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DMPとの連携、ソーシャルデータの本格活用…コンタクトセンターの未来像

 テクマトリックスが主催するコンタクトセンター関係者向けセミナー「テクマトリックス CRM FORUM 2014」が、2月26日にANAインターコンチネンタルホテル東京で開催された。特別講演と基調講演に加え、27のセッションが行われた。

 約1,700名が参加した大イベント「テクマトリックス CRM FORUM 2014」。本稿では、27セッションの中から、注目の3セッションを紹介する。まず、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 エンタープライズサービス営業推進チーム コンタクトセンタービジネス推進課の伊藤仁美氏による「目指すべきオムニチャネル・分析活用への次の一歩~事例に見るCRM導入の現状から~」と題した講演。

CRM導入の現状と求められる要件

 まず、CRMを導入した小売業や不動産事業の例を元に、課題と導入後の変化を紹介。例えば、小売業では、店舗の窓口とECの窓口が別というケースが多く、情報共有に煩雑な作業が伴ってしまうという問題があった。さらに顧客からの問合せも、電話、メール、FAXなど、様々なチャネルに寄せられた情報が、バラバラの状態で溜まっていることが多く、これもデータ活用を妨げる要因となっていた。

 「システムを統合することで各窓口がスムーズに連携でき、また、チャネルの統合によりお客様がどのチャネルから問合せしても、一元的に管理できるようになった」と、伊藤氏。これらの事例から見えるCRM に求められる要件は「オムニチャネル化」「ノンカスタマイズ志向」「業務の多様化」の3つだとした。

伊藤忠テクノソリューションズ 伊藤仁美氏
伊藤忠テクノソリューションズ 伊藤仁美氏

 まず、小売業に限らずどの業界でもチャネル統合の要請は高いため、『オムニチャネル化』が必要であるという。そして、なるべくカスタマイズなしで標準で使いたいという要請から『ノンカスタマイズ志向』も必要だ。さらに、オムニチャネル化が進むと、様々なデータベースからのアクセスが必要になるので、他システムと連携してスムーズにアクセスできる環境も必要になってくる。それが『業務の多様化』となる。

 加えて、CRM導入にあたり、もう1つ大きな課題がある。様々な業種の企業へのインタビュー結果から『費用対効果が不明確』というコメントが大半なことからわかるように、効果が見えづらいというのが大きな課題となっている。確かに、コンタクトセンターの丁寧な対応の結果、顧客の支持を得て次の購買に繋がったとしても、なかなか定量的な評価できない。「ただ、コンタクトセンターの最適化という枠から、より全社的な利益に貢献していくという流れを作ることこそ、今後求められるものだと思います」と伊藤氏は話す。

 では、どうすればこの利益貢献に繋げられるのか。オムニチャネルへの流れとして、まず、この1年で、シングルチャネルから、クロスチャネル、そしてオムニチャネルという風に、チャネルの多様化が進んでいる。それに伴い「そこに加わっているお客様の情報も社内的に一元管理していくという流れが出てきている」と伊藤氏は言う。

オムニチャネル時代に即した“個客”対応

 そして、そのようなオムニチャネル時代のCRMに求められるものとは、顧客起点のチャネル横断管理、すなわち、一人一人の“個客”への対応だという。オムニチャネル化とは、それぞれのチャネルの中心に顧客が居て、チャネルを横断した管理を行うものだ。そしてその中で、コンタクトセンターは横断した管理が可能な上、実際に人が対応できるという点で重要な役割を担う。

 ここで求められるのが次の3点だ。

  1. 様々なデータへのスムーズなアクセスによる的確で迅速な対応
  2. 分析・活用が可能な形でのデータの蓄積
  3. “個客”対応による売上・利益への貢献

 この3点の中でまず大切なのが1番と2番だ。例えば、お客様の相談の中でデータは溜まっているものの、様々な種類のデータがそのまま一つのかごに入っていることがよくある。このような分析に繋がらない状態のままでは、データはうまく活用できない。整備されたデータを蓄積できるかが重要なのだという。

 さらに、3番による売上・利益への貢献については、会員制生鮮品宅配サービス事業への導入事例を紹介しながら伊藤氏は事例を紹介した。

 「コンタクトセンターには問合せ、顧客属性、購買・利用履歴など、様々な情報が溜まっている。一方、基幹システムでは商品が管理され、配達員により位置情報を管理している。これら全てをリアルタイムで計算し、どのルートでいけば最適な配送ができるのかを地図表示した。さらに、進捗状況や配送の一覧もリアルタイムで計算し、センター側からダッシュボードで見られるようなシステムも構築。このように、全てのデータを統合し、かつ、センターと配達員の両方にその情報が共有され、連携できる状態を作った。今後は、このような“個客”対応により、売上・利益に貢献していくということが必要ではないか」

DMP実装ニーズの高まり

 問合せ内容や、広告への反応履歴。店舗や代理店の来店履歴や、ポイント情報、キャンペーンの履歴。さらには、Webの閲覧履歴などの多様なデータが存在する中で大切なのが、これらの情報とコンタクトセンターに溜まった顧客情報を統合的に見ていくということだ。これを包括して管理するプラットフォームである「DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)」に注目が集まっている。DMPを利用する際には外部のサービスを利用するケースと、自社で構築するケース(プライベートDMP)があるが伊藤氏はプライベートDMPの重要性を説く。

 従来のCRMは、何らかの契約や購入があり、それをきっかけにデータを溜めて、活用するところがメインだった。しかし、プライベートDMPを利用すればまだ顧客になっていない段階から、全てのチャネルでの顧客の動きを把握できるようになる。

 「モバイル、ソーシャルの普及により、Webを中心とした購入前の動きを把握できるようになったことが大きい。従来から、One to Oneマーケティングというキーワードは存在した。ただ、プライベートDMPの登場によりリアルタイムかつ見込み客の動きが把握できるようになりました。Web解析の向上と、チャネルが統合してきたこと、この2つの要因によってOne to Oneマーケティングが進化してきています」

 伊藤氏曰く「当然のことだが、お客様はご自身に合った情報を求めている。だからこそ、一人一人のお客様に対する個別の対応が求められており、そこを意識することが、結果的に利益拡大に繋がる。そのために必要な仕組みがプライベートDMPです」

 各顧客接点に合ったデータ統合、分析による“個客”対応が、利益拡大に繋がる。最後に伊藤氏は、社内外に存在する購買を中心とした「定量データ」と、コンタクトセンターに溜まったテキストデータのような「定性データ」。この2つを掛け合わせて分析・活用するという伊藤忠テクノソリューションズ提供のデータ分析ソリューションを紹介し、講演を締めくくった。

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4つの切り口でみるFastシリーズ活用法

 続いて、登壇したのはテクマトリックス株式会社CRMソリューション技術部次長の松家早苗氏。「使い方次第で効果倍増!Fastシリーズ製品活用テクニックのご紹介」と題した講演を行った。松家氏はテクマトリックスの製品群である『Fastシリーズ』に技術面から関わっている。次の4テーマに沿ってFastシリーズ製品の活用事例を紹介した。

  • 利用者に合わせたFAQの見せ方
  • 表現力のあるFAQを作成するには
  • 業務の流れが決まっている問合せを管理するには
  • 問題をすばやく察知するには

利用者に合わせたFAQの見せ方

 始めに紹介されたのが『FastAnswer』というFAQシステムの機能だ。まずは、見えるFAQと見えないFAQという機能を紹介。これは、社員あるいは特定の人にだけ、共有したいFAQがある場合に有用だ。松家氏は「同じサイトで同じ検索をしても、権限により閲覧できるFAQの種類や数を使い分けることができます」と説明。

テクマトリックス株式会社 松家早苗氏
テクマトリックス株式会社 松家早苗氏

 また、FAQの中の閲覧できる情報と閲覧できない情報についてもこう説明する。「WebのQ&Aで一般の方が閲覧可能な情報と、許可された者だけが閲覧可能な情報を出し分ける機能もある。これは社内で共有されている情報を元に顧客応対したい場合に役立つ」例えば、そのサイトを見た一般の方からコンタクトセンターに、Q&Aではわからないという問合せがあったとする。その際に、一般の方と同じサイトで同じ検索をしても、オペレーターの方に出てくる画面には、予想される応対方法などの付加情報が表示される。

 続いて、表現力のあるFAQを作成するために、色や絵の挿入を工夫する機能を紹介する。これはHTMLがわからないので簡単にページを作りたい、イメージを入れてわかりやすいFAQにしたいといった際に使える機能だ。

 松家氏は、自動車会社が実際に導入している画面例を挙げ「車間認知システムとは何ですかという質問に対し、その仕組みが分かりやすいように図解で説明する。または、イメージやリンクをつけてFAQのページを作成する。これもFastAnswerの専用エディターでできる機能です」と話す。

表現力のあるFAQを作成するには

 さらに、表現力のあるFAQを作成するために、検索しやすくするための工夫を紹介する。

 1つ目は、目的のFAQにたどり着きやすくする工夫として、通常のキーワード検索に加え、目的やシーンに応じた分類分けを行う機能が紹介された。例えば、ある保険会社では2種類のカテゴリを利用者の権限毎に使い分けている。

 一般のお客様であれば「○○に加入したいがどうしたら良いか」「引越して住所が変わるが手続きは?」など、シーンや目的からカテゴリを絞り込むようにすると有効である。一方、ある程度製品に対し熟知しているオペレーターが対応する際に「この問合せならこの問題についての相談だろうな」といったように、製品から検索した方が早く回答ができる場合がある。権限によりカテゴリを使い分けることで、FAQを使いやすくすることも可能だということだ。

 2つ目は、複数のカテゴリを使い分けるという工夫。例に挙げた自動車会社では、『問合せ内容から探す』というカテゴリに加え、『車種から探す』というカテゴリを加え、両方合わせた絞り込みができるサイトにしている。

 さらに、複数のカテゴリを権限に関わらず選べ、かつ、自社製品に関連する文献検索、および各種情報を組みあわせて検索できるというシステムもある。

 松家氏は、ある製薬会社の文献情報検索システムの例を挙げて利用例を紹介。「例えばMRが、薬の用途や容量など、担当する医師から質問を受けて答えなければならないといった際に、タブレットを用いてその場で検索したり、社内の専用チームに問い合せる仕組みがある。また、製品名、FAQ分類、文書情報として、その自社製品に関する文献をチェックボックスで選び、その条件に関するものを絞り込んで検索できるといった工夫もなされている」

業務の流れが決まっている問合せを管理するには

 次に紹介されたのが『FastHelp』というコンタクトセンターCRMシステムの機能だ。業務の流れが決まっている問い合わせをどのように管理するかという課題に対し、ワークフロー機能の活用、項目追加と色分けという2つの機能があるという。

 決まったルートで業務の問合せを管理するためのワークフロー機能とは、店舗や顧客から受けた相談や情報を、どの部門が対応し誰が承認するのか、という一連の流れを、自由度なく決まったルートで流れるようにする機能だ。松家氏は、テクマトリックス営業支援の例を挙げ、具体的に説明した。

 テクマトリックスでは、STEP1~4という一連のステップで、工数見積がなされる(図1)。そしてその流れは、青いフキダシの担当が次の担当に繋ぐことにより進められる。ここで、ワークフロー機能を用いると、それぞれの作業をフキダシ担当者に手動で通知することなく決まったところにエスカレーションする、という流れを設定し進めることができる。これにより、ヒアリング内容の記録から見積内容を確認するまでの一連のステップを自動で進めることが可能となる。

図1

 さらに、見積もりが複数回に及ぶ場合にも、その管理を効率的に行う機能もある。見積もり担当者が見積もった内容は親子関係を持った別の子コールとして、管理することで、親のコールは一つで済み、また、最終的なヒアリング内容と結果、結果にいきつくまでの見積もりの遷移が見られるようになるという(図2)。

図2

 一方で、業務の流れを厳密に決める必要がなく、どの部門がどこに入力するかを画面上明確にできれば良い、という要請向けの機能もある。その場合は、ワークフロー機能を使わず、項目を自由に使えるコールオプションや項目の背景色を変えたりできるレイアウトメンテナンスという機能を活用すると良い。

図3

 この場合、入力した人間にどこの誰に見て欲しいかを判断させ、手動で進め、自由度を持たせることになる。担当者や作業内容によって、色分けすることで自分の役割が明確になり入力しやすくなるという(図3)。「ワークフローのようなガチガチのフローではなく、それぞれの項目を入力した担当が自由度を持って対応できる。色分けをし見た目を変えるだけで、自分の役割が明確となり入力しやすくなる」と松家氏は話す。

問題をすばやく察知するには

 最後に、問題を素早く察知するために、活用できる機能として危機警告オプションという機能が紹介された。あらかじめ設定された危険なキーワードを検知し、コンタクトセンターへの問合せ内容から現場で起きている問題を察知する。

 例えば、コンタクトセンターが問い合わせを受けて残した情報に関する問合せが、1時間に○○件以上あった場合、検知して管理者に危機として通知を行うという設定ができる。

 また、メール通知と情報共有のために危機警告オプションを利用することもでき、現場にいないが第一報が欲しい、といった時に役立つ。松家氏は本講演でFast シリーズの事例に合わせた様々な活用法を紹介した。

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ソーシャルメディアデータは宝の山

 最後は株式会社ホットリンクコンサルティング 取締役ディレクターの篠原龍太氏による「ソーシャルビックデータ活用がコンタクトセンター価値を高める!」と題した講演だ。

 スマホなどデバイスの普及に伴い、ソーシャルメディアの利用者が増加している。ICT総研によるSNS利用者の動向調査によると、2012年末で約5000万人もの人間がSNSを利用しているそうだ。「一般の生活にとけ込んできたソーシャルメディア。だからこそ、このデータを見ることで、一般生活者の頭の中を俯瞰できるのでは?と思う」と篠原氏。

株式会社ホットリンクコンサルティング 篠原龍太氏
株式会社ホットリンクコンサルティング 篠原龍太氏

 ビッグデータは活用次第で極めて有用なデータだ。特に、ビッグデータの約7~8割を占めるソーシャルビッグデータ(※)は、普段の会話などのオープンデータで、一見、手間がかからずトライしやすいものだと言える。

 ソーシャルビッグデータとは、世界中のソーシャルメディアから発信される大容量のデータを指す。

 ただ、現実的にはうまくデータ活用するのは難しい。企業におけるソーシャルメディアサービスの活用目的・用途に関する調査結果を示し、篠原氏は語る。「多くの企業は、商品やイベントの紹介や定期的な情報提供に使うなど、伝達手段として利用しているだけで、消費者の評価、意見の収集といった、データの活用はまだまだこれから。これは、いまだ積極的な活用がなされていないことの表れだと思う。ここから、新しい知見やヒントを得るためにもっと活用すべきだ」

ソーシャルビッグデータの具体的活用例

 では、実際にコンタクトセンターがソーシャルビッグデータを活用するとはどういうことか。

 コンタクトセンターは顧客の声が集積されるという一般的な機能をもつ。だが、篠原氏はこれに加えて「コンタクトセンターは顧客の声をダイレクトに捉えられる場所。だからこそ、せっかく集まったお客様の声や課題を、お客様への対応に反映するだけではなく、そこから得られたものを迅速に企業活動に活かす、影響を与えるという使命を担っている場所だと思う」と説明。そして、そのために、必要なことは、顧客の深い理解や顧客の立場にたった視点、行動だという。そこで有用なのがソーシャルビッグデータだ。

 次に、コンタクトセンターにおけるソーシャルビッグデータの具体的活用例として、篠原氏は3つの活用を紹介した。

モニタリング

 対象(商品やサービス、競合)、事象、話題・噂、評判(ポジ、ネガ)などを把握するには、今何が語られているのかを見ていくしかない。「一時点で見て、新しいものが見当たらなかったとしても、まずそれが発見でそこから、同じ状態をモニタリングしていくことで、次の変化を見ていく。その変化が新しい発見になります」。だからこそ、モニタリングをして、時系列での変化を捉えることが重要だ。

問合せ予測

 モニタリングを行うと、コールセンターには上がってきていない、様々な声を拾うことができる。これを元に、事前の対応方針を固めることができ、対応の方針やFAQの改善、コンテンツの追加などに反映できる。また、共有されづらい少数意見を、類似の書き込みをソーシャルメディア上で確認、検証し、コンテンツ追加などに反映していくことも可能。さらに、少数意見の中でも、視点を変えると汎用性の高いものあるため、この気づきを反映できる点も有用だろう。

統合的な顧客インサイトの把握

 コンタクトセンターから入る顧客の声と、ソーシャルビッグデータから得られるデータとを統合し、仮説、検証を行い、顧客のインサイトを深堀りする。これにより自社以外の消費者のデータを見ることができる。「そう考えると、ソーシャルビッグデータは自社の潜在顧客データベースという位置づけだと言えるのです」と、篠原氏。

 2つのデータを統合することで、顧客像や状況、課題や不満、ニーズ、評価の具体的イメージを持つ事ができるので、積極的対応が可能になる。

 また、ソーシャルビッグデータをコンタクトセンター業務に活用することで、顧客像のギャップを埋める効果があるという。篠原氏は格安航空会社の事例を挙げて以下のように説明した。

 「格安航空会社ですから、企業側はもちろん、最大の訴求点は『価格が安い』ことだと考えていた。それを前提に、でも本当にそうなの? と仮説立てし、ソーシャルメディア上に書かれていることを検討したら、価格に関する話題は10%しかなく、顧客が感じている価値は『サービス』だという発見があった」

 このように、企業側が感じている顧客像と実際の消費者の像にはギャップがある。従来はそのギャップを埋める手段がなかったため、実際の顧客のインサイトを使うには至らなかった。だが、ソーシャルビッグデータをうまく活用できれば、そのギャップを埋めることができるのだ。

活用のための課題

 とはいえ、その実現となるとなかなか難しい。ソーシャルビッグデータと言っても、知りたいことがそのまま書かれているわけではない。顧客の思いの変化を捉えるためには、ノイズを排除し、実際に知りたいことを見いだせる状態のデータにしなければならないし、どのデータをどのように見ていくのかも理解しなければならない。例えば、ソーシャルビッグデータと言っても、FacebookやTwitterのような感情や行動を書き込むものは、反応や反響が把握しやすく、2ちゃんねるなどは、本音が出やすいので商品に対する意見やリスク発見を深堀りするデータの一つになるなど、それぞれの特徴がある。

 つまり、一見手軽に見えるソーシャルビッグデータだが、その活用となると、目的によって使い分けることが重要で、それを全て理解し、判断できる人間が必要だということだ。しかしながら、まだその分析ができる人間が少ないのも現状。「だからこそ、最初はソーシャルビッグデータ分析コンサルタントやレポート分析サービスを活用しながらノウハウを学ぶのが良いと思う」と篠原氏。

 また、ソーシャルビッグデータは、ソーシャルメディア上に書かれた一部の情報にすぎないということを、しっかり認識すべきだということも強調する。「ソーシャルビッグデータは、あくまでも一部拡張されたデータにすぎないので、データの存在だけで、今まで見えなかったものが、全て見えるようになるわけではない。そこから深堀りしていくために、他のデータと掛け合わせ、ここから仮説立てしていくことが重要だ。これが、ソーシャルビッグデータをデータとして活用することに繋がる」と語り、講演を締めくくった。

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この記事の著者

大塚 笑可(オオツカ エミカ)

フリーライター。大阪府出身。法律業界から転身し、フリーライターに。社会系、IT系からファッションまで、幅広い分野で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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