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“マーケティング脳”フル活用の体制を整備
ニッセンがAdobe SiteCatalystを選んだワケ

  カタログ通販大手のニッセンが、急激な勢いでアクセス解析ツールを活用しはじめている。2009年8月から本格的に導入を開始したAdobe SiteCatalyst、Adobe Test&Target, powered by Omnitureを導入した経緯、導入後の成果について同社Webマーケティング部の船井氏に聞いた。

ネット経由の売上が半分を占める現実

 誰が、何を、どこ経由で、どのページで買っているのか。顧客の顔を“可視化”し売上に結びつけていく――。カタログ通販大手、ニッセンがアクセス解析に取り組む理由を端的に表すのなら、こう言い換えられるのではないだろうか。

 1975年に総合カタログを発行し、衣料品、家庭用品等の販売を開始したニッセンは、いまビジネスモデルの転換を猛烈なスピードで進めている。それを一言で表すならば、カタログ通販からネット通販への転換だ。

ニッセンTOPページ
ニッセンTOPページ

 猛烈なスピードでの転換を図る背景はサイトで公表している月次の業績推移にも表れている。2010年8月26日に発表した「平成22年12月期8月度業績概況について」からも分かる通り、インターネット経由での売上高が昨年対比でよい数字を残している。

 株式会社ニッセンが運営するサイトのWeb解析、データ分析などを担当しているマーケティング本部 WEBマーケティング部 eアナリシスチームの船井宏樹氏(写真右)は、この状況に対して次のように語っている。

 「ネット通販市場が伸びているのは周知の事実だと思いますが、これが何を表わしているのかというと“ネット経由でモノを購入する人が増えている”ということでしょう。弊社も今までカタログ通販事業を主力としていましたが、徐々にネット経由での売上高が高くなってきました。現在はネット経由の売上高が約半分を占めるまでになっています」

 ニッセンはこうした状況に対応すべく2009年に組織改編を行っている。従来の組織では、Web部門と商品部門がそれぞれ別の部門となっていたが、よりネットを意識した体制にするためWeb部隊に所属していたWebプランナーを各商品部隊に配置。“ネットに注力する”組織に様変わりさせている。

 「商品部門での月次会議でも、サイトのセッション数やコンバージョン・レート(CVR)についての関心が高まっていました。ネット経由の売上が増える中、サイトのデータはもはやWeb部門だけの数字ではなく、全社が関心を持つ数字へと変わってきています。商品部門のスタッフにとってもサイトのアクセス状況や、いまサイトで何が売れているのかというデータを“自分ですぐに確認できる”体制を構築することが急務となっていました」

決め手は「ユーザビリティ」と「データ収集方式」

 そういった状況の中、ニッセンは2009年8月にアドビ システムズが提供する、Adobe SiteCatalyst(以下、SiteCatalyst)、Adobe Test&Target, powered by Omniture(以下、Test&Target)の導入を行っている。SiteCatalystを導入する以前も、当然アクセス解析ツールは利用していたが「状況が変化する中、アクセス解析ツールに求めるニーズが変化してきた」(船井氏)という。

 結果、SiteCatalystの導入にいたったわけだが、その際ニッセンが重視したポイントは次の2点だ。

  • アクセス解析ツールに慣れていないスタッフでもストレスがかからないユーザビリティか
  • 目的にあったデータ収集ができるのか

 ユーザビリティについて船井氏は次のように語っている。

 「これまで利用していたアクセス解析ツールは、データを抽出する方法が複雑でユーザーフレンドリーなものとは言えませんでした。普段ツールを使用しないスタッフでは、トップページのページビューを抽出することさえ一苦労という状況でした。お話した通り、ネット経由での売上が増加している中で、Web部門以外でもアクセスログを見てデータを活用する意識を現場担当者が持つ必要があります。そういった点では、SiteCatalystは従来ツールに比べ、ユーザーフレンド リーなインターフェイスを実現していました」

 もう1つのポイントであるデータ収集については「これまでのツールはいわゆる、パケットキャプチャリング方式でデータ収集を行っていました。パケットキャプチャリング方式の場合、本来必要のないデータも収集してしまうので、データ精度を高めるためのクレンジング作業に多く時間を取られてしまいました。また、データ量が膨大となり抽出に時間がかかってしまいます。一方、タグ型(Webビーコン)型の場合は必要な箇所にタグを設置することで、自分たちがほしいデータだけを収集することができます。私たちが知りたいのは“顧客がどういう経路をたどって商品を買ったのか”というデータなので、タグ方式は最適です」とした。

 また、同時期に導入したTest&Targetについては、次のような効果を実感しているという。

 「Test&Targetを本格的に使いはじめたのは最近なのですが、その効果を実感しています。通販の会社なのでもともとPDCAを回すという意識はあるのですが、ネットの場合はカタログよりも格段に早いサイクルでPDCAを回していく必要があります。Test&Targetを利用すれば、テストの工数が減り作業も効率化ができます。また、テストの工数が減ることで、コスト削減にもつながっています」と教えてくれた。

改善スピードが劇的向上

 このように、ネットを意識した体制を作りあげ、SiteCatalystとTest&Targetの本格活用を進めているニッセンだが、早くも目に見える形でその効果が出はじめている。

「定期的な勉強会などを実施し、商品部門のWebプロデューサーやプランナーへSiteCatalystの利用拡大を進めている最中なのですが、アクセスログデータを手軽に引き出せるようになったことで、気づきや仮説が生まれるようになり、テストの実施本数が飛躍的に向上しました。これは、テストの設計が簡易にできるようになったことに加え、データ集計とアウトプットが早く、正確になってきた証拠だと思います。また、決して部分最適ではなく、サイト全体の最適化となっているかを測れるという点も、テスト精度の向上に役立っています」

 さて、ニッセンはSiteCatalyst、Test&Targetの導入に際し、ソフトバンク・テクノロジー経由で進めている。パートナー経由でのメリットは「大いにあった」と船井氏は言う。

 「ソフトバンク・テクノロジーさんは、SiteCatalystの導入以前に使用していたアクセス解析ツールの取り扱いもなさっています。弊社としては、新たにアクセス解析ツールを導入する以上、機能差や今後の拡張性を十分に比較検討する必要があったのですが、両ツールの特性を熟知されているソフトバンク・テクノロジーさんにアドバイスや参考資料をいただいたお陰で、スムーズに社内の承認を取ることができました」

 また、導入後についても「フォロー体制がしっかりしている」と船井氏は評価。ソフトバンク・テクノロジーは、SiteCatalystの国内販売代理店契約第1号でもあり、SiteCatalystをはじめ、Omniture製品に関する知識は深い。

 「SiteCatalystは、非常に奥深いツールだと感じています。カスタム変数、セイント分析機能、他のマーケティングツールとの連携など、カスタマイズ機能も豊富でまだまだ潜在能力を引き出しきれているとは言えません。潜在能力をフルに引き出すために、どういう機能があるのか、他社はどういった使い方をしているのか、などの情報をいただけるのはうれしいです。ツールは進化していくものなので、次はどういった機能が追加される予定なのか、などの最新情報がもらえるのも助かります」とした。

やればやるほど成果が出ると実感

 最後に、今後試していきたい点について聞くと「たくさんある」と前置きをしつつも、次のように語ってくれた。

 「バージョンアップのたびに新たな機能が追加されますし、海外ではアメリカを中心に多くの活用事例が登場しています。自由なセグメントでリアルタイムな解析ができる機能であったり、広告やメールデータとの連携機能であったり、知れば知るほど解析の世界の奥深さを痛感します。やればやるほど成果が出ると感じているので、本当の意味で『活用しているぞ』と早く言えるようになりたいと思っています。現状は、導入フェーズが終わり、商品部門での活用も進んでいる状況なのでどんどん活用しスピードもアップさせることで、競争力を培っていきたいですね。同じツールを使っている企業はたくさんあるので、使い方で差が出るようにしていくことが大切だと思っています

 カタログ通販で培ったノウハウ、資産を活かしつつ、ネット通販という業態へのシフトを急激に進めるニッセン。カタログ通販時代に養ったマーケティング脳をフル活用する環境が整備された同社の今後が楽しみだ。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

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MarkeZine(マーケジン)
2012/02/28 21:29 https://markezine.jp/article/detail/11556