BIからAIとアクションのプラットフォームへ
説明会の冒頭、ジャパンカントリーマネージャーの川崎友和氏はドーモのタグラインの変遷を振り返り、同社のフォーカスが「モダンBI(ビジネスインテリジェンス)」から「AIとデータに基づくアクション」へと完全に移行したことを強調した。
川崎氏は自社調査の結果を引き合いに出し、AI活用における経営層と一般社員の間の深刻な乖離を指摘した。経営層・役員の71.5%が「活用できている」と回答する一方、一般社員で同様の回答をしたのはわずか30.2%に留まっている。この41.3ポイントに及ぶギャップの背景には、複数の障壁が存在するという。
同社の調査によれば、AI活用推進の障壁として「従業員のリテラシー・知識不足(46.1%)」が最も多く、次いで「AI活用の戦略やビジョンの不明瞭さ(32.3%)」「導入・活用を推進する人材やノウハウの不足(28.7%)」が挙げられている。また、データの取り扱いに関する課題として「データの品質のばらつき」や「社内の複数システムへのデータ散在」が浮き彫りになった。
川崎氏は、これらを解消して「AI readiness(AI活用の準備態勢)」を高めるには、単なるツール導入ではなく、ガバナンスの効いたデータ基盤、ビジネスコンテキスト(文脈)の理解、継続的な人材育成、そして「全社データ活用が日常化している組織文化」の要素が不可欠であると説いた。
ドーモが提唱するCWA(Company-Wide Adoption)とは、データを見て意思決定し、行動するという循環を一部門ではなく全社で回している状態を指す。川崎氏は「AI時代に問われるのは『全社で動ける力』である」と断言。正しいデータが必要な人に届き、判断され、行動に変わるとき、初めて企業の競争力になるという考えだ。
「ツールを導入して終わり」の従来モデルを打破
顧客企業の全社データ活用を実現するべく、ドーモは新組織「CWAコンサルティング統括部」を発足。クライアントサービス本部 ディレクターの伊藤拓史氏は、この組織が「ツールを導入して終わり」という従来のモデルを打破するためのものであると説明した。
CWAの実現には、変革を描く役割、実行する役割、技術で支える役割などが一体で動く必要がある。新組織では既存のサービスに加え、新たに「BA(Business Architect)」と「MDaaS(Major Domo as a Service)」をラインナップに組み込んだ。
AC(Adoption Consultant)
経営や事業の未来像を描き、どこから変革を始めるべきかを定める。CWAの出発点を作る役割。
BA(Business Architect)※新設
戦略コンサルや事業会社のDX部門で実績を持つプロフェッショナルが、KPIデザイン、組織・業務設計、マインドセットの変革までを支援する。
TA(Technical Architect)
データ接続、ガバナンス、アーキテクチャを整え、データが安全かつ継続的に使える基盤を構築する。
Enablement
組織が自律的にデータドリブンな文化を醸成できるよう、トレーニングやナレッジシェアリングを担当する。
MDaaS(Major Domo as a Service)※新設
Domoの運用管理業務をドーモ側に委託できるアウトソースサービス。認定資格上級者が顧客に代わって管理・運用を代行することで、顧客は本来注力すべきデータ活用に集中できるようになる。
伊藤氏は「BAが加わったことで、単にダッシュボードを作るだけでなく、ビジネスの成果に直結する業務変革までドーモが踏み込めるようになった」と、新設の意義を語った。
