新しいビジネスを手掛けるふたりが、“これまで”と“これから”を語る
株式会社アドウェイズで、モバイル広告事業部門の責任者を務める野田順義、一方、PC広告事業部門の開発ディレクターで、新規プロダクトマネジメントに従事する山田翔。日々刻々と変化するスマートフォン市場の荒波に揉まれながら、今後どうあるべきかを追求する二人の座談会をお届けします。
今回のお題は、スマートフォンアプリにCPIで広告出稿できるアフィリエイト形式の広告サービス「AppDriver」。その立ち上げのきっかけから、今後の展望について語ります。
AppDriverは、CPIで広告出稿できるアフィリエイト形式の広告サービス。それらの広告をリワード広告(※)として掲載することでアプリ自体を収益化することも可能です。
※リワード広告:アプリを利用するユーザーが、アプリ内の広告にて、新規アプリへの登録やスポンサーサイトでの商品購入など、アクションを起こすことで、そのアプリ内で使う通貨やポイント、アイテムを得る仕組みのこと。
「AppDriver」立ち上げのきっかけ
山田:AppDriverを立ち上げるきっかけになったのはノブさん(野田氏の愛称)が2010年3月に世界最大のゲームデベロッパー向けのカンファレンス、アメリカの「GDC(Game Developers Conference)」というイベントに参加して「Tapjoy」というスマートフォンのリワード広告ネットワークがきてる!ということに衝撃を受けたことが始まりですよね。
野田:そうだね。その当時はやましょう(山田氏の愛称)と一緒に2009年の秋頃に立ち上げた「リワードプラス」をやっていた。PC版のmixiアプリにリワードシステムを提供して、「サンシャイン牧場」や「怪盗ロワイヤル」などのソーシャルゲームの普及とともにリワードプラスも拡大していた時期だね。
そんなときに、すでにFacebook上でZynga、Playfish、Playdomなどのソーシャルゲームが盛り上がっていたアメリカの状況を見るためにGDCに参加した。アメリカではすでに戦場がスマートフォンに移り始めていて、この流れは日本にも来ると確信した。また、スマートフォンでもリワード広告をできないかと思い始めていた頃にたまたま参加したGDCのパネルディスカッションでTapjoyの存在を知ったんだよね。
それで日本に帰ってきてすぐにやましょうに相談してみたところ、「それはうちでもできる!」って。それがちょうど2010年春の出来事。
山田:いろいろと調べていった結果、既存のアフィリエイト広告システムのノウハウと、アプリ向けのSDKを用意できれば実現できることがわかったので、イチからサービスを立ちあげる方向で検討を進めだした感じですね。
ただ、プロジェクトを立ち上げてみたものの、人的なリソースもなく全員が片手間でプロジェクトに参加しているような状態だったので、事業化すべく経営陣にプレゼンをさせてもらったのを覚えています。