アフィリエイト広告だけのサービスはやりたくない!
山田:僕としてはアフィリエイト広告だけのサービスはやりたくなかったんです。
まだビジネスモデルが形成されていない市場に対して、今までと同じ事業を展開したとしてもスマートフォン市場が大きくなっていくのを待つことしかできない。であれば、当時盛り上がり始めていたスマートフォンアプリのデベロッパーがうまくビジネスを展開できるようなプラットフォームを僕達が提供して市場を作って行こう。そういう考えに至り、アプリデベロッパー向けのプラットフォームとしてAppDriverを展開することにしました。
2010年当時はmobageとかGREE、海外だとOpenFeintとかngmocoのplus+のような、ユーザー向けのプラットフォームがたくさんあって、ユーザーが共通のアカウントを作るだけでスコアランキングができたり、友達とつながれるような機能が提供されていたんですけど、アプリデベロッパー向けのプラットフォームというのはなかったんです。
アプリビジネスにおいては「集客、収益化、分析」の3要素が重要だと考え、CPIプロモーション、リワード広告、アクセス解析、広告効果測定をひとつのサービスとして展開することでAppDriverを導入すればアプリビジネスを行う上で必要な機能が全てそろう。そういったビジョンのもと走り始めました。

野田:アメリカでも同じように営業をしていたんだよね。フィーチャーフォン時代は「ガラパゴス」と呼ばれてしまうぐらいの状況で海外展開が難しかったんだけど、スマートフォン時代が来れば状況は一変すると思っていたので、当初から海外展開を視野に入れつつ動こうと。
なので、サービス戦略を考える際にもTapjoyやFlurryを筆頭に海外系のサービス分析もして、将来的に海外市場でも戦えるプロダクトを創り上げようという考えを常に念頭に置いてた。また、AppDriverをリリースした2010年末時点では、日本のデベロッパーが作ったフリーミアムのアプリがなかった。
逆に、海外のStorm8、TeamLavaなどが提供するアプリが日本のAppStoreのランキングで上位に入っていたので、そういったアプリにAppDriverを導入してもらうべく定期的にアメリカに行ってたね。
0が1に変わった瞬間
野田:AppDriverの特徴は、まさに「一番最初にリワードネットワークを作り上げたこと。」ただ正直なところサービスリリース当初はまったくネットワークがないどころか、一向にネットワークが広がらないような状態だった。
2011年の初め頃はiPhoneの累計出荷台数も当然今よりずっと少なくて、まだまだフィーチャーフォンで大丈夫という感じの人が多いような状態だったからか、スマートフォンアプリに注力している企業もそこまで多くなかったからね。ただし、その先のスマートフォン市場の拡大に着目している企業が序々に増えてきている実感はあったし、いざアプリを作っても集客手段が限られていたり、収益手段も限られていた。そこでAppDriverとして力になれればという想いでひたすら動き回ったよね。
山田:はい。どうしようもなくて少し恐怖感がありました。そんなとき、アドウェイズグループで、「カイブツクロニクル」の開発話が持ち上がっていたので、企画中のゲームをできるだけiPhoneアプリにしてくれとノブさんと強くお願いしました。
こうしてアドウェイズ初のスマートフォン向けソーシャルゲームアプリ「カイブツクロニクル」がリリースされた。当初から、リワード広告を掲載した形でリリースしたのですがその段階ではアプリ案件はほとんどなく、PCの広告を掲載していました(カイブツクロニクルのリリース時点ではアプリ内課金機能はなくポイントを得る方法はリワード広告のみでした)。

正直なところそこまで実績が出ると思っていなかったのですが……今までPCやフィーチャーフォンで見てきた数値を大きく超えるような数字を1日で叩きだしたんです!! 僕達の予想をはるかに上回る実績が出たことで、「これはいける」と初めて確信できましたよね。