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【復習企画】いまさら聞けない、モバゲータウン儲けのしくみ


早期に会員1000万人を突破したい

 ユーザーからの支持が高く、確固たるビジネスモデルを持つモバゲータウン。そこで、モバイルポータル部 部長 畑村氏にモバゲー誕生のきっかけや、これからの目標など聞いてみた。

― モバゲータウンがはじまったきっかけを教えてください。

畑村氏 私は元々プロバイダーに勤めていまして、事務局やカスタマーサポートといった仕事をしていました。DeNAは業界でも有名な会社だったので、何か新しいことをしたいと思って転職してきたんです。会社にはいってからは常に企画を出しつづけていましたね。DeNAはモバオクや、モバコレといったモバイルサイトのノウハウがあって携帯を取り巻く環境も変化していた。ぱっと見た印象だと、競合も見当たらなかったので、チャレンジしました。

モバイルポータル部 部長 畑村氏。当初は、ここまでサービスが普及して
いくとは考えていなかったとのこと。

─ 運営体制は?

畑村氏 最初は3名でスタートしました。現在は、企画運営だけで、25~26名ぐらいです。それ以外にサポート部隊もいますね。企画というのは、新しいアイデアを出すのはもちろんですが、コンテンツの運営や、ユーザーからの問い合わせにジャッジするなどといった業務をしています。

─ スタート時と現在で、ユーザー層の違いなど感じますか?

畑村氏 そうですね。スタート時はやはりクチコミで入会してくる人が多かった印象があります。基本的には10代の層が圧倒的ですが、最近だと年齢層があがってきています。コミュニケーションの質は、あまり変わっていない印象がありますね。大人の方が若者のコミュニケーションに慣れてきているのかな?と感じています。もともと携帯とSNSの相性はいいですから、「仕事の合間に」などの使われ方をするユーザーさんも多いと思います。

─ アバターには特に力をいれたと伺いましたが。

畑村氏 広告ビジネスを行う上で、アバターの必要性はすごく感じていました。PCの状況を見てもわかるとおり、SNSを流行らせるためのキーワードは「コミュニケーション」であり、そのためのひとつとして、アバターが重要だと思ったのです。

 ファミコンをやるときに、友達とわいわいやるじゃないですか? その感覚を携帯で実現できないかと思ったのが、そもそものはじまりです。ゲームの世界とアバターは実は親和性がすごく高くて、例えばスーパーマリオも、ある意味自分の分身なのです。もちろん、そこから愛着が湧くだろうという狙いもありました。

─ なるほど。ちょっと脱線しますが、セカンドライフのアバターについてはどう思いますか?

畑村氏 セカンドライフのアバターはアメリカ人のテイストにあわせているので、普及するのはもうちょっと時間がかかるような気がしますね。そもそも、世界観としては、信長オンラインやファイナルファンタジーオンラインなど、同じようなものがあるので、セカンドライフが登場したときも、それほど新しいものだとは感じませんでした。もちろん、これからどう普及していくのかという点については興味があります。

─ ユーザーから支持を集めている要素のひとつとして、ゲームがあります。モバゲーの無料ゲームは、何か統一のコンセプトみたいなものはあるのでしょうか?

畑村氏 とりあえず、ゲームはサクサク動かないとダメですね。あえて、コンセプトというならば、短い時間で完結できるという点です。対戦ゲームの場合は、大富豪など、誰でもわかるゲームを中心にして、敷居を低くしています。私のイメージでは、携帯ユーザーの方々は時間がない、つまりせっかちな人が多いと思います。例えば、ゲームがはじまる前にボタンを連打したり(笑)。そのあたりを意識して作っています。

─ PCユーザーと携帯ユーザーの違いはよく話題になります。畑村さんはどう考えますか?

畑村氏 違いはいろいろあると思います。個人的な意見ですが、自分はPCに触っているときはあまりリラックスできないんです(笑)。仕事モードになってしまうというか。その点携帯は、PCよりはリラックスできる部分が大きいのではないでしょうか?統計をとったことはないですが、mixiなり、ブログなりを使ってPCで日記を書く場合と、携帯で日記を書く場合は、書く内容に差がててくると思います。

 あとは、やはり携帯は合い間、合い間でコミュニケーションができますよね。PCもメッセンジャー機能がありますが、その前にPCを立ち上げたりとか、何かしらの準備が必要となる。このあたりは大きな違いだと思います。

─ 今後の目標を聞かせてください。

畑村氏 早期にユーザー数を一千万人に乗せたいですね。こればっかりはユーザーさんに聞いてみないとわからないですが(笑)。もちろん、広告宣伝といった、マーケティングプランも重要視していきたい。機能的な部分では、検索機能を強化していきたいです。コンテンツが増えていくと、どうしてもユーザビリティは悪くなっていくので、早期に実現したいですね。よく、他のSNSさんを意識していますか?という質問も受けるのですが、一言でSNSと言っても位置づけは全然違う。競合と捉えるよりも、共存共栄で進んでいければベストだと思っています。

 まずは、早期に一千万人突破とのことだが、このままのペースで伸び続けていけば、遠い未来の話ではないだろう。新たな展開を見せるモバゲーに今後も要注目だ。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2008/08/19 12:39 https://markezine.jp/article/detail/1686

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