Criteoは「2016年度上期モバイルコマースレポート」を発表した。日本のオンライン商取引を調査した結果、日本におけるモバイルシェアは52%で、引き続き世界で最も高い割合であることが判明。モバイルによる購入件数が多い上位の小売業者は、安定したシェアを維持しているようだ。またタブレットの出荷台数が減少する一方で、スマートフォンの出荷台数は増えている。指紋認証などの新機能の登場により、スマートフォンでの買い物がいっそう簡単になっていることから、スマートフォンが世界を制しているという現状を示している。
モバイルからの購入率は平均で11ポイント増加
モバイルからの購入件数が多い小売業者(上位4分の1)では、モバイルからの購入率は2015年度第2四半期と同様に、約8割を維持していた。さらに、小売業者全体のECサイトでのモバイルからの購入率は、平均で前年から11ポイントの伸びを見せた。
上位業種が他を引き離すペースで成長
業種別のモバイル経由購入状況では、「ファッション・高級品」「健康・美容」の2業種が他業種との差を拡大。「ファッション・高級品」のモバイル経由の売上げシェアが前年比+34%と大きく増加し、「健康・美容」(前年比+19%)とともにトップカテゴリに躍り出た。「量販店」も前年比で17%増加した。
モバイル購入の主役はスマートフォン
IDCの調査によると、2016年第1四半期のタブレット出荷台数は世界で4,000万台と、昨年同時期の4,600万台から15%現象する一方で、スマートフォンの出荷台数は0.2%増え、3億3,500万台に達した。日本の小売業界のECサイトにおけるモバイルデバイス別のシェアは、2016年度第2四半期ではスマートフォンが89%、タブレット11%となっており、スマートフォンの独占状態であることが明らかになった。
オンラインショッピングのモバイル化
デスクトップまたはモバイルを経由して商品を閲覧・購入するオンラインショッピングユーザは、従来の購買経路と比較して、高い商品購入率で増え続けている。消費者のモバイルショッピング経験を適切に最適化している小売業者は、アプリにおいても、モバイルウェブサイトにおいても競合を凌ぎ、消費者に良質な購買環境を提供している。
同レポートから、日本とイギリスでは、ついにモバイル経由の売上がデスクトップ経由の売上を上回ったことが明らかになった。また、ブラジル、オーストラリア、フランスはオンラインショッピングにおけるモバイルのシェアが前年に比べ最も拡大。さらにモバイルのコンバージョンが最も高いのは日本、イギリス、韓国だった。そしてモバイルに慣れ親しんでいる、韓国、オーストラリア、日本をはじめとする国はモバイル取引の高いシェアが見られた。
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