認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパンは、最新の国内フェアトレード市場規模を発表。2024年度のフェアトレード国内市場は前年比2.2%増加した。市場規模は2014年の94億円から、2024年には215億円まで伸長。国民1人当たり年間購入額も74円から174円へと、10年間で100円増えている。

フェアトレードとは「公平・公正な貿易」を意味し、人と環境に配慮して生産されたものを適正な価格で取引し、持続可能な生産と生活向上を支援する仕組みである。適正価格の保証・プレミアムの支払い、児童労働・強制労働の禁止、環境に配慮した生産などが行われる。
日本のフェアトレード市場の大半を占めるのは食品であり、2024年はコーヒーが全体の78.2%、次いでカカオ製品が12.2%を占めている。フェアトレードコーヒーは、2024年度全体では前年比97%と微減にとどまった。大手外食チェーンが取り扱いを中止した影響により外食市場での伸び悩みが見られたが、家庭用製品の販売が好調だった。カカオ製品は、前年比169%と大幅な成長を記録した。
気候変動の影響で、2050年にはコーヒーの栽培地(アラビカ種)が50%に半減し、カカオの木は西アフリカで生育が難しくなると予想されている。フェアトレードによって生産者に還元される資金が異常気象に適応するための農業トレーニングや資材への投資、グリーンエネルギー導入等の環境保全施策に活用されることで、気候変動対策としても重要な役割を果たすという。
フェアトレード・ラベル・ジャパンは、5月をフェアトレード月間と定め「ミリオンアクションキャンペーン2025」を開催している。フェアトレードの商品購入やSNS投稿、イベント参加などのアクションが、1アクション=1円として開発途上国への寄付になるキャンペーンで、期間内の商品販売数は200万個以上にのぼる。2025年は、商品販売数230万個以上、期間内の合計300万アクションを目指す。
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