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クライアントを陰から支えるGoogleのMADMEN
― Google広告営業チームインタビュー

2011/05/16 11:00

 優れた検索技術を核にして、トップクラスのエンジニアが生み出したプロダクトでビジネスを拡大してきた印象があるGoogle。だが、決して広く認知されているわけではないが、業界トップクラスの企業に深く入り込み、「Googleだからできること」を提供する広告営業という職種も存在する。AdWords、YouTube、AdMobなど世界最大級の広告サービスを抱えるGoogleの広告マンは、何を考え、どのように仕事に取り組んでいるのか。YouTubeで再生数100万回を叩きだしたキャンペーン「HOME'S PARTY」を担当した営業チームへのインタビューから、その流儀に迫る。

世界最大級の広告会社Googleを支えるMADMEN

 検索を含む各種Webサービスの提供会社という一方で、世界最大級の広告会社という側面を持つGoogle。2010年10~12月期における売上高は84億4000万ドル(約6900億円)。その大半は広告売上が占める。

 Googleが提供する広告サービスの代表格と言えば「AdWords」が挙げられる。同サービスは、自身で広告の文面作成や配信設定などが可能なことが特徴だ。そのため、“セルフサービスによる広告だけを販売している”という印象が強い。しかし、その陰に隠れがちだが、業界トップクラスの企業に深く入り込み同社のサービスを販売する、いわゆる広告営業チームがGoogleにも存在する。カジュアルな服装のGoogleオフィス内では珍しくスーツに身を包み、広告案件に取り組む姿から、海外ドラマになぞらえて「MADMEN」と揶揄されることもあるという。

 世界最大級の広告サービスを自社に持つGoogleの広告営業チームは、一体どのような考えで仕事に取り組んでいるのだろうか。その実態に迫ってみた。

単なる広告販売に留まらないGoogleの広告営業チームのミッション

 Googleの広告チームは大きく2つに分かれている。AdWordsなどを利用する企業を効率的にサポートする部隊と、大手企業やWebの活用が進んでいる企業に深く入り込んでいく部隊だ。前述の広告営業チームは、後者にあたる。

 営業職とはいえ、広告営業チームの仕事は広告サービスの販売だけではない。「Googleプレイス」といった無料サービスの利用方法や問合せなどにも対応しながら、Googleの提供するサービスを活用して、「いかにビジネスを成長させられるかを顧客企業と一緒になって総合的に考えていくのがミッション」だと、広告営業本部の統括部長 小川淳氏は語る。

 Googleが提供している広告サービスは、今やAdWordsだけではない。「DoubleClick」による広告配信、「YouTube」でのキャンペーン、モバイル広告ネットワーク「AdMob」なども取扱商品。単なる検索連動型広告による販売促進だけではなく、ニーズを生み出す、ブランディングを行う、ということも可能になってきている。そのため、大型キャンペーンの場合、これらをいかにストーリー立てて組み合わせて、最大限のパフォーマンスを顧客企業に提供するかも求められる。

 また、顧客の意思決定を支援するリサーチも業務の1つだ。業界関連ワードの検索ボリュームや、年間検索数の推移、そこから想定される年間リスティング広告予算の上限、業界トップ企業の平均データをまとめた市場レポート、海外でのGoogle活用事例といった世界最大の検索サービスを運営するGoogleだからこその業務と言える。これらの業務は、直接の売上には結び付くわけではない。

広告営業本部 統括部長
小川 淳 氏

「日常業務のうち、広告販売に直接関わる部分は4割程度。広告サービスをさらに活用してもらうためのデータ収集やマーケットリサーチに当てるのが3割くらいです。そして残りの3割は、経営戦略部門や取締役の方々に、インターネットの可能性やGoogleだから貢献できることを伝えるために使っています。

広告を提案するとなると、相手の担当者は宣伝部止まりのことが多いのですが、僕らは経営戦略にもタッチする。中途半端に『リスティングの顧客獲得単価(CPA)がこうすれば下がります』という話をするのではなく、『インターネットで宣伝と広報と販促の部署を分ける必要があるんですか?』『インターネットというチャネルに力を入れるのであれば、AdWordsへの投資以前に、PCサイトだけでなくモバイルサイトにも力を入れてみてはいかがですか?』とGoogleの営業職という枠を超えて話をします。僕らは、それをやらないといけない部署だと思っているので」(小川氏)

 インターネット広告と言えば、CPAばかりが注目されているが、それはインターネットの本質ではないと小川氏。例えば、夏休みの旅行パッケージを売るなら、通常は6月2週が販売のピークだが、検索のトレンドを見れば5月3週が検索のピーク。その間に何が起こっているのかを分析することで、仮説を立てることも可能だ。こうした、今までは見えなかったデータをもとに、商品開発や経営戦略といった分野にも活かすことが本質的な部分だと考えているという。

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