DSPとSSP
本連載では、近年注目を集めている「DSP」について、運用開始までの具体的フローや効果的な活用方法を紹介します。まずは、その前段階として「DSPとは何か」について説明します。
DSP(Demand Side Platform)とは、予算管理、入稿管理、掲載面の管理、最適な広告枠の選定など、需要側(Demand Side:広告主側)の広告効果の最大化を支援するツールを指します。2011年頃から注目を集め始めており、とあるDSP提供会社は、提供開始からわずか2か月間で300以上のアカウントが開設されるなど、注目度と期待の高さがうかがえます。
一方で、DSPと対になって語られるのがSSP(Supply Side Platform)で、複数のアドネットワーク、アフィリエイトなどから最も収益性の高い広告をサイトごと、訪問者ごとに選定して配信する仕組みを指します。これにより、供給側(Supply Side:メディア媒体側)の広告枠販売や広告収益の最大化などが実現可能となります。
その関係を表したのが上図です。ここに記したリアルタイムビッディング(Real Time Bidding)は入札の仕組みの ひとつで、広告のインプレッションが発生するたびに広告枠の競争入札 を行い、配信する広告を決定する方式のことを指します。
DSPとSSPは広告主側と媒体側という両極にある仕組みですが、広告効果や広告収益の「最大化」という点では共通している点があります。
注目を集めた背景
これらの仕組みが注目されたのはなぜなのか。その背景には、以下のようになニーズがあったと考えられます。
●アドテクノロジーの進化により、さまざまなアドネットワークやアドエクスチェンジが参入。管理・運用の煩雑さから、一元管理できる仕組みへのニーズが高まった。
●複数のアドネットワークやアドエクスチェンジを一元管理するだけでなく、より効果的に広告を出稿するため、効果測定を同じ指標で測定する必要性が高まった。