100名のデベロッパーが参加した
第3回 アイモバイル感謝祭「インタースティシャル入れnight !!」
4月3日、第3回アイモバイル感謝祭「インタースティシャル入れnight !!」が開催された。
多くのデベロッパーを迎えて、同社の取り組みを発表したり、注目のクリエイターが登壇するこのイベントは、毎回大いに盛り上がり、会場で交流を深める人も数多い。
満員となった会場を前に、アイモバイル代表取締役 田中俊彦氏は、「多くの方々にお集まりいただき感謝しています。今回は、インタースティシャル広告の紹介だけでなく、デベロッパーの方々の懇親の場になればと思っています」と挨拶した。
インタースティシャル広告の高い収益性を数字で紹介
最初にアイモバイルの吉田和史氏が登壇し、インタースティシャル広告についての紹介を行った。インタースティシャル広告は、全画面で表示させるポップアップ型の広告。PCサイトにおけるレクタングルと同サイズを表示できるのが最大の強みとなっている。
従来のバナー広告やアイコン広告は、アプリの画面上に広告枠を設けて表示するが、インタースティシャル広告は、アプリ画面の遷移間に表示させるので、デザイン性やUIは崩さずに広告配信ができる。
海外、とくに米国ではインタースティシャル広告はすでに一般的になっているが、その理由は「圧倒的な収益性の高さにある」と吉田氏は言う。アイモバイルは昨年12月にインタースティシャル広告をリリース。導入したアプリのダウンロード総数は約2500万にのぼる。アイモバイルのインタースティシャル広告の3月の平均単価は27~28円と高い実績を残している。
ある広告主のケースでは、当初通常バナーのみの出稿だったときのコンバージョン率(CVR)は0.28%とふるわなかった。しかし、インタースティシャル広告を導入したところ、8.56%、実に約30倍の伸びを見せた。
「i-mobileでは、クリック単価を決めるロジックは広告主の効果しだいで決まります。コンバージョン率が高いアプリほどクリック単価が高くなる。この広告主の場合、通常バナーと比べてこれだけ結果が出ているので単価も高くなります」(吉田氏)
配信する広告案件についてもi-mobileの独自性をアピール。i-mobileでは国内外、規模も知名度もさまざまなゲームクライアントの案件を手掛けており、ゲームアプリとの相性がよいのはもちろん、ツール系アプリや音楽アプリにも相性のいい案件があるため、「ゲームの広告しか出ないのでは」という懸念も払しょくできると語った。案件数は現在約75件で、4月中に100案件達成を目標にしているという。
ユーザービリティを損なわない最適な広告配信のタイミング!
インタースティシャル広告は、その広告サイズが魅力だが、デベロッパーとしてはユーザーの反応が気になるところ。この点についても吉田氏は明解な答えを用意していた。
「どのタイミングで出すか。これについては大きく4つのタイミングに分けることができます。ゲームの場合、[一時停止]ボタンをタップしたタイミングはCTRもCTCも高い。
ツールアプリではホーム画面(最初にアプリを開いたときに表示される画面)に戻るタイミング。音楽再生アプリでは、楽曲データのダウンロード中。また、Androidアプリの場合は、バックキーを使って終了する際に表示するのもおすすめ。ほかのタイミングと比べるとCTRは低めですが、プラスアルファの収益になります」(吉田氏)
表示頻度の調節もインタースティシャル広告の運用では重要なポイントとなる。そのため最新のSDKでは管理画面で配信頻度の調節が可能になっている。新作アプリにインタースティシャル広告を入れる際、どうしてもユーザービリティが心配という場合には、最初は低めに設定するとよいだろう。
3月には、インタースティシャルSDK対応のUnityプラグインもリリースしており、Unityでゲームアプリを開発しているデベロッパーの利便性向上にも努めている。また現在、アイモバイルでは、インタースティシャル広告掲載後の全アプリ、全クリックを20円保証するキャンペーンを5月31日まで実施している(キャンペーンについて、詳しくはこちらから)。
「最初は懸念を感じるかもしれませんが、一度導入してみると、その収益性の高さを実感するはず。そこからさらにほかのアプリにも導入する事例が増えています」と、インタースティシャル広告の利用の広がりに強い自信を見せた。
意外と知らない!?オーガニックユーザーを増やすために無料でできるプロモーション正攻法!
続いて、アプリのマーケティング支援事業を行なっているフクロウラボ代表取締役、清水 翔氏が登壇した。同社は、ナショナルクライアントから、ソーシャルゲームのプロモーション支援、ツール系アプリのダウンロード増加施策などを手掛けている。今回、豊富なノウハウの一部を紹介してくれた。
競争が激化し、めまぐるしく状況が変化するスマートフォンアプリの世界。清水氏は、そこでデベロッパーができることを冷静にひとつひとつクリアしていくことを勧める。たとえば、アプリの紹介ページでどのアイコンがいいかをテストした際、良いアイコンと悪いアイコンではCTRに1.5倍の差があった。「アイコンひとつでも大きな違いを生み出す能性がある」と清水氏は語る。
「App Store」と「Google Play」ではできることが微妙に異なるため、2つのマーケットに対して同じことをしていてはもったいない。Google Playでは、アプリ紹介ページに掲載するアイコンと、アプリを端末に落としたときでアイコンを変えることができるため、Google Play上では引きの強いデザインにして、ダウンロードしたらシンプルなものに変えるなどの手間を惜しまないという。
また、細かい点ではあるが、アプリの説明文のテキストに色が付けられることに注目。先日リリースされた「楽天チェック」は、App StoreとGoogle Playのアプリ説明文でテキストの一部の色を変えていることを挙げ、「伝えたいことがあるなら、目だたせましょう」と語った。
また、アプリデベロッパーの課題であるレビューについてもノウハウを披露。良いレビューをアップしてもらうためには「ヘビーユーザーが、気持ち良いタイミングでレビューを依頼すること」が大切だという。たとえば、ゲームで最高得点が出たときなどにレビューを書くよう促すポップアップを表示することは効果が高い。
もちろん「ひとつずつ愚直にバグをつぶすこと」も忘れてはならない。悪いレビューを書かれる要因の75%が「フリーズする」という理由によるものだと清水氏は指摘。「不具合が起きたときには(レビューに書くのではなく)デベロッパー側に問い合わせするよう促す」方法も有効だという。「レビューについては、良いコンテンツをつくることが第一だが、こうしたテクニックも大事」と清水氏は語った。
クマのキャラクター「ルルロロ」のコンテンツ事業も好調
アイモバイルではキャラクターの版権を扱うコンテンツ事業も展開している。登壇したコンテンツ事業部の持丸氏が、『がんばれ!ルルロロ』を使ったスマートフォンアプリのリリースが100本を突破し、LINEスタンプの配信も開始したことを報告した。
『がんばれ!ルルロロ』はくまのキャラクター。昨年NHKのEテレで放送され、20~30代の女性ユーザーの支持を集めた。その結果、DVDやグッズ販売、アプリを含めてキャラクター収益は、当初予定していた12~13億円を大きく上回り20億円を突破した。
アイモバイルのキャラクター版権はいくつかの特徴がある。保証金・月額固定費は無料。現在出ているアプリには「その他のルルロロアプリ」という導線を設けており、これによってダウンロード増加を図っている。また、監修をアイモバイルが行うことで、スピーディーなアプリのリリースを実現している。
キャラクターを利用することで、アプリはその見た目も雰囲気も大きく変わる。そこから、新しいユーザーの獲得、コストをかけずに新しいアプリをつくることが可能になる。いま採用されているアプリ数は、Androidアプリで60本、iOSアプリとして43本。持丸氏は、月間収益はアプリデベロッパー1社あたりアプリで100万円、きせかえコンテンツ(キャリアメニュー)で50万円の実績があると説明する。
新たな取り組みとして、ルルロロのLINEスタンプの配信をスタート。また、NHKでは番組の再放送がスタートしており、4月から9月まで半年間、毎週木曜日放映される。さらに10月から来年3月までセカンドシリーズもスタート。アイモバイルでは、スマートフォンアプリを積極的に展開するライセンサーを広く募集している。
人気アプリの開発者が語る「アプリビジネスの未来」
盛り沢山のイベントも、いよいよ最後のパネルディスカッションとなった。登壇したデベロッパー4名は、イグニス代表取締役 銭錕氏(「どこでもミラー」)、グッディア代表取締役 深野真人氏(「鬼とび」、「レジの達人」)、メディアアクティブ代表取締役 佐々木 孝樹氏(「鬼から電話」)、ツテコト代表取締役 小原崇幹氏(「ドキドキチロルパズル」)。いずれも収益性の高いアプリを世に送り出していることで知られている。
司会はアイモバイル代表取締役 田中氏と田名網氏が行った。最初のテーマ「インタースティシャル広告の収益性」についての議論が始まると、メディアアクティブの佐々木氏は「収益性は大幅に向上している」と力強く回答。リップサービスではない、実感のこもったアプリ開発者の言葉に、来場者も引き込まれていく。
「インタースティシャル広告導入後のユーザーの反応」について、ツテコトの小原氏は「広告が多くて邪魔だと言われるかと思ったが、すんなり受け入れてもらった」。グッディアの深野氏も、「導入当初と比べたら認知も高まり、ユーザーも慣れてきているのではないか」と分析する。
佐々木氏は「インタースティシャル広告の導入はユーザーからの要望によるもの」と、ちょっと変わった導入経緯を披露。「『鬼から電話』は、いうことを聞かない小さいお子さんの気持ちをスイッチングするためのアプリ。それなのに、鬼から電話がかかってきたあと、いかにもアプリの画面に戻ってしまうと、その世界観が途切れてしまう。そこでここに広告を入れることにしました」と語る。
最後に、アイモバイルの田中氏が「アプリマーケットの今後」についてたずねると、イグニスの銭氏は「ランキング上位に来るのは、お金かけてつくったゲームが多い。このままいくと、ランキングの価値がなくるのではないか。また、スマホのユーザーの数が増えているが、1位になってダウンロードされる数はそんなに増えていない。このままで大丈夫かなと思う部分はある」と語った。
深野氏も銭氏の意見に同意。「ランキング上位に個人デベロッパーがあがっていくのが難しくなってきている。ランキングのアルゴリズムが頻繁に変わっており、かなりプロモーションにお金を使える会社じゃないと上位に入らない」と語る。その一方で、意外な状況についても指摘した。
「最初は総合25位に入らないと不安だったが、最近は40位ぐらいでも収益性は変わらなくなってきている。広告のメニューが増え、広告全体の規模が拡大したことによってそうなっているのではないかと思う。なので、ゲーム性を作り込んで、アクティブ率を高めていけば広告でも食べていけると最近感じています。無料で広告という未来もまだあるのかなと思う。ただ、つまらないゲームを出すとダメですけどね(笑)」(深野氏)
また、佐々木氏は、スマートフォンというデバイスに立ち返り、「せっかく便利なデバイスがあるので、もっと生活に役立つようなアプリが増えていくといいなと思う。ゲームも出してみたい気持ちもあるが、重鎮がたくさんいらっしゃるので(笑)。今後も役立つアプリを出していきたい」と語った。
小原氏は、チロルチョコとタッグを組んだ経験を踏まえて、「自社でアプリをつくらない大きな企業から声をかけてもらって一緒につくっていくことにも可能性があると思います。これからもチャレンジしていきたい」と新たなビジネスの可能性について語った。
さまざまな意見が飛び出したディスカッションの終わりに、田中氏は「アイモバイルはアドネットワークだけでなく、ライセンスなどデベロッパーの収益機会を増やしていく取り組みを展開していきたいと思っています」と、デベロッパー支援をあらためて強調し、イベントを締めくくった。
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