SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

新着記事一覧を見る

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2026 Online

イベントレポート

飲料カテゴリーの境界を溶かしポートフォリオ拡充へ サントリー「新価値創造プロジェクト」方針説明会

 サントリービバレッジ&フードは、飲料市場における従来のカテゴリー軸から脱却し、新たな価値創造を通じてポートフォリオの拡充を目指す「新価値創造プロジェクト」の方針を発表した。昨年4月に新価値創造部を新設し、国内外のグループ資産を横断的に活用する体制を整えてきた同社。今回の説明会では、1億円超を投じた独自の生活者インサイト把握プラットフォーム「Future Adventure Map」の構築や、タイでのハイドレーション飲料展開、そして国内におけるサプリメントブランドの飲料化など、具体的な施策が明かされた。

カテゴリー軸から飲用価値軸へのパラダイムシフト

 サントリービバレッジ&フードの新価値創造部を率いる大塚氏は、ペットボトルコーヒー「クラフトボス」の生みの親として知られる人物だ。

サントリービバレッジ&フード 事業推進本部 新価値創造部長 大塚 匠氏
サントリービバレッジ&フード 事業推進本部 新価値創造部長 大塚 匠氏

 大塚氏は、これまでのブランドマーケティングが「特定のカテゴリー内での理解を深めること」に終始しがちであったと指摘。生活者の視点に立てば、朝起きてから夜寝るまで、カテゴリーに縛られることなく多様な飲料や食品を摂取しているのが現実である。同社は「消費者」を単に商品を購買する存在としてではなく、一日を通じて多様なベネフィットを求める「生活者」として捉え直すことで、視野の固定化を防ごうとしている。

 この思想に基づき、同社は従来のRTD(Ready To Drink:そのまま飲める飲料)市場の枠を超え、外食や非RTD(粉末や希釈タイプなど)までを視野に入れた価値創造を目指す。大塚氏は「既存の強いブランドを磨き上げるオーガニックな成長とは異なる、非連続な成長への貢献」が新価値創造部の目的であると語った。この「非連続な成長」とは、従来の事業基盤では到達し得なかった価値、たとえば新技術の活用やサントリーグループの社内資産の横断的な活用によって実現されるものを指す。

 新価値創造部は「マーケティング」「R&D」「生活者理解」の三つの機能を有している。横断組織として各機能の担当者や専門組織と連携しながら、新たなニーズの発掘や既存の枠にとらわれない商品の開発などを推進する体制だ。

1億円超を投じた独自の知見プラットフォーム

 消費者を単なる購買者ではなく生活者として捉え直すための象徴的な取り組みとして、大塚氏は独自のグローバルプラットフォーム「Future Adventure Map」を挙げる。これは、世界の生活者の変化・機会・脅威を把握するためのデータ基盤であり、主要事業展開国8ヵ国を対象に、のべ8ヵ月間にわたるワークショップを経てデータを収集した。関わったメンバーは社内外合わせて100名を超え、総額1億円超の投資がなされている。

 このプラットフォームの特徴は、生活者の“兆し”を一元集約している点にある。各国から厳選された30項目・合計240個の生活者インサイトが蓄積されており、生活者理解の担当者は必要な情報へ即座にアクセスできる。今後はAIを掛け合わせることで、マーケットの変化をよりスピーディーに捉える体制を構築していくという。

 8ヵ国を対象としたワークショップの効果として「各国間の文化背景の違いだけでなく、共通するトレンドなども見出せるようになった」と大塚氏。日本で成功した商品を他国へ展開する可能性にも触れ、グローバル戦略における視座の広がりを強調した。

次のページ
タイでの先行事例は計画比1.8倍の出荷実績を記録

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
イベントレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2026/04/09 07:00 https://markezine.jp/article/detail/50640

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング