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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2026 Spring

MarkeZine Day 2026 Spring(AD)

「データはあるのに活かせない」のは何故?アルテリックスが示すマーケター主導のデータ活用術

 「データは揃っているはずなのに、結局判断は経験と勘」「分析はしているが、施策に活かしきれていない」そんな悩みを抱えるマーケターは多い。MarkeZine Day 2026 Springに登壇したアルテリックス・ジャパンの田中祐美氏と山田一也氏は、データ活用が進まない背景を"3つの壁"として整理。マーケター自身が主導してデータを活用し、アクションにつなげる必要性を説くとともに、その実現を支えるソリューションを紹介した。

データはあるのに活用が進まない「3つの課題」

 データ活用の重要性が叫ばれて久しいが、現場では「データはあるのに、なかなか活用が進まない」という声が絶えない。

 Alteryx(アルテリックス)は米国カリフォルニア州に本社を置き、創業28年を誇るデータ分析プラットフォームの企業だ。全世界の導入企業数は8,500社以上にのぼり、日本では2019年にオフィスを立ち上げ、金融業や製造業の代表的な企業をはじめ多くの企業に活用されている。様々な企業の課題を知る同社の田中祐美氏は、多くのマーケターに共通するデータ活用の悩みとして「属人化/見える化止まり/経験と勘による意思決定」という3つの課題を挙げる。

アルテリックス・ジャパン合同会社 マーケティング本部 リージョナル・マーケティング・マネージャー 田中 祐美氏
アルテリックス・ジャパン合同会社 マーケティング本部 リージョナル・マーケティング・マネージャー 田中 祐美氏

 1つ目の「属人化」は、マーケター自身でデータを使いたくても、データサイエンティストやIT部門に依頼しなければデータを抽出できない状況だ。結果として、分析スキルを持つ一部の専門家にデータ活用が集中し、現場でデータを扱えない構造が固定化してしまう。

 2つ目の「見える化止まり」は、データの可視化が目的になってしまい、そこから先の意思決定や施策改善につながっていないケースだ。多くの企業やチームの“あるある”だろう。

 そして、3つ目の「経験と勘による意思決定」だ。せっかくデータが揃っていても、判断の場面では長年の経験や直感に頼ってしまう。田中氏は「私自身も耳が痛いのですが」と添えつつ、データドリブンを掲げながら、実態は属人的な判断に依存しているという多くの組織で見られる矛盾を指摘した。

データ活用の意思決定を止める「3つの壁」

 これら3つの悩みの背景には、データ活用を構造的に阻む「壁」が存在する。田中氏はデータからビジネスの意思決定に至るまでのプロセスを整理し、それぞれの段階に立ちはだかる壁を示す。

データ活用に立ちはだかる3つの壁
データ活用に立ちはだかる3つの壁

 最初の「データの壁」は、分析を始める以前の段階にある。複数のシステムやツールから散在するデータを集め、欠損や誤入力を修正してきれいに整えるまでに、膨大な時間と労力がかかる。

 続く「分析の壁」は、データの壁に時間を取られることで引き起こされる。データ整備に追われるあまり、いざレポートを作っても深い分析や仮説検証に時間を割けず、表面的な集計で終わってしまう。

 最後に「活用の壁」。レポートや分析結果が次のアクションや施策改善につながらない状況である。

「この3つの壁は連鎖しています。データの壁で時間を浪費してしまうと、次の分析の壁を生み、分析が浅くなることで次の活用の壁が生まれてくるのです。つまり、根本にある『データの壁』を取り除かない限り、後続の課題は解消されません」(田中氏)

分析前に大半の時間が消えている

 では、「データの壁」の実態とは何か。田中氏はその具体的な要因として4つを挙げる。

 まず「データの散在」だ。広告データだけでもGoogle、Yahoo!、Metaなど複数のプラットフォームを使用しているケースが多い。さらにCRM・MA・EC・店舗と、データはあらゆる場所に点在している。

 集約も骨が折れるが、形式などが異なるデータを1ヵ所に集めても一括で分析することは難しい。2つ目の要因「データの品質」の問題が浮かび上がる。大規模なデータ統合でなくとも、データ品質の管理は容易ではない。

「イベントに出展した場合、数百~千件のリストが納品されます。それらをCRMやMAのデータベースで正しく分析するためには、名寄せをはじめとするクレンジングが必須。ここを手作業すれば多くの時間を割いてしまいます」(田中氏)。

 3つ目の要因が「IT部門・マーケティングオペレーションへの依存」だ。必要なデータを抽出するためにIT部門へ依頼すると、対応まで1週間や10日かかることも珍しくない。変化の速いマーケティング現場において、これだけのラグがあってはスピーディーなPDCAサイクルが回らなくなってしまう。

 4つ目に再び「属人化」が立ちはだかる。名寄せのためにつくられたExcelマクロが、担当者の異動や退職によって誰も手を付けられなくなるケースは多くの組織で見られる。

 こうした状況を打破するために、手作業の繰り返しから自動化された改善サイクルへの転換が求められると田中氏は主張する。IT部門やオペレーション部門に頼らず、マーケティング部門がデータを活用できる環境を作り、マーケター自身が高速に回せる状態を目指すのだ。

 そして「データを集める、データを整える、分析する、改善する」というデータ活用のPDCAサイクルのPとD(データ収集・整理)に時間を取られる状況から、後半のCとA(分析・改善)に時間をかけられるような転換が必要だ。その実現を強力に支援するのが、アルテリックスのプラットフォーム「Alteryx One」である。

6万行を1.8秒で処理!Alteryxが実現するデータ活用

 セッション後半では、具体的に「Alteryx One」は何ができるか?を示すデモがソリューションエンジニアの山田一也氏によって披露された。

 ExcelやCRM・ERPなど様々なデータソースからデータを抽出し、ノーコードでワークフローを組んで加工・準備を行うツール「Alteryx Designer」。作成したワークフローの自動・スケジュール実行と、データへのアクセス権限管理によるガバナンス担保を担う「Alteryx Server」。AIがデータからインサイトを自動提案し、レポート作成を自動化する「Alteryx Auto Insights」。これら3製品が「Alteryx One」の主力だ。

Alteryx Oneのソリューション群
Alteryx Oneのソリューション群

「データ加工の各ステップを“部品”として画面にドラッグ&ドロップし、ワークフローとして並べていきます。ExcelのVLOOKUPに相当する結合、ソート、フィルター、集計などがすべて視覚的に組めます」(山田氏)

アルテリックス・ジャパン合同会社 ソリューション エンジニアリング リードセールスエンジニア 山田 一也氏
アルテリックス・ジャパン合同会社 ソリューション エンジニアリング リードセールスエンジニア 山田 一也氏

 デモで取り上げたのは、集計レポートの作成だ。ヘッダー情報が欠けていたり、数値と文字が混在した列ができていたりと、現実のExcel業務にありがちな問題が詰まった約6万2,000行のデータを「Alteryx Designer」ワークフローに通すと、その処理にかかった時間はわずか1.8秒だった。

 さらに山田氏は、Excelマクロとの違いも示す。Alteryxのワークフローは各ステップの処理内容と前後のデータ状態を誰でも視認できる。マクロがエラーを起こし対応できなくなった場合も、原因を特定して担当者自身がメンテナンスできる。つまり、マクロの作成者が退職し、誰も扱えなくなるリスクを防ぐことが可能だ。

Excelで区別できない表記ゆれも生成AIフォロー!

 BtoCとBtoBそれぞれのマーケティングにおいて、Alteryx Oneはどのように活用できるだろうか。セッションでは、その例も語られた。

 BtoC領域においては、広告・EC・CRMのデータを顧客IDで統合してカスタマージャーニーを可視化する「顧客データの統合」、広告チャネル別のCVを比較して予算配分を最適化する「広告の最適化」、顧客の行動・属性データを分析してMAや広告配信に連携する「優良顧客のセグメント作成」などがある。

 BtoB領域では「名寄せ」、リードがどのステータスで滞留しているかを定期的に共有する「SDRや営業へのフォローレポート」、イベントやホワイトペーパー、広告など複数施策のうちどれが案件を創出しているか「施策ごとの分析」に活用できる。

BtoC、BtoB各領域での利用イメージ
BtoC、BtoB各領域での利用イメージ

 日本で発売されている全車種名とメーカー名をまとめたデータを用いた「名寄せ」のデモが印象的だったので紹介したい。たとえば、トヨタというメーカー1つとっても「TOYOTA」「トヨタ自動車株式会社」「トヨタ」など表記ゆれが存在する。さらに手入力の場合は「TOYODA」といった誤字も、現実には起き得る。

「これらはExcelでは別物として認識してしまうので、集計ができません」(山田氏)

 一方、AlteryxのGenAI(生成AI)ツールに読み込ませると、AIが文脈から「これはトヨタのことでは?」と推測し、補正案を自動出力する。出力結果をカタカナに統一するといった表記ルールを設定すれば、乱れたデータが整ったリストへと瞬時に変換される。膨大な確認・修正作業が、ほぼ自動で完結するのだ。

データをマーケターの強い味方に変えるために

 最後に山田氏が紹介したのが、「Alteryx Auto Insights」を活用したインサイト自動生成だ。お取り寄せサイトのインターネット広告を例に、コンバージョンデータ・製品データ・顧客データ・広告クリックデータを統合してAuto Insightsに連携すると、AIが約10秒でエグゼクティブサマリーを自動生成する。

 たとえば、売上が過去5年で大きく落ち込んだ箇所について、AIが原因を一段階ブレークダウンして自動提示する。先回りした分析が自動で出てくるので、アクションプランを考えることに時間をかけられる。

 さらにその分析内容をマネージャーへ報告するメールを自動生成したり、プレゼン用のパワーポイントとして書き出したりする機能も備えている。

皆さんが手作業で頑張るのではなく、考えることに時間を使える。それを実現するのがAlteryxです」(山田氏)

 デモが終わると再び田中氏が登壇し、次の3点が不可欠であると説明し、セッションを締めくくった。

「マーケター主導でデータを活用できる環境を持つこと。膨大な手作業から脱却し、知的生産性の高い戦略的な業務に時間を使うこと。そして“見える化”で終わらせず、AIやテクノロジーの力を駆使してデータに基づいた次の施策アクションにつなげることが重要です。本日の内容が少しでもヒントになりましたら幸いです」(田中氏)

●Alteryx Oneは「デモトライアルページ」よりお試しいただけます。

●その他のお問い合わせ・ご相談は「お問い合わせページ」よりご連絡ください。

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:アルテリックス・ジャパン合同会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2026/03/19 11:00 https://markezine.jp/article/detail/50532