部門の壁を越え、企業活動を見通すためにDMPが有効
同時に、マス広告やデジタルマーケティング、店舗やDMなどを通したプロモーション、そして購買成立後のCRMの一連の活動をDMPで管理することは、分断されがちな各活動を連携させ、全体を効率化することにもつながる。「高度に分業化された組織では、DMPが組織の壁を破る有効な手段としても機能しています」と中土井氏。この3年ほど、氏が直接関わった500件あまりのBIツール導入例においても、副次的な効果として情報の共有化が促進されているという。
同社では以前より、企業の現場担当者がさまざまなデータを、使いやすく組み合わせてダッシュボードを作成できるツール「MotionBoard」を提供している。リアルタイムでデータを可視化し、高度な分析を直感的な操作で行えるので、多くの企業でデータからインサイトを得るために活用されている。このツールをマーケターの視点で作り変えたものが、「MotionBoard Cloud for DMP」だ。
名称どおりクラウド型なのでシステム構築が要らず、月額課金での利用となる。すでに自社内にDMPを構築済みなら、それと組み合わせることで大きな成果が得られる。
導入に関心高くとも、現実は二極化
マーケティング・オートメーション、つまり顧客のセグメンテーションからキャンペーン立案・実行、効果分析までを一貫かつ高速で自動化できる仕組みは、ECサイトでの活用が進んでいる。ここで中土井氏はアクセス解析を手がけるオーリック・システムズの福岡浩二氏を招き、福岡氏よりECサイトのトレンドと現状が解説された。
「特にこの1年で顧客や世の中のニーズが様変わりし、アクセスログだけで次のアクションにつなげることが難しくなりました」と福岡氏は切り出す。「従って、最近特に話が挙がることが多いオムニチャネルの活用やネットとリアルの融合など、ネット上のデータ以外を組み合わせて、あくまで個別のお客さま単位で見ていかなければ、有効なアクションに結びつけるのが難しくなっています」と福岡氏。
そのため同社でも先日、非構造化データをDMPに組み込む際に必要な事前処理を簡単に行えるソフトウェア「Essentia」を開発。クラウドで、データのクレンジングなどを一気に行えるという。昨今のトレンドとして、いろいろな業種のクライアントがアトリビューションに高い関心を寄せており、顧客に関わる総合的なデータをDMPに組み込み、次の施策につなげることを改めて検討しているという。だが、その上で現実的に実現できているかというと、「二極化しているのが現状」と福岡氏は語る。
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