ヒットの条件と成長要因を解き明かす4つのキーワード
佐藤(MOTTO):まずは自己紹介から始めましょう。私は創業したMOTTOで、主にモバイルゲームやアプリのマーケティングの課題解決を支援しています。本日はモデレーターを務めます。
水谷(Duolingo):「Duolingo」の日本カントリーマネージャーを務めています。2020年に入社後、ソーシャルファーストのマーケティング戦略を推進。3年間でユーザー数を10倍以上に増やし、教育アプリカテゴリーで1位を達成しました。2024年より韓国市場も兼任しています。Duolingoは「楽しく、無料で、効果的に言語が学べる語学アプリ」です。月間アクティブユーザー数は1億人以上と、世界で最も人気のある言語学習プラットフォームとされています。
青山(MIXI):私はMIXIで「モンスターストライク(以下、モンスト)」の事業戦略やマーケティングの推進に携わっています。当社は2013年10月にモンストの提供を開始し、11周年を迎えた2024年10月時点では世界累計利用者数が6,300万人を突破しました。
佐藤(MOTTO):本日は、ヒットの条件と成長要因を解き明かす4つのキーワードを用意していただきました。
モンストが力を入れる「体験づくり」とは?
青山(MIXI):モンストでは、「体験づくり」を重視しています。MIXIが意思決定の軸としている「ユーザーサプライズファースト」の考えの下、楽しさや幸せな驚きの体験創出に取り組んでいます。具体的な取り組みは、次の3つです。
体験づくり事例1:モンストニュース
青山(MIXI):毎週木曜日16時にYouTubeで配信する「モンストニュース」では、ゲーム内外の新情報を発信。ユーザーが継続的にモンストのイベントや攻略情報を知り、楽しめる機会を創出しています。
体験づくり事例2:オフラインイベント
青山(MIXI):オフラインイベントを開催し、ユーザーの方同士、コンテンツや出演者とも近い距離感で楽しんでいただいています。2024年7月に開催した有料イベント「DREAMDAZE Ⅱ(ドリームデイズ ツー)」では、ゲームや音楽などのライブエンターテインメントショーや、モンストの日本一を決める大会を行いました。会場の様子は、YouTube、X、TikTokでライブ配信もしています。
青山(MIXI):イベントは、ユーザーと直接交流できる貴重な機会です。そのため、イベントを企画・運営するスタッフだけでなく、エンジニアをはじめ様々な職種の社員が会場に足を運んでいます。
体験づくり事例3:プロモーション
青山(MIXI):「共感できる体験」の創出にも取り組んでいます。ゲーム性の高さやキャラクターの魅力ではなく「ワイワイ遊ぶのって楽しい!」というユーザー体験軸のコアバリューを訴求しています。「#俺たちのモンストーリー」というCMでは、SNSでエピソードを募集し、ユーザーの実体験を基に制作することで、視聴者が自分事として感じられる内容にしています。
佐藤(MOTTO):MIXIは感動と驚きのある体験を提供するため、ユーザーと一体となってマーケティング活動を展開しているのですね。組織規模が大きくなっても、これを実践できていることは注目に値すると思います。
水谷(Duolingo):実は、私もMIXIに新卒入社して働いていた時期があるのでわかるのですが、関わっている社員全員がモンストのヘビーユーザーなんです。会社から強制できることでもないのに、そういった統一が成されているのは、すごいと思います。