自分のスキルを活かせば、ローカルな場所でも事業は成り立つ
ホームページの企画・デザイン・制作から、紙・ウェブなどの広告デザイン・制作、ショッピングサイトの支援やサポート、さらには冷凍食品の卸販売業務までと幅広い事業を手がけるmillecom。
代表の石川氏は、これらの多岐に渡る業務を個人で行っています。同業社や代理店などが大都市に集中するなか、石川氏は2009年に地元・北海道での開業に踏み切りました。
「以前は東京の大手IT企業で働いていました。その傍ら副業として、紙媒体やウェブデザインの制作を行ううち、 Google AdWords に興味を持ち、自分でも使ってみるようになりました。その後、いくつかの会社からウェブサイト制作から Adwords の代理店的な業務までを請け負うこととなり、『自分のスキルを活かせば、ローカルな場所でも事業は成り立つのでは』と思い、3年前に地元の北海道へと移りました。
その際の足掛かりが地元でも口コミで知られる『宝永餃子』との関わりです。本来異業種である事も、実際にクライアント様の商品をオフィスをお借りし販売・卸業務・オンラインショップの管理までさせていただくなど自らが体験する事で、それらの経験を他業種にも活かすことができると考えました。もちろん現在もこのサイトのメンテナンスから AdWords 運用まで継続して行っています。現在は、28社ほどの顧客がいて、サイトの制作から AdWords の運用までを請け負っています」
海産物をはじめ乳製品をもとにしたお菓子など様々な特産物が多い北海道という土地柄、それらを扱うECサイトが顧客の多くの割合を占める同社では、サイトの制作の依頼があった際、提案時に AdWords の導入を勧めているといいます。
「ある企業では、美容院で使われるシャンプーを大手ショッピングモールで販売していましたが、これに AdWords を導入したことでじわじわと売り上げが上がり、結果従来にプラスして月150万程の売り上げを上げるまでになりました。このとき考えた方法が、AdWords の広告で表示されるリンク先を、実際にその企業の商品購入ページへ綱が得るというものです。シャンプーなどは、ユーザーの購入意欲も高い場合が多く、商品の具体名を入れて検索しがちです。
そういった場合、リンク先が企業のトップページになってしまうと、あらためてサイト内から検索する手間が発生してしまい、その時点で離脱してしまう可能性も高くなります。そこで、購入意欲を保ったまま、直接購入へと繋がるよう、リンク先をダイレクトに商品カートページに設定したのです。現在この企業では AdWords を利用して約半年ですが、月の売上が700万円ほどにまでなりました」
紙媒体とは違う、 AdWords の利点を知ってもらうこと
中小企業や、地域を絞って営業するような企業では、大手企業のように広告費をかけられない場合もあります。効果的な運用をすれば、少ない広告費で優れたコストパフォーマンスが期待できる AdWords の利点を活かし、同社では積極的 AdWords の利用支援・運用を行っています。
「私のおつきあいさせていただいている範囲では、オンライン媒体とオフライン媒体を併用するお客様はまだほとんどいません。サイトは紙の会社案内のウェブ版、といった認識を持つお客様も少なくありません。ローカル地域ではどうしても紙媒体や、テレビや新聞など、いわゆる4マス媒体のほうが広告媒体として強い印象があります。私としてはサイトを制作して、低額でリスティング広告を活用するほうが、下手なSEO対策を導入するより効果的かつ効率的だと考えています。お客様の商材(小売・飲食店・企業)等にもよりますが、飲食店を例に挙げてもオフライン媒体に対するチラシ・フライヤーの印刷、折込料など配布対象により様々な費用がかかります。これをオンライン媒体で、リスティングを使うことで、費用対効果もわかりやすく、勧める価値や成果も上がります」
AdWords の導入・検討にあたり、「運用コスト」を理解してもらうため、紙媒体を主としている顧客にかんたんなサイトを作成し、一定額無料で使用できる AdWords のお試し券を使って、実際に運用を行った結果を目で見て理解してもらえるよう工夫しているといいます。
「一概にすべてには通用しない部分もありますが、こういったケースバイケースのやり取りでお客様にとって何が効果的か、といった戦略を組み立てる事が、導入に対しての『壁』を取り除く要因になると思います。お客様の顧客にあたるエンドユーザーは、知りたいキーワードで目的を検索します。それらに直結する様、お客様のニーズも大切ですが、エンドユーザーを対象にターゲットを絞り加えてお客様の満足をサポートする方が、従来の効果に比べ数倍もの成果が期待できますね」
スターターキット活用で、お客様の興味を喚起
顧客への提案を行う際にとても役立っているのが、 Google オープンビジネスパートナープログラム だと石川氏はいいます。
「自分でも、 AdWords の運用については、より知識を得ようと、 AdWords をはじめた当初から海外サイトを含め積極的に訪問し、勉強していました。その中で、オープンビジネスパートナープログラム の存在を知り申し込みました。ちょうどその頃、お客様から AdWords の無料お試し券の使い方などを聞かれることが増えていました。また、 AdWords の利用支援自体を扱う同業社が周りにいなかったこともあり、事業の上でも新たな展開が見込めると思い、オープンビジネスパートナー へ参加にすることにしました」
運用支援ツールや、無料お試し券などプログラムの特典を使い、顧客へのアプローチをしている同社ですが、なかでも最近DMで届いたスターターキットが顧客との関係を構築していく上で役立ったといいます。
「 Google から送付されるスターターキットは、今まで独自に収集していた内容を含め、基本的な基礎編や、広告に関する改善・管理といった、広告掲載順位の仕組みや運用時に心掛けたいポイントが3回に渡り手元に届き、大変役に立ちました。それまでは独自の視点で色々と調査を行なったり、予測をしたり、顧客との打合せを重ね何度も修正を加えたりと時間的な効率利用が不十分でしたが、スターターキットを使うようになってからは、実際にツールを介して顧客との打合せに利用したり事前調査に役立てることができ、今までの作業効率を改善してくれる意味で、充実しているツールだと思います。
また、営業支援ツールである『マグネット』も役立ちました。 AdWords の説明と無料お試し券がついたミニカード、 Google オープンビジネスパートナー である弊社名・連絡先が印字されたカード型のマグネットをセットしてお客様にお渡しできるツールです。これをお客様に配ることで、お客様自身が AdWords に興味を持っていただけますし、実際にお試しで活用してみていただく場合もあります。何より、お客様の運用に対する自立にも繋がりますし、マグネットに連絡先が書いてあることでお客様から問い合わせの電話の機会を得ることもできました。今後もこういったツールを含め、資料の提供を期待しています」
AdWords を足がかりに法人展開へ
AdWords を活用した事業展開で順調に成績を伸ばし、2012年6月には、法人化も視野に入れているという石川氏。
「地方だからといって、オンラインの展開が向かないということはありませんが、オンラインで広告展開することへの抵抗があるお客様もまだまだおられます。今後は、より沢山の方に AdWords の便利さを理解していただき、新たなビジネスチャンスが増えることを期待しています」
- 社名:millecom
- 所在地:北海道札幌市清田区
- 設立:2009年6月
- 事業内容:ECサイト支援サポート事業、ホームページ制作、企画、デザイン、構築、各種プログラム、システム構築及びカスタマイズ、広告デザイン制作、企画、デザイン、店舗サポート事業、冷凍食品販売、卸し