インターネットビジネスに関するセミナーを開催するEビジネス研究所は9月1日(金)19時~サーチテリア株式会社代表取締役(アカウントマネジメント担当)大森拓也氏、アカウントマネジメント担当リーダー旭利明氏を招き「本格化するモバイルSEM市場、その市場性と効果的な活用法」と題したセミナーを開催した。
セミナー前半では、大森氏(写真右)がこれからのモバイル広告市場の動きを踏まえ、モバイルSEM市場の伸びを予測した。日本のモバイル広告の市場規模はPC・インターネット広告の市場と比較すると1/10とまだまだ小さいが、現状でも1999年のPC・インターネット広告市場規模(241億)に相当する。また、伸び率は、2003年→2004年で1.8倍、2004年→2005年で1.6倍と、PC・インターネット広告市場以上に高く、PC同様にeコマースなどモバイルビジネス全体が順調に成長すれば、モバイルマーケティングはますます重要になって行くだろうと語った。
さらに、現在のPC・インターネット広告市場を牽引しているのは、SEMの市場であり「モバイルの世界でも同様の流れが起こる可能性は大きい」と指摘。しかし、モバイルSEMとPCのSEMには下記のような相違点があることをを挙げ、成長市場であることは確かだがモバイル特有の解決すべき点があるとし、市場を普及させるためにはその特性にあった施策が必要だとした。
モバイルSEMとPCのSEMの相違点
- PCで言うところの、Googleのような巨大な検索サイトが存在しない
- モバイル検索自体がまだ一般化していない
- 市場規模が小さい(インターネット広告の1/10規模)
- 世界的に日本が最も進んでいる市場のため、PCのようにお手本がない
- PCの画面と比べ、表示できる画面が小さい
- 複数のキャリアが存在するため、広告配信手法も複数必要となる
- PCと比べクリック率が高い
- 上位表示ロジックのノウハウが集約されていないため、PCほどSEOが容易ではない
- 効果測定の文化が根付いていない
後半では、旭氏(写真左)が自社サービスであるサーチテリア広告を例にモバイルSEMの活用方法、導入事例などを紹介した。PCのSEMの場合、クリック単価の入札金額によって広告掲載順位が決定されていくが、PCに比べモバイルの表示画面は小さいため、PC方式の入札方法だとクライアントが限定されてしまう可能性が高い。そこで、サーチテリア広告の場合は独自の考え方で広告の掲載順位を決定し、入札単価に低いクライアントであっても上位表示される仕組みになっていると説明した。
導入事例の紹介では、「リクナビ派遣 モバイル版」での活用方法などの例を挙げ、モバイルの特性として、コンバージョンレートがPCの検索連動型広告に比べ1~2%高いことを強調。また、モバイルに慣れている若年層向けに広告を展開したいクライアント(アルバイト登録のサイトや専門学校のサイト)にとっては新たな広告媒体のひとつとして活躍が期待できると語った。
サーチテリアは、現在、提携サイト170サイト以上、広告代理店約70社、広告主1000社以上と順調に契約数を拡大している模様。今後は、さらに媒体規模を増やしつつ、効果測定手法も確率していく予定だ。「提携サイト、広告代理店、媒体社それぞれから、さらに信用を獲得し市場規模を広げていきたい」としてセミナーを締めくくった。
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