スマホシフトで変わった広告戦略
MZ:今回「Criteo InApp Retargeting」(以下、「Criteo InApp」)を導入した理由を教えてください。
中村:一番の背景となっているのは、CVするユーザーの流入経路が、スマートフォンへシフトしていったことですね。3年前くらいまでは、PCの方が多かったのですが、この1、2年で大きくシフトが起き、現在ではPCの2倍近くまでスマートフォンで流入しCVするユーザーが増加しています。
MZ:なるほど。その対策の一環なのですね。
中村:その通りです。またもう1つの理由として、アプリ内でのCVRを改善したいという気持ちもありました。限られた予算の中で、キュレーションメディアの広告メニューやソーシャルメディア広告、また従来のアドネットワークやDSPなど様々な形でスマートフォン上での広告配信を進めています。
そして運用していく中でわかったのは、CPI(Cost Per Install:1インストール当たりの単価)に対する先述したKPIのCVRにばらつきがあるということでした。CPIが安くても、CVRが低い、その逆も然り。せっかくインストールに繋げたにも関わらず、その後の来店予約などに至らないのは大変もったいないですよね。そこで、それぞれのCVRを底上げするため、今回導入致しました。
流動の激しさにも対応するレコメンド能力
MZ:「Criteo InApp」の特徴を教えてください。
三野:インストール広告を主流とした一般的なアプリ向け広告市場のなかでは「リターゲティング広告」自体が新しいという優位性を持っています。また、当社が提供できるレベルでサービス流入後のユーザーへのコンバージョンを促せる広告媒体はほぼないと思います。
また、Criteoの特徴として、パフォーマンスを重視したリターゲティング広告であるという点がベースにあります。ウェブ広告から歩み始めたCriteoは、アプリ内広告では後発ですが、アルゴリズムの素材となる、いわゆるビッグデータ基盤はウェブと共通で、全世界のデータから配信エンジンが学習しています。その上、リターゲティングで配信することにより、行動履歴からユーザーに合った商品の広告表示・提案が可能です。
そして「Criteo InApp」の場合は、アプリ来訪ユーザーがアプリを離脱した際に、当社の抱える配信面のネットワーク上にリターゲティング広告を配信します。配信バナーをクリックするとディープリンクやURL Schemeを用いてアプリ内の商品ページやTOPページに再度遷移させることができます。

MZ:中村さんはどういった部分に導入メリットを感じましたか。
中村:単純なリターゲティングではなく、行動履歴をベースとした提案ができるのがとてもありがたいと感じました。中古車という商材の特徴として、流動がとても激しく、さっきまであった商品がなくなっていることがよくあります。また、一つとして同じ条件の中古車は存在しないので、ユーザーにも妥協して選んでもらいたくない。だからこそ、行動履歴をもとに新たな提案を仕掛けることのメリットはとても大きいと思っています。
