認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン(以下、FLJ)は2026年4月28日、2025年の国内フェアトレード認証製品の市場規模を発表した。また、フェアトレード月間にあわせた啓発キャンペーン「フェアトレード ミリオンアクションキャンペーン2026」を実施すると発表した。

国内市場規模は約190億円、カカオは前年比60%に
FLJが発表した2025年の国内フェアトレード市場規模は約190億円で、前年比約88%。主要原料の国際価格変動が市場に影響を及ぼした。
特にカカオは、西アフリカの不作や気候変動を背景とした「カカオショック」により2023年後半から国際価格が歴史的高騰を記録。市場規模は前年比60%にまで縮小した。コーヒーも主要産地の天候不順や為替の影響で価格が高止まりし、前年比93%となった。
ただしコーヒーは、サステナビリティ対応を進めるホテル業界などBtoB領域での販売が拡大し、重量ベースでは約1割増加した。なお国内におけるフェアトレード市場の産品別の内訳を見ると、82%がコーヒー、カカオが8%、コットン、茶、果物、ハーブ・スパイスがそれぞれ2%となっている。
EU指令で「グリーンウォッシング規制」始動、認証ラベルの信頼性が焦点に
注視すべきは、サステナビリティ表示をめぐる、国内外の規制強化の動向だ。欧州では、グリーンウォッシング規制の一環として「Empowering Consumers for the Green Transition Directive(EU指令2024/825)」が、2026年9月から実質的な運用開始となる。
同指令では、曖昧な環境表示や企業による自己認証ラベルの使用が制限され、第三者による検証・裏付けが求められる。FLJはリリースで、これにより世界のサステナブル・ラベルの7〜8割が淘汰される可能性が指摘されているとし、第三者認証の重要性が一層高まると言及した。
日本でも、環境省が2026年3月に「環境表示ガイドライン」を13年ぶりに改定。客観的根拠に基づく環境表示への要請は今後さらに強まる見通しだ。2025年に発表されたサステナブル認証に関する調査では、グローバル・日本の双方で、国際フェアトレード認証ラベルが各種サステナビリティ系認証マークのなかで最も高い信頼評価を獲得したという。
約200社連携で過去最大の300万アクションを目指す
フェアトレード月間にあわせた啓発キャンペーン「フェアトレード ミリオンアクションキャンペーン2026」は、5月をフェアトレード月間と位置づけ、店頭での販促・啓発イベント・SNS投稿などのアクション1件につき1円を開発途上国の生産者に寄付する取り組み。6年目となる今年は、全国の小売・飲食・食品メーカー・自治体・教育機関・市民団体など約200社と連携し、過去最大の300万アクション(=300万円の寄付)を目標に掲げる。
寄付金は「フェアトレード アジア太平洋(NAPP)気候災害支援・レジリエンス基金」を通じ、2025年11月〜12月にサイクロンによる豪雨や洪水、土砂崩れの被害を受けたインドネシア・スマトラ島およびスリランカのフェアトレード生産地の復旧・復興に活用される。
参加企業の取り組みとしては、イオンが国際フェアトレード認証カカオ調達制度対象商品を含む20品目以上を展開し、4月にはトップバリュ グリーンアイオーガニックから新商品を発売。小川珈琲はフェアトレードアールグレイを使った期間限定メニューを販売し、京都駅で体験型イベントを開催する。DEAN & DELUCAはフェアトレード素材を使った8種のスペシャルメニューを展開するほか、国分グループは南アフリカ産フェアトレード認証ワインを販売する。
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