Amazon Adsは12月10日、年次イベント「unBoxed Tokyo 2025」を開催し、広告運用の一元管理を可能にするワークスペース「キャンペーンマネージャー」、AIアシスタント機能「Ads Agent(アドエージェント)」、スポンサー広告の新機能・フォーマット、動画生成ツールなどを発表した。
運用基盤の統合「キャンペーンマネージャー」による効率化
「キャンペーンマネージャー」は、広告運用のあらゆる要素を統合するワークスペース。これまでスポンサー広告は広告コンソールで、ディスプレイ広告や動画広告はAmazon DSPで別々に管理する必要があった。今回の統合により、ストリーミングTV広告からスポンサー広告まで、ファネル全体を横断するキャンペーンを一元管理できるようになる。
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さらに、1つのグローバルアカウントで複数国の広告を一括運用することが可能となった。またリアルタイムで出稿機会を特定するスマート検索機能、ワンクリックで最適化を実現するガイダンスカード、フルファネルを網羅したリアルタイムインテリジェンスなどのAI搭載機能を提供する。スマート検索では入札最適化におけるワークフローに要する時間を26%削減したという(※1)。
現在ベータ版を一部の広告主および広告代理店に提供を開始しており、12月中旬より順次利用を拡大し、すべての広告主および広告代理店が利用できるようになる。
AMCでは、自然言語による「分析」が可能に
高度な専門知識が必要だった領域に生成AIを実装することで、あらゆる規模の企業が高度なマーケティングを実行できる環境も整いつつある。
分析領域では、Amazon Marketing Cloud(AMC)にAIアシスタント機能「Ads Agent」が追加された。従来、AMCの活用にはSQL(データベース言語)の記述スキルが必要だったが、Ads Agentの導入により、自然言語で対話するだけで分析が可能となる。たとえば「過去1年間で新規顧客獲得につながった商品を売上順に抽出するクエリを作成」と入力すれば、AIが数秒でクエリを生成し、分析結果を提示する。AMCでの活用機能は日本で既に利用可能だ。
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また、何千ものオーディエンスグループを分析し、関連性の高いオーディエンスを提案・設定する機能も日本で2026年第一四半期に提供予定だ。
ASINを入力するだけで、動画広告を生成可能に
クリエイティブ領域では、動画生成ツールが12月10日より日本で提供開始された。これは、ASIN(※2)を入力するだけで、商品画像やページ情報をもとに、AIがわずか3〜5分で6パターンの動画広告を自動生成する。手動でのテキストの変更やクリップの調整もできる。生成された動画は、Amazon Adsへの出稿目的でのみ利用可能だ。
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スポンサー広告に新機能・フォーマットを追加
スポンサープロダクト広告およびスポンサーブランド広告のパフォーマンスを向上させる新機能・フォーマットが追加される。
中核となるスポンサープロダクト動画広告は、Amazonのストア内で商品を紹介できるインタラクティブな広告フォーマットで、オーディエンスは気になるポイントへスキップしたり、複数の動画を切り替えながら閲覧できる。Amazonのファーストパーティーシグナルを活用し、閲覧履歴などに基づいて関連性の高い動画を最大3本まで最適化して表示する。日本では2026年中に提供予定だ。
その他の新機能として、定額でブランドキーワードの検索上位の表示枠を確保するスポンサーブランド広告のシェア・オブ・ボイスを確保する機能、クリックすると商品やブランドに関するインタラクティブな会話が可能となるスポンサープロダクト広告とスポンサーブランド広告のプロンプト機能(2026年第一四半期提供予定)、複数の関連商品をカルーセル形式で表示するスポンサーブランド広告コレクション(2026年第一四半期提供予定)などが発表された。
「マルチメディアソリューションパートナー」への進化
Amazon Ads ジャパン カントリーマネージャーの石井哲氏は、Amazon Adsの「マルチメディアソリューションパートナー」への進化を宣言した。Amazon Adsは、Amazon上の購買のみならず、オフライン店舗での購入、来店促進、リーチ最大化、アプリダウンロードなどのあらゆるKPIに対応し、企業のマーケティング活動における認知、購買、そして事業成長の測定までを一気通貫で支援するパートナーを目指す。
その基盤となるのが、メディアとしてのリーチ力だ。2025年4月に日本でも提供が開始されたPrime Video広告は、Amazon Ads全体での国内の月間推定広告リーチ数を6,500万人以上に押し上げている(※2)。提供開始から半年間で、Prime Video広告を利用したエンタープライズ広告主の72%が継続的な出稿を行っている(※3)。また、Amazonのストア上で商品を販売していない「ノンエンデミック」企業の活用も広がっているという。
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