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「データを捨て、私は“しりとり”をやりました」 大ヒットおもちゃ『∞(むげん)プチプチ』を生んだしりとり発想法【TEDxTokyoレポート】


 5月11日、TEDxTokyoが渋谷ヒカリエホールで開催された。テクノロジー・エンターテインメント・デザインといったジャンルの第一線で活躍するパフォーマーたちのプレゼンテーションが行われ、さまざまなアイデアがオーディエンスと共有された。

広める価値のあるアイデアを共有する場

 TED(テッド)は、テクノロジー・エンターテインメント・デザインをキーワードに、“Ideas Worth sprading”(世の中に広める価値のあるアイデア)を求めて活動するグループ。アメリカのカリフォルニア州ロングビーチで年1回開催されているTED Conference(テッド・カンファレンス)の主催を中心に、さまざまな活動を行なっている。

 今回開催されたTEDxTokyoは、TEDの精神を引き継ぎ生まれたコミュニティーであるTEDx(テデックス)が運営主体となったイベントだ。朝9時からテクノロジー・エンターテインメント・デザインというジャンルの中で活躍する35名のパフォーマーがプレゼンテーションを行った。本記事では特に印象的だったプレゼンテーションを紹介する。

(写真提供:TEDxTokyo)
TEDxTokyoでは協賛企業や組織をパートナーと呼ぶ。
東京急行電鉄、マイクロソフト、大塚製薬、コクヨ、リクルート
といった企業がコアパートナーとして名を連ねた(写真提供:TEDxTokyo)

“データ”ではなく“しりとり”

 印象的なプレゼンテーションを行った一人が、バンダイで現在はカプセル玩具の企画開発を担当する高橋晋平氏だ。高橋氏は見たこともない新しいおもちゃを作りたいという夢を持って9年前に入社。高橋氏が開発した「∞(むげん)にできるシリーズ」(∞プチプチ、∞エダマメ)は、2008年の第1回日本おもちゃ大賞「トレンディ・トイ」部門大賞に輝き異例の大ヒットを記録しているが、そのきっかけは“しりとり”にあったという。プレゼンテーションの冒頭、高橋氏は入社したばかりの状況について次のように教えてくれた。

 「新しいおもちゃを作りたいという夢を持って入社した私は、毎日たくさんの新しいアイデアを考えて上司に提出していました。すると、必ずこう言われました。『これが売れる根拠はあるのか? 市場データを分析して企画しなさい』。そのため、市場データを見ながら考えるようにしたのですが、新しいアイデアがまったく出てこなくなったのです」

 出てくるアイデアは既にあるようなアイデアばかり。市場データを分析して考えるようになったことで、アイデアの幅が狭くなり、考えるのが嫌になり「結果的にこんなに痩せてしまいました(笑)。同じような経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?」(高橋氏)と会場に問いかけた。

 そこで、高橋氏がとった行動は「データを捨てる」こと。新しいおもちゃを作ることが自分の夢であることに改めて気づき、別の方法でアイデアを考えるようになったという。その方法が、しりとりを使った発想法だった。

 「とにかく、くだらなくてもよいからアイデアをたくさん出す方法を考えました。そこで思いついたのが、“しりとり”を使った発想法です」

会場を沸かせる高橋晋平氏。夢の実現のためにデータを捨てた
プレゼンで会場を沸かせる高橋晋平氏。
夢の実現のためにデータを捨てた(写真提供:TEDxTokyo)

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/05/19 09:07 https://markezine.jp/article/detail/17789

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