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イベントレポート

ポルシェのデジタルブランディング~心地よさを伝えるコミュニケーション戦略とは

最新の動画広告活用で、完全視聴率60%超&ブランドイメージ向上

 では、これらの資産を今回の施策にどのように活かしたのか。同社は自社サイトに、日本で初めて複数の動画広告を交えたフルカスタマイズ仕様のインタラクティブプレロール広告を導入した。プラグインハイブリッドについて紹介している動画内に出てくるボタンをマウスオーバーするとサイトが開き、市販されているモデル3種類のドライビングムービーをそれぞれ視聴でき、顧客が知りたいことを動画内で完結させることを実現した。

 その結果、動画の完全視聴率は60%を超え、クリック率(CTR)も従来の広告に比べ良い数値だったという。また、マウスオーバーなどのインタラクティブプレロール広告でアクションを行った確率は、平均5%に対し、同社では10%近くの数値をたたき出した。

 また、ターゲティングメディアとして医師向けの専用サイト「m3.com」に出稿したところ、キャンペーンに約1,300件の応募があり、試乗会への参加者も目標の174組を達成した。プロモーション後にブランドイメージに関するアンケートを実施したところ、プロモーション前に比べて「先進的・革新的」だと答えた人が28%増加したという。

ポルシェが学んだデジタルマーケティングのツボ

 今回のプロモーションを通して、志水氏は「ポルシェではデジタルをどう捉えているのか」「どんなことを日々考え、取り組んでいるのか」「ツボを抑えたパートナーとはどんな人たちか」が見えてきたという。

 その上で志水氏は、「デジタルは心地よさを演出するコミュニケーション手段」と指摘する。「デジタルを活用することで、顧客が知りたいと思っていること的確なタイミングで伝える。それが知りたかったんだよな、ポルシェナイス!と思ってもらえれば。重要なのは、デジタルマーケティングの中でのブランディングではなく、ブランディングにおいて最適な施策がデジタルマーケティングであれば積極的に使っていくこと」と志水氏。

ポルシェが考える、今後必要な3つのコミュニケーション戦略

 ポルシェはコミュニケーション戦略において考えていることが3つあるという。1つ目はオンラインとオフラインの施策を並列で考えること。外資系広告代理店出身の志水氏は、「デジタルマーケティングに特化したベンダーや代理店はとても多い。しかし、弊社の場合はディーラーなどデジタル以外での顧客接点を有しています。だからこそ、オンライン/オフラインといった枠組みを超えて様々な手段の中から最適なものを選び、時には合わせて活用することが必要なのです」と語る。

 2点目はメディアに最適なコンテンツを用意するということ。掲載スペースの大きさやメディアの特徴によって同じデザインでも伝わり方は変わってくるので、1つのデザイン画像を新聞やバナー広告用にリサイズするのではなく、メディアの特徴やサイズなどに合わせてコンテンツを設計していくことが重要だ。

 3つ目は、データドリブンマーケティング。志水氏は國領二郎氏の「POS(point of sales:購入時点情報)からPOU(point of use:使用時点情報)へ」をキーワードに掲げ、「購入時点だけでなく、使用時点の情報が取れるようになった現在、POUを分析していかに適切なタイミングでユーザーにメッセージを届けるかが重要であり、それを実現する手段がデータドリブンです」という。最後に志水氏は、今回の成功事例を1つのモデルとして様々な展開を広げていきたいと展望を語り、講演を締めくくった。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2015/08/07 12:00 https://markezine.jp/article/detail/22885

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