情報の伝播を掴むコミュニティクラスタ分析
アンケートなど従来の調査・分析手法と比較した場合のソーシャルデータ分析の特長の一つに、情報の伝播過程を正確かつ詳細に把握可能なことが挙げられます。例として、「特定の話題がいつどのように広がったのか」について知りたい場合を考えてみましょう。
従来の手法では、まず話題について知っている者を特定し、次にその話題をいつどのように知ったのか、つまり、情報の接触時期や経路についてアンケートやインタビューの形で尋ねることが中心でした。ですが、そのようなやり方では、記憶に頼った曖昧な回答しか得られません。対してソーシャルデータには、口コミそのもの以外に、発言者に関する情報や、発言時刻、引用情報などのデータが含まれています。それらのデータを基に、特定の話題がいつどのように広がったのかを正確かつ詳細に把握することが可能です。
これは、ソーシャルメディア上で生活者同士がつながっており、そのつながりを容易にたどることができるからこそ、可能となっています。なお、ソーシャルメディアを通した生活者同士の「つながり」方には、大きく分けて2種類あります。
- ソーシャルグラフ:家族や友人など、知り合い同士のつながり
- インタレストグラフ:同じ価値観や興味関心を持つ者同士のつながり
ソーシャルグラフをベースとしたソーシャルメディアの代表例としてfacebookが、インタレストグラフをベースとしたものの代表例としてTwitterが挙げられます。これらのつながりを基に生活者を分類するのが、人軸分析の一手法である「コミュニティクラスタ分析」です。
では実際にどのような形で分類し、その結果をどのように利用するのでしょうか? 次のページで具体的な例をご紹介します。