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【ニッセイ基礎研究所 解説】「共創」視点で再定義する「サステナブル・マーケティング」

サステナ消費者を分類した主要3つのセグメントを紹介~データから読み解く、消費者の本音とインサイト

 本来、サステナブル・マーケティングは自社の収益拡大だけでなく、消費者の意識や行動を持続可能な方向へ変えていくことまで目指すものである。しかし、サステナブルな商品やサービスが全ての消費者に等しく響く時代にはまだ至っていないのが現状だ。この状況で、限られたマーケテイング・リソースをどこに投入していくべきだろうか?  今回は、消費者インサイトに基づく3つのセグメントとターゲティングに注目し、なぜ消費者がサステナ行動を取るのか、今後の攻略に向けたヒントを探る。

3つの主要セグメントの特徴~各セグメントに響く訴求・体験設計は?

 ニッセイ基礎研究所の調査・分析では、サステナビリティに対する意識を軸に、消費者を4つのセグメントに分類できることが明らかになっている(表1)。

 さっそく、そのうち特に注目すべき3つの主要セグメントのプロフィールから特徴を整理してみる。

【表1】サステナビリティ意識に基づく消費者セグメントのプロフィール
【表1】サステナビリティ意識に基づく消費者セグメントのプロフィール(クリックして拡大)

セグメント1「サステナ積極実践層」

・属性:50代以上の中高年、高収入層に多く、全体の約3割。

・特徴:社会的責任・パブリックマインドへの意識が高い。日々の消費行動だけでなくライフスタイル全体でサステナビリティを重視。

・行動:エコバッグ利用、リサイクル・フェアトレード品の選択、地域・社会への積極的な関与など、行動範囲が広い。

・訴求ポイント:社会的意義や責任感が感じられるストーリー、参加型・共創型体験。

セグメント2「サステナライトフォロワー層」

・属性:都市部在住の30~60代、中程度の世帯収入層が中心で、全体の約4割弱。

・特徴:コストや利便性を重視する「バランス志向」。市場のボリュームゾーンとして影響力が大きい。行動はフォロワー型で、周囲やメディアへの同調が顕著。

・行動:手軽なサステナ行動(エコバッグ、詰替品など)は浸透しているが、積極的な購入は限定的。「無理なくできる範囲」で消費。

・訴求ポイント:身近さ、手軽さ、周囲の動向と連動した訴求。

セグメント3「サステナ行動手前層」

・属性:40~50代を中心に、地方部や中低所得層の比率が高い。

・特徴:サステナビリティへの関心はあるものの、行動に移せない「潜在層」。

・行動阻害要因:「選び方がわからない」「負担感やコストが高い」など、行動へのハードルが高い。エコバッグ利用のような象徴的行動は見られる。

・訴求ポイント:コミュニケーションだけでなく、実利・実感につながるインセンティブが必要。

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商品カテゴリー別に見るサステナビリティ意識の広がり

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この記事の著者

小口 裕(オグチ ユタカ)

株式会社ニッセイ基礎研究所 准主任研究員

多摩美術大学 非常勤講師(消費者行動論)。消費者行動の専門家として、エシカル消費、サステナブル・マーケティング、地方創生を中心に研究・政策提言を行う。過去、20年以上にわたり、自動車、食品・飲料、デジタルコンテンツ、自治体などの多岐にわたる分野の消費者調査や研究に従事。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/07/30 09:00 https://markezine.jp/article/detail/44710

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