マイクロソフトは、発売が待たれていた個人ユーザー向けの「Microsoft Windows Vista(以下、Vista)」と「2007 Microsoft Office system(以下、Office)」を、1月30日深夜0時に発売した。2001年11月のWindows XPのリリース以来、約5年ぶりの新OS発売とあって、秋葉原や有楽町の量販店にはタレントや同社幹部が登場し、多くの人が集まった。
本来は、法人向けと個人向けを同時発売したいところ。しかし、マイクロソフトは、2006年3月時点で、Vistaの個人向けパッケージの発売は2007年1月にずれこむことを発表。法人向けライセンス提供だけを先行して2006年11月30日に開始していた。
無事に発売されたVistaは、デスクトップ環境、セキュリティ、エンターテインメントなどさまざまな面で機能強化されているが、中でも目を引くのは新しいインターフェイス「Windows Aero」だろう。開いているウィンドウが半透明の状態で重なり合って表示される「Aero グラス」や、[Alt]+[Tab]キーを押すと表示されるライブ サムネイル機能。さらには「Windows フリップ 3D」によって、開いている複数のウィンドウをデスクトップ上の3D空間に重ねて表示するなど、インターフェイスを一新した。
Windows Vistaは、 一般・個人向けには、家庭用の「Windows Vista Home Premium」、「Windows Vista Home Basic」、ビジネス用には「Windows Vista Business」、全機能を備えた「Windows Vista Ultimate」が用意されている。
無事、Vistaを発売してほっと一息といきたいところだが、2009年4月に終了予定だったWindows XP(Home EditionとMedia Center Edition)のサポートを2014年4月まで延長することを、Vistaリリース直前の1月25日に発表。XPユーザーの多い日本市場への配慮とはいえ、なんとも微妙なタイミングだ。また、リリース直前に発表された第2四半期決算では、前年同期比で収益は上回ったものの、純利益は36億5,300万ドルから26億2,600万ドルと約28%減少。次の第3四半期の業績予測では、収益は137億ドルから140億ドルと、第2四半期の125億4,000万ドルを大幅に上回るものではない。
2008年7月に予定されているビル・ゲイツ会長の引退まで、どんな新たな動きを見せるのか。Vista発売の熱気より、もっと熱い他社との闘いがマイクロソフトを待っている。
プレスリリース:「Microsoft(R) Windows Vista(TM) および2007 Office system 本日より一般・個人向けに発売開始」