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ポルシェのデジタルブランディング~心地よさを伝えるコミュニケーション戦略とは

2015/08/07 12:00

 動画広告やSNSの登場以来、ブランディング目的でのデジタルの活用が進みつつある。2015年7月21~23日に開催された日経BP社主催の「Digital Marketing Week 2015」において、ポルシェジャパン マーケティング部の志水弘樹氏により、同社のデジタル主導プロモーションの全貌を明らかにする講演が行われた。プロジェクト予算の約6割をデジタルマーケティングに割いたキャンペーンにおいて、どのようにしてポルシェの持つブランドをさらなる成長につなげたのかをレポートする。

ポルシェのブランディングにおけるキーワードとは

 日経BP社は2015年7月21~23日の3日間にわたり、「Digital Marketing Week 2015」を東京・六本木アカデミーヒルズで開催した。ポルシェジャパン マーケティング部 シニアアソシエイトの志水弘樹氏により、「ポルシェのプラグインハイブリッド。デジタル主導プロモーションの全貌」と題した講演が行われた。同社は2014年10~11月の2か月に渡り、「Porsche e-mobility」プロモーションを展開した。プロジェクト予算の約6割をデジタルマーケティングに割き、過去最大の174組となる試乗イベントの参加者を獲得し、先進性・革新性といったブランドイメージの醸成にも成功した同キャンペーンの全貌が志水氏から語られた。

 現在、世界が誇るエンジニアリングカンパニーといわれるポルシェだが、「弊社のブランディングのキーワードは“ラグジュアリードリーム”です」と同氏は語る。“ラグジュアリードリーム”は、簡単に言えば「知っているけど、高価格で買えない」ことを指す。つまり、ブランドの認知度を高めつつ、ただ買えるのはごく少数という希少性を維持しながら販売台数の増加を求められることから、認知度とユーザーの所有台数のバランスがとても重要なのだ。

なぜデジタル主導マーケティングに決めたのか

 2014年、ポルシェはプラグインハイブリッドモデル(コンセントから車のバッテリーに直接充電できるハイブリッド車)を発表し、同年10~11月に同モデル試乗会の予約を最終目標とした「e-mobilityキャンペーン」を行った。同モデルは通常のポルシェよりも高価格であることからターゲットが限られていたものの、手広くキャンペーンを展開していくには予算が足りなかったことから、デジタル重視のキャンペーンに踏み切った。実に予算の約6割をデジタル施策に投入したのだ。

 その背景には、以前から実施している同社の車を購入した顧客調査から、ポルシェのサイトや比較サイトといったデジタル媒体を参考にする人が60~65%近く存在することがわかっていたことがある。同社としては異例の決断だったが、的確にターゲットを絞ったキャンペーン展開を行い、施策をさせることができたという。

ポルシェが持っていた2つの資産

 今回のキャンペーンで重視したのは「顧客の期待と自社の資産をどうレバレッジさせるか」だと志水氏は語る。同社の資産とは、「メディアブルなアーカイブ」「100ページ近くあるカタログ」の2つ。「メディアブルなアーカイブ」とは、同社が今まで作ってきた動画などのコンテンツ集だ。動画素材をたくさん持っており、それがコミュニケーションする上で一番影響を与えられる資産と考えた。一方で、「100ページ近くあるカタログ」はニッチな内容で実物も分厚い。だが、「だからこそ顧客の興味を喚起する。ポルシェは高額商品なのでいきなりは買ってもらえないだろうが、カタログをフックに興味を持ってもらうことはできる」と志水氏は指摘する。

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