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アベノミクスで高まるアナリティクスへの期待と枯渇する人材【SAS Japan Forum「Analytics 2013」レポ―ト】


 SAS Institute Japanは4月18日、アナリティクス専門カンファレンスSAS Forum Japan「Analytics 2013」を開催。多くのビジネスパーソンが会場を訪れ、ビッグデータ分析に対する関心が依然として高いことを示した。

ビッグデータへの関心の高さを実感

 ビジネス・インテリジェンス市場最大の独立系ベンダーであるSASが毎年開催している「SAS Forum Japan」。今回は、「Analytics 2013」と題して、ビッグデータ分析とそのビジネス活用を全面に押し出して開催した。会場となったパレスホテル東京では、データ活用事例、それを支えるテクノロジー、ソリューションが紹介され、「マーケティング」「ソリューション」「金融」「ライフサイエンス」をテーマにした専門性の高いセッションが行われた。

 午前の部では、SAS Institute Japan代表取締役社長 兼 SAS Institute 北アジア地域 副社長 吉田仁志氏が登壇。会場を埋めた観衆を前に、今回のイベントではアナリティクスをフィーチャーしたことで、これまでになく大きな反響があったこと、世の中のアナリティクスに対する期待・関心が高いことを実感したと述べた。

SAS Institute Japan代表取締役社長 兼 SAS Institute 北アジア地域 副社長 吉田仁志氏
SAS Institute Japan代表取締役社長 兼 SAS Institute 北アジア地域 副社長 吉田仁志氏

 企業の投資も、情報システム関連のインフラから、マーケティング領域に移りつつある。吉田氏は、2012年度「MIT Sloan Management Review」とSASが行った、経営層に対する共同調査の結果を紹介。調査対象となったビジネスリーダーの7割が、アナリティクスによって自社の競争力が増したと回答。さらに1割は「革新的に活用」しており、高い効果を得ているという。

 革新的にアナリティクスを活用している企業は、分析とイノベーションをほぼ直結したかたちでとらえており、アナリティクスを戦略の中心にすえ、全社一丸となって取り組んでいる。一方で導入していない企業にその課題を聞いたところ、データの品質、信頼性の問題、データ活用をする人材、土壌がないことが挙がったという。

 しかし、吉田氏はトップの11%の企業にこうした課題がないわけではなく、これは共通の課題であると指摘。それを克服するには「分析の目的を明確にすること」が重要だと強調した。分析の結果ですべてを判断しようとするのではなく、分析は考えるきっかけである。目的を持たずに、データからスタートするやり方は効率的ではない。目的を明確にすることが早道だと述べた。

アナリティクスとは何か

 吉田氏は以下の図を示し、 アナリティクスには大きく3つの要素があると説明する。

  • データマイニング(データの相関関係を割り出す)
  • データモデリング(ビジネスモデルに合わせてデータモデリングを行い、シミュレーションを行う)
  • 予測と最適化(シミュレーションによってさまざまなパターンで予測し、自社にとって一番いい選択肢を選ぶ)

 「ひところビジネスインテリジェンスが流行ったときに、データの見える化が流行ったが、私たちは『見える化しても何も変わらないですよ』と言ってきた。過去の経験、もともと知っていることを見えるようにしても何も変わらない。問題はこれからのこと。見える化したものをどう役立てるか、これが『分析』であり、データが知っていることを経営に役立つ情報に変えることなのです」(吉田氏)

 吉田氏は、アベノミクスで景気が良くなってきた感があるが、安倍首相がかかげる「3本の矢(大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を引き出す成長戦略)」の3本目の矢である「成長戦略」はこれからであるとして、「ぜひ、日本の経済活性化のお役にアナリティクスで立ちたい。日本企業のイノベーションの原点にしたい」と述べて講演を締めくくった。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

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MarkeZine(マーケジン)
2013/04/22 16:40 https://markezine.jp/article/detail/17653

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