モバゲービジネスのおさらい
それでは、モバゲータウンはどのようにして儲けているのだろうか。ネット業界やモバイル業界に関わったことのある人であれば、予想がつく方も多いだろうが、ここでおさらいをしてみたい。基本的な収益の柱は、1 広告(バナーなどいわゆる純広告) 2 アフィリエイト広告 3 アバター販売といった3つである。
モバゲータウンの大きな特徴のひとつは、メッセージのやりとりや、コミュニティ機能といった基本機能とは別に、モバゲー内の自分の分身であるアバターを使って楽しめる点だ。アバターの洋服やアイテムを購入する際に必要なのが、「モバゴールド」であり、ユーザーはさまざまな方法で、モバゴールドを獲得できる。例えば、広告主のサイトで会員になったりすると、モバゴールドを獲得できるしくみを取り入れることで、ユーザーと広告主双方にメリットのある広告モデルを実現している。
ここで、収益の柱である、モバイル広告の市場規模を眺めてみよう。電通総研の発表によると、モバイル広告市場は、2011年には1283億円市場へ成長すると予想している。その中で純広告の割合は、789億円と約6割を占めている。アフィリエイト広告の関しても、携帯向けアフィリエイトは、堅調な伸びを見せているため(注1)、純広告とアフィリエイト広告については、今後も順調に推移していくと予想できる。
もうひとつの収益であるアバター販売は、ユーザーからの有料課金モデルにあたる。アバターは、モバゴールドで購入できる通常のアバターとは別に、「プレミアムアバター」と呼ばれるアイテムも販売している。プレミアムアバターは電子マネーを使い、500円~5000円で購入可能。現状、モバゲータウンの収益は純広告、アフィリエイト広告といった、広告サービスが売上の多くを占める。しかし、アバター販売の場合は、物理的な在庫を抱えなくてもよいなどのメリットが多数あり、会員数の伸びとともに販売量が増えることで、大きく化ける可能性のあるサービスといえる。
販売とは別に、アバターを軸にクライアントとの共同タイアップ企画も行っている。共同タイアップ事業とは、モバゲータウン内に共同のキャンペーンページを設置し、専用のゲームやアバター等を提供するしかけだ。5月1日~6月20日まで行われたコカコーラ社のキャンペーンでは、開始18日目でゲーム参加人数が50万人を突破。また、共同タイアップ専用キャラクターを軸にクチコミを誘発し、大きな成果を挙げている。