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MarkeZine Day 2024 Focus

ユナイテッドアローズのOMO本部長が語る 店舗起点の感動ドリブンなOMO

 OMO戦略に注力するユナイテッドアローズ。店舗スタッフの接客とオンラインでのパーソナライズを融合させ、オン/オフ双方のCXを向上し、顧客に感動を提供している。同社全体の業績も成長しているが、特にECサイトやEC×店舗をクロスユースするユーザーの売上が伸びているのは、OMO推進の賜物と言えるだろう。「MarkeZine Day 2025 Focus」には同社OMO本部の岩井一紘氏が登壇し、戦略の詳細と具体的な取り組みについて語った。

クロスユースユーザーの増加を目指して

 複数のアパレルブランドを運営するユナイテッドアローズ。同社のOMO本部で本部長を務める岩井一紘氏によると、中期経営計画では「感動提供 お客様と深く広く繋がる」というスローガンを掲げている。

ユナイテッドアローズ OMO本部 本部長 岩井一紘氏
ユナイテッドアローズ OMO本部 本部長 岩井一紘氏

 感動提供を実現するための3本柱が次の三つだ。

「5年前にECサイトの基盤をリプレースし、以降はIT投資に力を入れてきました。近年注力しているOMOの推進においては、中期経営計画のスローガンである『感動提供』の具現化を目指しているところです」(岩井氏)

 第一歩として、2023年8月に会員向けプログラム「UAクラブ」をスタート。3段階でアプリのリニューアルを進め、2025年1月に3回目のアップデートを完了した。

 OMOを推進する背景には、オンラインとオフラインの分断があったという。岩井氏曰く、購買検討段階にある顧客のほとんどがオンラインを利用するものの、実際の購買は店頭で済ませる人が多いそうだ。かつての同社ではオンラインとオフラインの顧客データが連動しておらず、UXが断絶していたため「壁を取り除いてCXを一体化する必要があった」と振り返る。

「オンラインとオフラインでUXが断絶しているのは企業側の問題です。その壁を取り除いてCXを向上するために、OMOを推進しています。以前は購入者の約8割が実店舗で商品を購入し、ECサイトの購入者比率は2割程度でした。店舗とECサイトをシームレスに行き来できる状態をつくることで、クロスユースユーザーの増加を目指しています」(岩井氏)

ECサイトの機能拡充だけでは差別化が図れない

 中期経営計画のスローガンである感動提供を実現するため、感動ドリブンをテーマにOMO戦略を推進している同社。ここでいう感動とは「店舗スタッフによる質の高い接客と、それがもたらす高いCX」を指す。日頃から来店頻度や個々の顧客の心理、趣味に応じてパーソナライズした接客を行っており、それがブランドの強みの一つとなっている。

 食品の小売店などとは異なり、アパレルの場合は来店客のうち購買に至る人の割合は約3〜4%と高くない。そのため岩井氏は「来店をゴールにするのではなく、スタッフが接客を通じてCXを向上することが重要」と考えた。

「ECサイトの機能を増やしてお客様の利便性を上げ続けても、最終的には『どれだけコストをかけられるか』という話になってしまいます。SEOやCRM連携などの施策もやってはいますが、そこを追求しても他のECサイトも同様の施策を行っているため、大きな差別化は望めません。そうなると、我々の最大の強みである接客が、お客様に感動を提供するためのキーになります。店舗における接客でCXを向上し、お客様が店舗からECサイトへスムーズに移行できるようスタッフにも協力してもらい、クロスユースユーザーを増やすこと。これが最も早く売上につながる道だと考えました」(岩井氏)

次のページ
感動提供のための接客の4ステップ

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この記事の著者

平田 順子(ヒラタ ジュンコ)

フリーランスのライター・編集者。大学生時代より雑誌連載をスタートし、音楽誌やカルチャー誌などで執筆。2000年に書籍『ナゴムの話』(太田出版刊)を上梓。音楽誌『FLOOR net』編集部勤務ののちWeb制作を学び、2005年よりWebデザイン・マーケティング誌『Web Designing』の編集を行う。2008年よ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/02/28 07:00 https://markezine.jp/article/detail/47474

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