データはあるのに活用が進まない「3つの課題」
データ活用の重要性が叫ばれて久しいが、現場では「データはあるのに、なかなか活用が進まない」という声が絶えない。
Alteryx(アルテリックス)は米国カリフォルニア州に本社を置き、創業28年を誇るデータ分析プラットフォームの企業だ。全世界の導入企業数は8,500社以上にのぼり、日本では2019年にオフィスを立ち上げ、金融業や製造業の代表的な企業をはじめ多くの企業に活用されている。様々な企業の課題を知る同社の田中祐美氏は、多くのマーケターに共通するデータ活用の悩みとして「属人化/見える化止まり/経験と勘による意思決定」という3つの課題を挙げる。
1つ目の「属人化」は、マーケター自身でデータを使いたくても、データサイエンティストやIT部門に依頼しなければデータを抽出できない状況だ。結果として、分析スキルを持つ一部の専門家にデータ活用が集中し、現場でデータを扱えない構造が固定化してしまう。
2つ目の「見える化止まり」は、データの可視化が目的になってしまい、そこから先の意思決定や施策改善につながっていないケースだ。多くの企業やチームの“あるある”だろう。
そして、3つ目の「経験と勘による意思決定」だ。せっかくデータが揃っていても、判断の場面では長年の経験や直感に頼ってしまう。田中氏は「私自身も耳が痛いのですが」と添えつつ、データドリブンを掲げながら、実態は属人的な判断に依存しているという多くの組織で見られる矛盾を指摘した。
データ活用の意思決定を止める「3つの壁」
これら3つの悩みの背景には、データ活用を構造的に阻む「壁」が存在する。田中氏はデータからビジネスの意思決定に至るまでのプロセスを整理し、それぞれの段階に立ちはだかる壁を示す。
最初の「データの壁」は、分析を始める以前の段階にある。複数のシステムやツールから散在するデータを集め、欠損や誤入力を修正してきれいに整えるまでに、膨大な時間と労力がかかる。
続く「分析の壁」は、データの壁に時間を取られることで引き起こされる。データ整備に追われるあまり、いざレポートを作っても深い分析や仮説検証に時間を割けず、表面的な集計で終わってしまう。
最後に「活用の壁」。レポートや分析結果が次のアクションや施策改善につながらない状況である。
「この3つの壁は連鎖しています。データの壁で時間を浪費してしまうと、次の分析の壁を生み、分析が浅くなることで次の活用の壁が生まれてくるのです。つまり、根本にある『データの壁』を取り除かない限り、後続の課題は解消されません」(田中氏)

