インターネットの発展とともに、創業からわずか十年弱で世界のトップ企業と肩を並べるまでに成長したGoogle。だが、Facebookに代表される新しいサービスの隆盛により、Webの世界にも徐々に変革期が訪れようとしている。Webの寵児として注目を集める2社の比較から、Webビジネスのトレンド、そしてGoogleが迎えている新たな局面を紐解いていく。
Googleの世界はいつまで続くのか
Facebookの利用者は全世界で6億4000万人を超える。中国のインスタントメッセージングサービス「テンセントQQ」のアカウント数は10億を超える。しかし、それらをはるかに凌ぐ利用者数を誇るサービスがある。それがGoogleである。
Googleの利用者は20億人はくだらない。しかし、ついぞGoogleの利用者数という話題を聞いたことはない。当然ながら、Googleの検索サービスは登録なしで誰もが利用できるからだ。YouTubeも同じである。世界中のあらゆる情報を整理し、人々に届けることをミッションにしているがゆえに、Facebookなどのソーシャルメディアが志向するような、個人プロファイルの蓄積には力点を置いてこなかった。Gmailは登録が必要ではあるが、これまではプロファイル入力を求めてはこなかった。Googleは不必要な登録や個人プロファイルの入力を求めず、より多くの人に、より早く、整理された情報を届けることに注力してきたのである。会員化が叫ばれる昨今、今振り返れば、Googleはなぜ登録制や個人プロファイルの入力を求めなかったのか。そう感じるビジネスパーソンも多いこととは思うが、この敷居の低さがGoogleの急成長を支えていたこともまた事実なのである。
しかし、ここにきてFacebookが大躍進し、「いいね!」ボタンが1日30億回も押されてしまう状況となった。Googleもそれに対抗するサービスとして「+1」という機能をリリースしたのが、2011年3月末の話である。加えて、Picasa WebアルバムとGoogleプロファイルの統合を推し進めている。これもまた、Facebook上で莫大な数の写真が共有される、消費者のトレンドを加味した結果である。
Google成長の軌跡
Googleが今後どのようになるのかということを見る前に、これまでのGoogleの成長の軌跡を辿ってみたい。
さて、Googleとは何を提供する会社であろうか。何によって収益をあげる会社であろうか。彼らのビジネスは、シンプルに表現することができる。インターネット上に情報が入れられる(アップロードされる)ところへ、それに関連する広告という名の付加情報を付与し、広告料を得る。

極端な言い方をすれば、情報がインターネットから出される(に上がる)際に、コンピューターが計算し、表示するべき情報を自動的に出すのである。Googleの2010年度売上293億ドル(約2兆5000億円)のほとんどを、この2つで賄っている。
実際の成長の軌跡を見てみたい(図2)。2002年度の売上高が4億3800万ドル(約370億円、1ドルを現時点の85円換算)だったものが、この8年で67倍に拡大しているのである。
Google web sitesというのは自社メディアからの広告料収入で、大まかにいってインターネット上から情報が引き出される際の広告収入と読み取って頂いてもいいだろう。Google Network web sitesは、他メディアへの広告出稿であり、インターネット上に情報が入れられる際の広告料収入が主な項目となる。

Googleは、1998年9月の創業からわずか8年で売上高100億ドルを突破した、人類史上最速の成長企業なのである。このところ、Facebookの陰に隠れがちで勢いをなくしたかに見えるGoogleではあるが、2010年度の利益率は35%を誇り、並みの企業からすれば羨むばかりの業績である。
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- この記事の著者
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小林 慎和(コバヤシ ノリタカ)
(株)野村総合研究所 コンサルティング事業本部 情報・通信コンサルティング部 上級コンサルタント
ビジネス・ブレークスルー大学准教授、NPO法人ガイア・イニシアティブ
経営コンサルタントとして、IT業界、エレクトロニクス業界を中心とする企業に対して、新規事業立上、海外展開、M&A、営業改革、組織改革など...※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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