費用対効果の高い広告手法
少し前まで、Web広告と言えば成果件数ではなく、掲載期間で広告掲載費が決まるいわゆるバナー広告などの形態が主流となっていた。しかし、1回掲載あたりの費用は高額であり、また掲載によるブランディングを目的とした広告手法のため“成果”を求める広告主にとってはリスクの高い広告手法であった。
その中で、新たなマーケティング手法として登場したのが、アフィリエイトだ。上述されているように当初は広告費用を捻出できない小さな企業がWeb上での広告展開を可能とした比較的小規模なWeb広告であったと言えるだろう。
近年、アフィリエイトはその認知度もさることながら多くの法人サイトの参加、ASPの努力、そして費用対効果の高さから中小企業だけではなく、大企業からも注目されるマーケティング手法として認知されつつある。アフィリエイトは、貴重なマーケティングデータを採取しながら、実際の成果を発生させることができるため、最適な費用対効果を図る上で、最適な広告手法の1つと言えるだろう。
アフィリエイトは成果地点と言われる、いわゆる成果発生ポイントがほぼ決められている。つまり、成果地点が多岐にわたっておらず、広告主側にとっての指標は獲得単価(CPA)がほとんどであった。
しかしごく最近はこの傾向に変化が生じてきている。CPAが分かりやすく、かつROIの最適化に向いているアフィリエイトは本当の意味で“広告”として認知されはじめている。それに伴い、広告主がアフィリエイトに求める基準が一段高いものとなっている。つまり、従来のアフィリエイトから一歩進んだアフィリエイト施策、つまり「次世代アフィリエイト」が必要となるだろう。
これからのアフィリエイトには何が求められるのか?
次世代アフィリエイトと聞けば主にシステムの内容であったり、マーケティングツールとしての進化を想像する人も多いと思う。しかしそれは、“ツール”としてより試しやすくなった意味での次世代化であり、ここでは広告主が考えるべき、次世代のアフィリエイト活用方法を紹介していこう。
先ほど広告主が求める基準が高くなってきたと述べたが、具体的にはCPA以上の何を求めてきているのだろうか? キーワードは“CPO”と“EPA”である。昨今のアフィリエイトは、今までのような決まり切った成果地点とは異なり、多種多様な成果地点が存在するようになった。これは、特定の業界、商材、ニーズを持った広告主にしか選択されなかったアフィリエイトが広く認知されはじめたことによって起こった現象である。
アフィリエイト事業者からみれば、マーケティング市場が拡大したことでより顧客を得やすくなったと思われるかもしれないが、市場が拡大したということはそれだけ多くのニーズと問題を受ける必要が出てきたということだ。それらを柔軟に受け入れ、対応できなければ市場が拡大したといっても顧客を囲い込むことは叶わない。その新しいニーズの1つの指標が“CPO”と“EPA”というわけだ。
次ページでは、“CPO”と“EPA”について具体的に解説していく。