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新規見込み層を効率的に獲得!GMO MARS DMPとYahoo! DMP最新データ活用事例

 2015年11月、GMO NIKKOは自社のマーケティングクラウドソリューション「GMO MARS DMP」と、ヤフーの「Yahoo! DMP」との連携を発表した。企業のデータとYahoo! JAPANのマルチビッグデータを掛け合わせることで、どのようなマーケティングが可能になるのか。同社常務取締役 谷本秀吉氏と、デジタルマーケティング部門 石川裕絵氏、ヤフーの石井充久氏に取材した。

国内最大級の広告配信ネットワークと連携した「GMO MARS DMP」

ヤフー マーケティングソリューションカンパニー データビジネスユニット ユニットマネージャー 石井充久氏(写真左)GMO NIKKO 常務取締役 デジタルマーケティング本部 本部長 アド論 by GMO 編集長 谷本秀吉氏(写真中央)デジタルマーケティング部門 アドテクノロジー部 データマネジメントグループ 石川裕絵氏(写真右)
ヤフー マーケティングソリューションカンパニー
データビジネスユニット ユニットマネージャー 石井充久氏(写真左)
GMO NIKKO 常務取締役 デジタルマーケティング部門
部門長 アド論 byGMO 編集長 谷本秀吉氏(写真中央)
デジタルマーケティング部門 データマネジメントグループ
石川裕絵氏(写真右)

 谷本氏は「GMO MARS DMP」を活用したデータドリブンマーケティング領域、アドテクノロジー開発、メディアバイイング、クリエイティブなどの事業全般を管掌。石川氏は「GMO MARS DMP」の活用におけるコンサルティングやデータ分析、商品開発を担当している。GMO NIKKOのマーケティングクラウドソリューション「GMO MARS」の基幹機能の一つである「GMO MARS DMP」は、企業のファーストパーティーデータを活用することで様々なマーケティング課題を包括的に支援する。

 「Yahoo! JAPANが日本最大級のメディアであることは周知の通りだと思います。今回の連携で、当社のDMP上でシナリオ設計されたセグメントやターゲティングを用いて、Yahoo! JAPANという国内最大規模のメディアおよびネットワークに配信できるようになったことは、企業側にとって大きなメリットだと考えています」(谷本氏)

 一方、ヤフーが「Yahoo! DMP」をリリースしたのは、2014年9月。その後も広告主のデータ活用を積極的に推進している。

 「谷本さんのおっしゃる配信の場の拡大のほかに、『Yahoo! DMP』と連携することにより、『Yahoo! DMP』にはデータの掛け合わせ・分析による絞込みや拡張というメリットもあります。DMPはプロダクトによって様々な特性があるため、それぞれYahoo! JAPANのデータと掛け合わせていただければ、多様な活用が可能になります。我々としても、GMO NIKKOさんをはじめ、様々なパートナーさんとオープンに連携していきたいと思っています」(石井氏)

 「GMO MARS DMP」の強みは、DMPを活用しマーケティングROIの向上を実現する機能を拡張している点だ。そのため、Yahoo! JAPANだけでなく他社のDMPやネットワークとの連携も積極的に行っているという。

 「国内の主要サービスはほぼ網羅しています。そのため、『GMO MARS DMP』の配信先ネットワークは、国内最大級。特に、Yahoo! JAPANとGoogleの両方に、直接プラットフォーム連携できている会社は限定されます。また導入後、マーケティング効果を高めるためのコンサルタントチームが体制サポートし、クラウドサービス提供にとどまらず、戦略設計から実行、運用までをトータルで支援します」(谷本氏)

活用イメージ

ロイヤルユーザーになりうる新規の見込み顧客層へピンポイント配信

 マーケティングでのデータ活用に注目が集まる昨今。では、そもそもDMPはどう役立つのか、最近の傾向を含めて谷本氏と石川氏はこう語る。

 「まず、DMPの大きな役割としては、データを集めることでユーザーのクラスタリングを実現できるので、マーケティング戦略を構築する際のシナリオ設計に活用できるという点が挙げられます。なかでも重要なのが、ロイヤルユーザーにどのような行動特性があるのか、可視化できるということ。そうしてロイヤルユーザーの輪郭がわかった上で、今までは既存ユーザーをいかにロイヤルユーザー化させるか、つまり『ユーザー育成』に重点が置かれていました。しかし近ごろは 『ロイヤルユーザーになりうる新規の見込み顧客層』へのアプローチにも活用されるケースがでてきています」(谷本氏)

 「もちろん既存ユーザーの育成も重要です。DMPが出始めた2014年頃は特に、そういった施策への活用がメインだった印象です。しかし既存ユーザーだけですと、どうしても人数が限られていますし、それを育てるだけでは事業の規模は拡大していきません。また、既存ユーザーの育成はメルマガ等でも十分成果を出せることもあり、広告出稿においては新規の見込み顧客獲得を目的とした施策のほうが、企業のニーズも高くなっています。当社のクライアントでも、新規見込み顧客層へのアプローチを目的としてDMPを活用するケースが増えています」(石川)

Yahoo! JAPANだからこそ、確実に成果につながる

 つまり、DMPでロイヤルユーザーのセグメントがはっきりしたら、そのロイヤルユーザーの行動を分析し、それと類似した新規の見込み顧客層にターゲティング配信を行うのが最近の主流ということだ。そして、今回の連携によりYahoo! JAPANを軸として広告配信できるため、より効果的な配信が実現するというわけだ。

 「新規見込み顧客層の中でもさらに、認知を広めたい層と、既に商品認知があり、購買意欲の高い層では、届けたいメッセージは異なり、それぞれのターゲットに対して、広告クリエイティブを出し分けることもできます。後者の場合、例えば期間限定の特別サービスを出すことで、より購買促進につなげることができる。そういった施策を実施する上で、Yahoo! JAPANの規模は国内最大級ですし、拡張配信技術の精度も高い。確実に結果につながります」(谷本氏)

 「我々は検索をはじめ、PC・スマホのマルチデバイスに対応した100を超えるサービスを展開しており、月間ページビューが600億を超えています。様々な性質のデータをセグメントにしてご利用いただけますので、効果の高いユーザー層を発見できるプラットフォームになっています。特に、検索や購買履歴データは確実にユーザーをカテゴライズできるデータのため、価値が高いデータと言えるのではないでしょうか」(石井氏)

CPA大幅圧縮/転換率の大幅改善「GMO MARS DMP」活用法

 では今回の連携でどういった施策を展開できるようになるのか。「GMO MARS DMP」の活用事例を見てみよう。

既存ユーザーの育成

 GMOインターネットが運営する、国内最大級のドメイン公式登録サービス「お名前.com」では、「GMO MARS DMP」を導入したことで、“x回以上購入”というロイヤルユーザーの定義を発見できた。単純にコンバージョンしたユーザー層にリターゲティングした場合と比べて、顧客獲得単価(CPA)を約47%も圧縮することに成功したという。

新規ユーザーの獲得

 さらに「お名前.com」では、「GMO MARS DMP」から導きだした“x回以上購入”というロイヤルユーザーの定義に当てはまる「ロイヤルユーザーに似た見込みユーザー層」に対して広告を配信。効果検証のために、その定義に当てはまり、かつ「商品Aを購入した」など、特徴的な行動を示したユーザーごとにセグメントをつくり拡張配信(類似ユーザー層への配信)を行ったところ、目標の上限CPAを最大70%近くも下回る結果になったという。

 「このように、新規の見込み層獲得のために、ロイヤルユーザーの『そっくりさん』に対して広告を拡張配信します。こういった取り組みを今後Yahoo! JAPANのデータを活用して行っていきたいと思っています」(谷本氏)

 「Yahoo! JAPANのデータと掛け合わせると、その中でも何かを買ったユーザー層とか、何かを検索しているユーザー層など、要素を増やすことができるため、これまでの定義とは違うロイヤルユーザーの定義が可能となります」(石井氏)

転換率の大幅改善

 ある店舗型サービスを展開する企業のケースでは、「Web予約をしたユーザー」の情報をもとにリターゲティングを行っていたが「GMO MARS DMP」を導入し、「Web予約を経て、実際に入会した会員」の情報をもとに「実際に入会した会員」と似た行動をとるユーザー層へ広告を拡張配信。結果、来店予約から最終的な入会に至る転換率が1.8倍へと改善した。CTR・流入ボリュームには大きな変化はなかったことから、無駄な集客予算を増やすことなく、効果的に「本気度の高いユーザー層」へ広告を配信することができたという。

本格的にDMPの活用フェーズへ

 これから、マーケティング領域での活用がより進むであろうDMP。これまでDMPの導入は、マーケティング部門だけで完結できるケースが少なく、他部門との調整も必要となるため導入が頓挫してしまうケースも散見されていた。しかし、最近の流れとしては、目的に沿ったDMP活用が進んできたため、1社で複数導入するケースも増えているという。

 「我々の『GMO MARS DMP』を導入される際にも、『これで3つめです』とおっしゃる企業様もいらっしゃいます。これまでは、測定したデータを元に次のアクションを起こすデータドリブンなマーケティングは、日本企業の風土やカルチャーに根付いていない印象があり、どこかでお話が止まってしまうケースもありましたが、昨年後半あたりから徐々に、それが変わり始めていることを肌で感じています。マーケティングにデータを活かす流れは時代に求められていることなので、DMPの活用はこれからますます進んでいくのではないでしょうか」(谷本氏)

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この記事の著者

東城 ノエル(トウジョウ ノエル)

フリーランスエディター・ライター
出版社での雑誌編集を経て、大手化粧品メーカーで編集ライター&ECサイト立ち上げなどを経験して独立。現在は、Webや雑誌を中心に執筆中。美容、旅行、アート、女性の働き方、子育て関連も守備範囲。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2016/03/31 11:00 https://markezine.jp/article/detail/24025