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コマースサイトを想定したリスティング広告における利益の最大化・最適化事例

 電通ダイレクトフォースでは、O2Oをテーマにした情報メディア『O2Oマーケティングラボ』を通じて現場業務からでしか得られないノウハウの発信を行っております。今回はコマースサイトを想定したこれからのリスティング広告運用について、現場のエキスパート社員二人が紹介します。

リスティング広告における利益の「最大化」「最適化」

 前回、リスティング広告の現状および生じている問題、リスティング広告を実施する上で考慮すべきことについて紹介しました。今回は具体的にケーススタディを取り上げながら、リスティング広告における利益の「最大化」および「最適化」という視点で掘り下げていきます。

電通ダイレクトフォース 営業本部 小松 俊郎氏(写真左)営業本部 手島 孝典氏(写真右)
電通ダイレクトフォース 営業本部 小松 俊郎氏(写真左)営業本部 手島 孝典氏(写真右)

【ケーススタディ】利益を出すキーワードを可視化する

 手島:それでは、利益率が異なる商材を扱うコマースサイトを想定して、実際に利益額を確認しながら運用をおこなっていく場合を見てみましょう。リスティングによる効果拡大のために、売上だけでなく、利益に対するROIを可視化していきます。

 たとえば上図のように、出稿した4つすべてのキーワードにおいて10,000円のコスト(リスティングへの投資)に対し200,000円の売上があったとします。まず一番上の「ハワイ ホテル」の場合、売上だけ見ると200,000円ですが、このコンバージョン(商品)の利益率は10%であるため、利益額は20,000円(200,000円の10%)、ROIは2.0となります。

 次に一番下の「ハワイ 最安値」のコンバージョン(商品)を見ると、利益率は2%、利益額は4,000円、ROIは0.4となります。つまり、売上は4つのキーワードで同じですが、利益を見ると異なる評価結果(ROI)となります。同じコスト・売上金額であっても利益がいくらであったのか、つまり、利益からコストを引いてプラスになることが重要です。

 キーワード入札の最適額は、業種や季節によって異なるため、それぞれの適正入札額は過去の蓄積データを分析して設定するのが効果的です。その際は、やはりツールが力を発揮します。計算ロジックをデータ分析から事前設計することで、入札額の決定と入札そのものの作業をツールに自動実行させることができるのです。自動化によって、高い精度を保ちながら作業の煩雑さを回避することができます。

※補足

 ROIの数値が1.0、つまりコストと利益の差額がゼロの状態で利益を生んでいないキーワードがあったとしても、売上額を優先して継続する場合もあります。たとえば、旅行シーズンには今回の事例のキーワード「ハワイ」が売れます。そのため、優先するKPIを利益よりも売上とし(販売数を稼ぎ)、戦略的なキーワード入札をおこなうといったケースもあります。このような例外はありますが、基本的には利益を可視化して入札額を調整するという視点が求められます。

利益の「最大化」事例

 手島:リスティング広告のチューニングをしようとすると、利益の「最大化」と「最適化」のどちらがベターかを見極めていくことになります。「最大化」とは利益の出ているキーワードに重点投資することで投資金額・売上金額・利益額を現状より引き上げていくこと。「最適化」とは、仮に売上総額が下がったとしても利益を確保することです。大まかに分類すると、最大化を目指すのはROIが1.0 以上の場合で、最適化が必要なのはROIが1.0を下回っている場合です。

 具体的に図2の例を見てみましょう。投資額を上げることで、売上額・利益額を増やした「最大化」のケースです。この場合、コスト200万円に対し売上が2,000万円となるため、ROASは1,000%と効率の良い結果のように見えます。しかし実は利益は210万円しかなく、ROIが1.05とほとんど利益が出ていない状況が判明しました。そこで、利益額の高いキーワードへ集中投資をおこなった結果、売上は500万円、利益額は40万円と、ともにプラスにすることができたのです。

利益の「最適化」事例

 手島:次に、利益の「最適化」に関する例を見ていきましょう。赤字エリアの投資を削減することで、利益を確保するのが「最適化」の方法です。この場合、コスト1,000万円に対し売上は1億5,000万円。売上が良いため儲かっていると思いながらキーワードの強化をしていたのですが、実はその中には「売上は高いが利益が出ていない」キーワードも含まれており、ROIを算出してみると0.8でした。1,000万円のコストに対して利益が800万円、つまり200万円の赤字だったのです。

 そこで、各キーワードのROIをきちんと算出し、各キーワードのパフォーマンスを利益ベースで検証して施策を変更したところ、利益をプラス40万円まで改善させることができました。目先の売上ばかりにとらわれず、利益額を見据えた施策で改善を実現した例ですね。

 現在の運用で出ている利益をきちんと把握し、利益の「最大化」と「最適化」のどちらが必要なのかを見極めるために、まずは利益額を可視化してROIを算出することが重要だといえます。

自動実行でオペレーションも最適化する

 小松:このように、リスティング広告は、KPIに合わせて適切な入札と運用をおこなっていく必要があります。しかし、運用の人数も時間も限られているため、分析にまで手がまわっていない現実があります。電通ダイレクトフォースでは独自のツールを使って、リスティング広告に付きまとう工数という根本的な問題を改善しながら、利益の最大化と最適化、そして運用の効率化を実現しています。

 手島:企業によっては、弊社のツールを導入することでそれまで抱えていた問題が解決する場合もあります。ツールにより工数が削減されるだけでなく、正確な分析や結果改善の実現が可能となります。マーケターは仮説検証といった、高いレベルの仕事に集中でき、さらなる売上や利益につながるのではないでしょうか。

 利益額をきちんと見据え、その上で効率的な運用を実現していく。そしてそれらをきちんと継続していくことが、ビジネスの成功に直結するリスティング運用の基本となると考えています。

 まずは自社で運用しているリスティング広告の現状を把握することが、改善への第一ステップです。電通ダイレクトフォースでも、これまで培ってきた専門性を活かし、今回の事例のようにクライアントの利益の「最大化」および「最適化」を共に目指していきます。

今回掲載した記事以外にも、OtoOマーケティングラボではエキスパート社員が培ったノウハウを紹介しております。ご興味ある方はぜひサイトをご覧ください。また、電通ダイレクトフォースでは現在SEMコンサルタント, AFFコンサルタントを積極採用中です。こちらもぜひご覧ください。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2015/04/16 12:15 https://markezine.jp/article/detail/18825

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