グーグルの正式サービスがない中国ユーザーに日本のコンテンツを提供
現在、中国ではグーグルがAndroidマーケットの正式サービスを提供していないため、中国国内のユーザーは、サードパーティのサービスなどをつかって、アプリやコンテンツを独自に入手している。
今回、月間のユニークユーザー数が4億人を超える中国第2位のインターネット企業Qihoo 360 Technologyと日本のACCESSPORT社が提携。ACCESSPORTのAndroid向けコンテンツマーケット「Tapnow Market」を発展させて、日中間で利用できるAndroidコンテンツ流通プラットフォームを構築し、6月からサービスを開始する。
このプラットフォームによって、日本のコンテンツデベロッパーは、日本国内でアプリを登録・管理するだけで、直接的に中国のコンシューマーユーザーにサービスを提供し、アプリの課金などを通じて収益を得ることが可能になる。サービス提供にあたっては、DRM(デジタル著作権管理)とソフトの共通化をおこなうほか、課金システムについては共同でSDKを配布する。
ACCESSPORTは国内ユーザー向けに、Tapnowのサービスをリニューアルし、有料アプリの販売をスタート。壁紙ストアを皮切りに、電子書籍、音楽、ビデオなどの販売を4月から6月にかけて順次開始していく。
Qihoo 360の周CEOが初来日
今回の提携にあわせて、Qihoo 360 Technology社CEO周 鸿祎氏が来日。周氏は1998年に3721社を設立し、2003年同社が米ヤフーに買収されると、2004年にYahoo!中国のCEOに就任。その後Yahoo!を離れて、2006年Qihoo 360のCEOに就任。2011年3月、Qihoo 360はニューヨーク証券取引所(NYSE)で上場を果たした。
会見では、中国のインターネットユーザーの著作権の意識が変わりつつあること、ECの利用を通じてネットでのコンテンツ購入の敷居が下がりつつあることなど、単に市場規模の巨大さだけが魅力ではないことを強調。その一方で3G回線がまだ普及していないこと、コンテンツダウンロードにともなう課金への負担感については、PCを使ったスマートフォン端末へのワンクリックダウンロードなどによって補完していきたいと説明した。
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