3:四分位偏差
耳慣れない用語かと思います。まずは「四分位」について解説をします。
データを小さい順に並べたときに、データの数を「1:3」に分ける位置を「第1四分位」と言い、「1:1」で分ける位置を「第2四分位(=中央値)」と言い、「3:1」で分ける位置を「第3四分位」と言います。
そして「四分位偏差」は「第3四分位の値-第1四分位の値」と定義されます。図にしたほうがわかりやすいかと思いますので、以下の図を御覧ください。
これは、あるページの日単位の累計PV数を表したものです。
「第1四分位」を見てみましょう。これはPV数の累計が25%(1:3)に達する時になりますので、Y軸が25%の所を見ます。この時のX軸は「1月8日」になります。同じように他の指標を計算していくと結果は以下のとおりになります。
- 第1四分位:1月8日
- 中央値:1月15日
- 第3四分位:1月22日
- 四分位偏差:14日
これでまずは定義が理解できたかと思います。では、いくつかの記事の数値を実際に計算してみましょう。違う日にアップされた記事を比較するため、更新から何日目という形でX軸を定義します。
各指標を表にしてみました。(単位は全て「日にち」)
この数字からいろいろな事がわかります。まずは第2四分位を見てみましょう。
記事Bが他の数字の2倍以上あります。つまり50%に達するのに日数がかかったという事です。同じように四分位偏差を見ても記事Bが日数が一番大きくなっています。つまり、アクセスが増えるのに時間がかかるという事です。逆にアップされた後、時間がたっても一定のアクセスが来るという事がわかります。記事Bは「じわじわタイプ」です。
逆に記事Aは、集計対象の90日のうち、17日でアクセスの半分を稼いでいます。グラフを見ても記事Aと記事Bの線に違いがある事がわかります。
記事Cはちょっと面白い特徴があります。線を見てみると、最初に一気にパーセンテージが増え、その後一定の量で伸びていくのですが、50日~80日くらいまではほとんどの伸びません。つまり、第3四分位までは早いのですがその後がゆっくりという形になります。そのため、四分位偏差は一番日数が少なくなっています。
このように記事によって伸び方は大きく変わっていきます。四分位偏差の値の高低で評価するというよりは、どういう記事がどういう形になっているかを理解しておく事が大切です。
今回は「ソーシャルブックマーク率」「$インデックス」「四分位偏差」という3つの指標を紹介してきました。全てを使う必要はありませんが、今までページビュー数やコンバージョン率だけでコンテンツを評価していた場合は、ぜひこれらの指標を試してみてください。新しい気づきを得られることでしょう。
