事業開始は9月1日から。新会社設立の背景
セブン-イレブン・ジャパン(以下、セブン-イレブン)、電通、サイバーエージェントの3社は6月11日、合弁会社「株式会社セブン-イレブン・アドコネクト」の設立を発表した。事業開始は2026年9月1日を予定。「広告をワクワクする情報へ進化させ、買い物体験を豊かにし、商品との出会いを創る」をミッションに掲げ、国内リテールメディア市場の拡大を牽引する。
セブン-イレブンは、2022年3月にリテールメディア事業をスタート。セブン-イレブンアプリ内の広告から始まり、POSレジ画面広告、店内デジタルサイネージへと接点を拡大してきた。デジタルサイネージは現在首都圏・四国に設置されているが、2026年9月から関西・東海エリアへも拡大し、累計8,700店舗への導入を予定している。
事業参入の背景にまずあるのは、広告市場の変化だ。テレビ離れの加速によりマス広告市場が縮小し、またネット広告はサードパーティークッキー規制の影響が懸念される中、リテールメディアは「購買に直結する」という点で注目が高まっている。
もう1つはセブン-イレブンのポテンシャル。国内約2万2,000店舗、1日約2,000万人の来店客数は、メディアとして換算すると大きなパワーになる。店舗・商品・データという3つのリソースを掛け合わせれば、広告が即購買につながる独自の広告価値を提供できると考えた。
各社の強みを活かした新会社、電通とサイバーエージェントが担う役割
一方で、セブン-イレブンの代表取締役社長 阿久津知洋氏は「自社のポテンシャルはまだ半分しか使えていない」と率直に語る。広告業界の知見不足、広告主への提案力の弱さ、クリエイティブ制作ノウハウの欠如、最新テクノロジーの未活用という4つの課題がリテールメディア事業の成長の壁となってきた。
加えて、テレビやネット広告と異なり、リテールメディアはマーケティングの統合プランニングの中にまだ組み込まれていないという構造的な問題もある。これらの課題に応えるのが電通とサイバーエージェントの役割だ。
電通はリテールマーケティング局を先行して立ち上げており、マスメディア・デジタルメディア・リテールメディアを横断した統合プランニングと、購買データ分析、PDCAの設計・改善を担う。
「電通はこれまでも様々な主要メディアの市場創造や拡大を支えてきた歴史があります。その経験を活かし、今回の取り組みも単発の成功に終わらせるのではなく、再現性のあるモデルとして磨き、より広い市場へとつなげていきたいと考えています」(電通 松本氏)
サイバーエージェントは、2017年からリテールメディア事業に注力してきた実績を持つ。新会社では、AIを活用した広告配信・クリエイティブ制作技術とネット広告で培った販売力・運用力を提供する。
「セブン-イレブン・ジャパン社、電通社と日本を代表する会社との取り組みになります。当社としても非常に大きな挑戦となりますので、全力で取り組んでまいりたいと考えております」(サイバーエージェント 山内氏)
