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動画広告ことはじめ

メディアサイドが動画広告の導入を検討する際に押させておきたいポイント

 前回まで動画広告市場全体の動向、広告主側での動画広告活用状況、ブランデット動画の活用方法を紹介してきました。今回はメディア側の視点からの動画広告活用について、導入から運用までを紹介していきます。

動画広告のタイプ

 広告主側の動画広告の種類と重複しますが、動画広告のタイプについて解説します。メディアが導入可能な動画広告には、大きくインストリーム型の動画広告とインバナー型の動画広告の2種類が存在します。

 インストリーム型の動画広告とはTVCMと同じ見せ方で、動画プレイヤー内で動画コンテンツが再生される前や再生中、再生後に配信される動画広告の事を指します。

 動画コンテンツの配信前に再生されるのがプレロール型、動画コンテンツの終了後に再生されるのがエンドロール型、動画コンテンツの間で再生されるのがミッドロール型と呼ばれます。

 インバナー型の動画広告とはディスプレイ型のバナーが動画コンテンツ再生中に表示されており、その広告枠を使用して動画広告を流すタイプです。

インストリーム型動画広告の導入方法とその特徴

 インストリーム型動画広告は最も動画広告らしい形式と言われており、一般的にオンラインの動画広告とはインストリーム型動画広告を指します。

 導入の方法についてディスプレイ広告やテキスト広告と、インストリーム型動画広告を比較してみましょう。

 ディスプレイ広告やテキスト型の広告の場合、既存のWebサイトに広告配信タグの貼り付け作業を行うことで簡単に広告配信が可能になりましたが、インストリーム型動画広告の導入には動画プレイヤーと動画コンテンツ、そして動画広告の配信サーバーを用意する必要があります。

 いままでの国内の状況は動画広告のエコシステムが普及しておらず、動画プレイヤーと動画コンテンツを導入しても個別に広告枠を販売しなければなりませんでした。つまり媒体社にとっては大きなリスクがありました。

 しかし、現在は広告主からの出稿量が以前より増加し、SSPなどの動画広告の配信サーバーから自動的に広告が配信されるようなエコシステムも整ってきたため、導入障壁が下がりつつある状況です。

 広告効果についてはインバナー型の動画広告と比べて、オムニバス社で行った配信テストではCTR、再生単価、完全視聴単価などの点で高いという結果が出ています。プレロール型を例にするとユーザーは動画本編を見るために動画プレイヤーに注目しているため視認率も高く、広告の完全視聴率も高くなります。そのため、広告主からの需要が高く、バナー広告と比較しても高い広告単価で取引されています。

インストリーム型動画広告の配信イメージ
インストリーム型動画広告の配信イメージ

インバナー型動画広告

 インバナー型動画広告とはディスプレイ型のバナーの広告枠を使用した動画広告枠を指します。

 インストリーム型の動画広告と違い動画プレイヤー、動画コンテンツを用意する必要がなく、配信タグを実装するだけで導入することが可能です。

 これまででもSizmekやDFA(DoubleClick For Advertisers)などのリッチメディアに対応した3rd party adserverを使用する事により導入されていました。

 導入ハードルが低い反面、インストリーム型広告のように本編の動画コンテンツが存在しないため視認率は低く、広告の完全視聴率も低い傾向があります。配信する広告枠はディスプレイ型のバナー広告枠を使用するため、広告単価はバナー広告枠と同程度となるのが一般的です。

インバナー型動画広告の配信イメージ
インバナー型動画広告の配信イメージ

 以下双方の特徴を比べた表です。

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この記事の著者

山本 章悟(ヤマモト ショウゴ)

株式会社オム二バス 代表取締役CEO

2008年8月(株)オムニバスを設立。オムニバスではアドエクスチェンジ、オーディエンスターゲティング等、最先端のアドテクノロジーを使ったサービスを展開。アドネットワーク型媒体の「Omnibus Network」オーディエンスターゲティングネットワークの「Omnibu...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/09/08 08:00 https://markezine.jp/article/detail/20719

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