ソーシャルメディアの普及や、スマートフォンなどの情報機器の普及により、生活者によるメディア接触状況は大きく変化しつつある。しかし、博報堂DYメディアパートナーズメディア環境研究所の分析によると、メディア接触状況の変化は全国規模で均一に進んでいるのではなく、地域によって特徴が分かれている。全国のメディア接触パターンは以下の5通り。
(1)カントリーマス
広大な土地と豊かな自然に恵まれたエリアに住む、テレビ・新聞愛好層。メディア総接触時間も長い。
【エリア】 北海道、青森県、岩手県、山形県、群馬県、新潟県、山梨県、長野県、熊本県、宮崎県、鹿児島県
(2)ラジエリアン
沖縄県に特有のパターン。鉄道がほとんどなく移動手段が車に限られるため、全てのパターンの中でラジオの利用時間が 最も長い。
【エリア】 沖縄県
(3)テレビラバーズ
メディア接触の中心がテレビでラジオやネットなどの接触は少ない層。比較的自然が豊かな土地で、静岡・広島を除いては人口減少傾向のエリアが中心。
【エリア】 秋田県、福島県、栃木県、富山県、福井県、岐阜県、静岡県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、 山口県、徳島県、愛媛県、高知県、佐賀県、長崎県、大分県
(4)アベレージニッポン
PCネットと携帯ネットの接触が東京に続いて長めだが、傾向は全体平均に近い。東京に次ぐ大都市や、政令指定都市を多く擁する府県。
【エリア】 宮城県、茨城県、埼玉県、千葉県、神奈川県、石川県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、香川県、福岡県
(5)ネットシチズン
メディアの総接触時間が長く、PC・携帯のインターネット利用時間が突出して長いデジタル先進層。雑誌接触時間も比較的長い。テレビ、ラジオの接触時間は短め。東京に特有の傾向。
【エリア】 東京都
5グループのメディア接触状況を見ると以下の通り。いずれもテレビが最も接触時間の長いメディアとなっている。
しかし、メディア接触時間について、全国平均値からの各グループの差分を算出すると、それぞれの特徴が顕著になる。
グループ別の構成比を見ると、「アベレージニッポン」が全体の半分を占めている。
【分析概要】
分析方法:全国新聞総合調査(J-READ)データを対象に県別にクラスター分析を行った
使用データ:全国新聞総合調査(J-READ)
調査主体:ビデオリサーチ
調査実施期間:2011年10月16日(日)~10月22日(土)
調査地域:全国47都道府県の各地域
調査対象:15~69歳男女
標本数:28859
対象者抽出:RDD(RandomDigitDialing)
調査方法:郵送調査
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