦略に勝敗がかかっています。

YouTubeは“パーソナルな好奇心”を深める場所へ

 「今どきシニアのメディア接触」の最新事情をお伝えしてきました。今後シニア女性のメディア接触は、どのような方向に向かうのでしょうか。

 大事なポイントをまとめると、まずYouTubeは、テレビの代替ではありません。生活の一部として定着している点は同じですが、今やYouTubeは「自分の好奇心を静かに深めるパーソナルな場」へと進化しています。

 冒頭で紹介した2025年5月調査では、「棒術や薙刀(なぎなた)の動画」など意外なジャンルを楽しむ人がいました。YouTubeは自分の「知りたい」「やってみたい」をダイレクトに刺激し、自分のための視聴スタイルを広げられます。自分の好きや好奇心を静かに育てて深めていくこともできます。

 そして、AIによるレコメンドやショート動画の普及で、こういったパーソナルな習慣化はさらに加速し、シニアの日常生活を彩る“居場所”として定着し、重要な存在となっていくことでしょう。

 一方で、リアルな体験や人とのつながりを求める気持ちは消えません。デジタルで“この好奇心”を刺激し、リアルで“信頼”を届ける。この組み合わせこそ、シニア層へのアプローチにおける最大のポイントです。

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この記事の著者

梅津 順江(ウメヅ ユキエ)

ハルメク 生きかた上手研究所 所長

2016年3月から現職。主に年間約900人のシニアを対象にインタビューや取材、ワークショップを行い、誌面づくり・商品開発・広告制作の糧になるインサイトをつかんでいる。時代や世代も捉えて、半歩先の未来も予測している。著書に「消費の主役は60代 シニア市場最前線」(同文舘出版)な...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2025/08/08 08:00 https://markezine.jp/article/detail/49606

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