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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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イベントレポート

Adobe Summit 2026 現地レポート AI時代の顧客体験提供は「ブランド可視性」が鍵に

 2026年4月20日(月)から22日(水)にかけて、アドビはラスベガスで年次カンファレンス「Adobe Summit 2026」を開催した。カンファレンス全体を通して大きく訴えられたテーマは、マーケティングとクリエイティビティの再定義だ。本稿ではDay1のキーノートのハイライトを中心にレポートする。AI時代の顧客体験提供に不可欠な「Brand Visibility:ブランド可視性」とは?

新パッケージの提供を発表

 カンファレンスホストを務めるのは、アドビでカスタマーエクスペリエンス統合事業部門の代表を務めるアニール・チャクラヴァーシー氏だ。同氏は冒頭、マーケター向けにまったく新しいオファリング「Adobe CX Enterprise」を提供すると発表した。

【図1】Adobe CX Enterpriseの全体像(出典:アドビ)
【図1】Adobe CX Enterpriseの全体像(出典:アドビ)

 Adobe CX Enterpriseは、アドビが数十年にわたってデータ、コンテンツ、カスタマージャーニーの各領域で獲得した専門知識を活用し、構築したAIエージェントのための基盤だ。最上位の3つは、それぞれ「Brand Visibility:ブランド可視性」「Customer Engagement:顧客エンゲージメント」「Content Supply Chain:コンテンツサプライチェーン」のユースケースを支援するため、既存の製品および新規の製品を組み合わせた統合ソリューションとして提供する。

P&G社長が語るAI時代のコンテンツ管理

 AIエージェントの登場は、マーケティングの世界に大きな地殻変動をもたらした。人間の視点だけで行ってきたブランディングを「AIがブランドをどう見るか」という新しい視点を加え、徹底的に見直さなくてはならなくなったためだ。

 2026年1月にP&Gの社長兼CEOに就任したシャイレッシュ・ジェジュリカー氏は、アドビの会長兼CEOを務めるシャンタヌ・ナラヤン氏との対話の中で「私たちのような大企業が、適切なセキュリティ対策を講じながら、大量のコンテンツを制作し、配信することはAIなしでは困難です」と語る。

【左】アドビ 会長兼CEO シャンタヌ・ナラヤン氏【右】P&G 社長兼CEO シャイレッシュ・ジェジュリカー氏
【左】アドビ 会長兼CEO シャンタヌ・ナラヤン氏
【右】P&G 社長兼CEO シャイレッシュ・ジェジュリカー氏

 ジェジュリカー氏の言葉が示すように、消費者と接点を持つところから始まり、信頼関係を築き、購入してもらうまでのプロセスは、デジタルファーストへと移行した。以来、マーケティングオペレーションは非常に複雑になる一方だ。ジェジュリカー氏がブランドマネージャーを務めていた頃は、年に1~2の広告コンテンツが2、3年間はどこかに掲載されていたという。

 しかし時代は変わった。今日のブランドは、消費者の気持ちをひきつけるコンテンツを大量に制作し、毎日のように最適化し、配信しなくてはならない。コンテンツのライフサイクルも以前とは比べ物にならないくらい短くなっている。

 これはP&Gのような、65ブランド・世界180ヵ国・50億人以上の顧客を抱えるグローバル企業に限ったことではない。また、コンテンツ管理だけを見直せば状況が変わるわけでもない。人間だけを対象にして設計していた顧客体験全体にAIエージェントが関わることを前提にして、プロセス全体を見直すことが求められている。

人とAIエージェントを区別したパーソナライズの難しさ

 アドビで顧客体験オーケストレーション担当シニアバイスプレジデントを務めるアミット・アフジャ氏は、ブランド可視性に関する問題点を2つ指摘する。第一に、企業がAIエージェントの体験設計の必要性をまだ認識していないこと。第二に「エージェンティックトラフィックがこれまでのものとはまったく異なる」という理解が十分でないことだ。

アドビ 顧客体験オーケストレーション担当シニアバイスプレジデント アミット・アフジャ氏
アドビ 顧客体験オーケストレーション担当シニアバイスプレジデント アミット・アフジャ氏

 マーケターは「画面やアプリの向こうにいるのは人間」という前提で、顧客体験の提供に努めてきた。その前提で注力してきたパーソナライゼーションは簡単ではなかっただろう。しかしここにきて、人間とAIエージェントを区別した上でパーソナライゼーションを行わなくてはならなくなり、難易度が一段上に引き上がってしまった。この壁を越えるためのサポートを提供するのが、Adobe CX EnterpriseのBrand Visibilityである。

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AIに自社ブランドを理解・推薦してもらうためには?

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この記事の著者

冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

 IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタントとして活動中。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2026/05/13 07:00 https://markezine.jp/article/detail/50665

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