運用型広告の「統合管理ツール」は、主な機能は各社すべて備えています。しかし、機能の有無だけで判断できないのが、このツールの難しいところ。今回は、4つの機能の評価の仕方をわかりやすく説明します。
各社のツールの「機能」はあまり変わらない、ように見える
一度でも統合管理ツール(自動入札ツール)の導入を検討された方であれば、各ツールの違いや特徴をうまく把握できなかったことがあるかと思います。今回は統合管理ツールを導入する際に最低限見ておかなければならない評価ポイントと評価する考え方について説明します。
たとえば、3社の統合管理ツールを比較検討するときに、機能ごとに「ある」「なし」をつけて比較をすることがあると思います。そして、たいてい以下のような表になるのではないでしょうか。イメージです。
| A社 | B社 | C社 | |
|---|---|---|---|
| 自動入札 | ○ | ○ | ○ |
| キーワード生成 | ○ | ○ | ○ |
| データベース連携 | ○ | ○ | ○ |
| アトリビューション | ○ | ○ | ○ |
機能だけで見ると、各社のツールはすべてを備えているように見えます。これはかなり頻繁に起こる事象で、結果として価格でのみ優劣を付けてしまうということになりかねません。自動入札機能に3社とも「○」が付いていますが、その自動入札機能はどれも同じとは限らず、その特徴やレベルは違うことがほとんどなのです。
このように、統合管理ツールを導入するポイントとしては、機能よりもさらに詳細な特徴のレベルでのツールの「目利き」ができなければ正しい選択はできません。それどころが、導入後に期待した効果を得られないことがほとんどなのです。
統合管理ツールがオペレーション負荷を軽減することは以前にも説明した部分ではあります。ただし、現状のオペレーションをそのまま置き換えることが出来るケースがまれである以上、実際にオペレーションをする方のやり方や今まで培ってきたノウハウをすべて無にする可能性もあります。また、効果を改善するはずの自動入札も、そのやり方いかんでは改善が見込めないことすらある現実もあることをまずご理解いただきたいなと思います。
評価ポイント1 「キーワード入稿機能」
統合管理ツールは広告効果を測定することが大命題です。その際に、リスティング広告のキーワードを統合管理ツール側から追加することで、効果測定用のパラメータの付与とキーワードの入稿が一括でできるというメリットがありますし、そのことによる負荷軽減も期待できます。かつ統合管理ツール各社はGoogleにもYahoo! JapanにもAPIでつなぎ込んでいるので、両社に対してひとつの管理画面で入稿ができるのもひとつのメリットです。
ここで考えてほしいのが、現在のオペレーションで媒体側のバルクシートをどこまで使 いこなしているかという点です。バルクシートとはGoogle AdWordsやYahoo!プロモーション広告の管理画面から大量のキーワードを入稿する際に使うエクセルのシートのこと。このシートにはキャンペーン、広告グループ、キーワード、広告文など、アカウントを構成する要素がほぼすべて含まれており、いささか複雑なものになっています。実際に媒体側から提供されるバルクシートを使っての作業はかなり複雑ですし、自社でマクロなどを使ってバルクシート作成を自動化している方もいるでしょう。
言い方を変えると、キャンペーン管理ツールを導入して工数削減を図りたいという場合、たとえば、自社でバルクシートを自動で作成するようなマクロなどをすでに用意している場合、ツール側でその媒体側のバルクシートを受け付けられるようにしてあれば、現在のワークフローを変えなくてもよく、すでに持っている資産を使えるという意味でかなりの工数削減が実現できるでしょう。しかしながら、そういったマクロなどが準備できていなかったり、用意はできていても問題がある場合では、キャンペーン管理ツール側のバルクシートで入稿作業を管理したほうが良いケースが多いと言えます。
したがって「機能」として「キーワードの一括追加」ができる、という事実はもはや重要ではなく、どのような手法でその機能が実現されているのかという部分まで把握しなければ、導入時の目論見が破綻することがあるということがおわかりいただけるかと思います。
キーワードの入稿機能について、評価するべきポイントをまとめると 以下のようになります。
「キーワード入稿機能」の評価ポイント
- 媒体側のバルクシートがそのまま使えるか? Yes / No
- ツール独自のバルクシートが存在するのか? Yes / No
- ツール独自のバルクシート作成の補助ツール(マクロやVBAなどが存在するのか?) Yes/ No
- AdWords Editorのようなデスクトップ管理ツールが存在するのか? Yes / No
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- この記事の著者
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治田 耕太郎(ハルタ コウタロウ)
ライコスジャパン、アイレップ、オーバーチュア、クロスリスティングに勤務の後、KenshooのAPAC担当バイス・プレジデントに着任。2013年8月に退任し、現在は自身の通称でもあるsembearとして豊富な経験と人脈を生かし、AdTech企業の支援・コンサルティングを中心とした活動を行う傍ら、高度なテクノロジーと人の知見を融合させたデジタルマーケティングの重要性を説く。
鋭い洞察力から語られるBlog「検索エンジンマーケティング考」はSEMのみならず、日本のインターネット広告業に携わる人々から広く支持されている。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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