IT専門調査会社のIDC Japan 株式会社は7月25日、2006年における国内通信事業者のインターネットデータセンター(以下、IDC)市場規模と、2006年~11年までの市場規模予測を発表した。これによると、国内通信事業者が提供するIDCサービス市場規模は、2006年において2,637億円に達し、2006年~2011年における年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は13.1%であり、2011年における市場規模は4,889億円に達するとIDCではみている。
首都圏では依然としてスペースが逼迫しており、こうした需要を押し上げているのは、一般企業が自営で運用していたデータセンターから、事業者が提供するデータセンターへの統合・移行が進んでいること、ネット系企業がサービス拡大のためサーバーを増強していることが主な要因と考えられる。
一方、都心郊外や地方のデータセンターは、BCP(事業継続計画・DR(災害復旧)対策、内部統制の強化として、バックアップサイトを構築するケースや自社のシステムを事業者にフルアウトソーシングする用途での利用が拡大しているものとIDCでは分析している。
国内通信事業者は、首都圏における需要に対応するため、2006年から2007年にかけてサイトの増床を行っているほか、中長期的な増床・新設の計画あるいは検討を進めている。2008年にかけても、具体的な増床計画を発表しており、当面は都心あるいは都市郊外においてIDCの供給面積が拡大するものとみられる。
IDC Japanのコミュニケーションズ マーケットアナリスト川上晶子氏は「首都圏では依然としてスペースが逼迫状態にあり、2006年から2007年にかけて、国内通信事業者によるサイトの増床が続いている。中期的には床面積供給が充足する時期が来ることも想定されることから、電力効率・設置効率を高める技術的コンサルティングや、PDCA(Plan-Do-Check-Act)を意識したBCP・DR対策サービスの強化、地理的条件の制約を受けないデータセンターインフラの強化が必要である」と述べている。
プレスリリース:国内通信事業者のインターネットデータセンター市場規模予測を発表