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DMPはいよいよ"クロスデバイス"、"人ベース"の時代に 事業に貢献する「データマーケティング」とは

2017/08/31 12:00

 データテクノロジーカンパニーであるSupershipの専門家たちが、膨大なデータと向き合っていく「デジタルマーケティング」、デジタルマーケティングの心臓部である「DMP」、新たなビジネス領域でもある「データビジネス」という3つのテーマで考察する本連載。2回目となる今回は、データマーケティング事業部長の小林秀次氏が、これからの「DMP」「データマーケティング」はどのようにあるべきなのかについて解説する。

DMPは“導入”をゴールにしてはいけない

 数年前のマーケティング業界では、「DMP」や「ビッグデータ」といったキーワードがバズワード的に流行しました。当時その流行を受け、様々な企業がDMPの導入を進めましたが、DMPを構築すれば収益が上がるかのように、“DMPの導入”をゴールとして進めてしまったケースもありました。その結果、我々にも「その時に構築したDMPをどう活用したらよいか」と相談を受けるようになりました。

 DMP導入の真の目的は、事業の収益向上に向けて顧客理解をするための「データ活用」であり、DMPはその目的を果たすためのツールにすぎません。

 本来は目的ありきでデータを取り込み、そのデータを分析する体制を準備し、アウトプットのイメージを明確にしたうえで、仮説と検証を繰り返すのがDMPの正しいPDCAサイクルです。DMPは導入しただけで自社のマーケティングを劇的に飛躍させる“銀の弾丸”ではないのです。

DMPは“人ベース”のプラットフォームへ

 先に述べたDMP導入の本来の目的を考えると、単なるデータの箱ではなく、ユーザーの具体像を投影する“人ベース”のプラットフォームに、DMPを昇華させなければなりません。現にその潮流は広がりつつあります。

 さらに企業がプロモーションを行う時、マーケターが参考にするべきデータはデジタル上のデータのみではありません。TVCMなどのマス広告にまつわるデータ、小売店の在庫やPOSデータ、来店理由や購入頻度などのアンケート調査データなど様々です。顧客を真に理解しようとした時に、こうしたオンラインとオフラインの垣根を超えたデータをいかに“一人の人として紐づけられるか”ということが重要になってきます。

 実際、DMPを取り巻く流れとして、自社データや会員組織のデータ、CM出稿のデータ、国の統計データといった多様なデータをかけあわせながら“よりユーザーのことを理解しよう”という企業が増えてきていると感じます。顧客理解を軸にした、いわゆる「ピープルベースドマーケティング」という考え方です。

 では、企業の“ユーザーや顧客にきちんと向き合いたい”というニーズに対し、DMPを活用するにはどうすればよいのでしょうか。

デバイスを問わず“時系列”でユーザーを理解

 ユーザーや顧客と向き合うためのDMP活用に欠かせないキーワード、それは「クロスデバイス」です。

 たとえばある商品について、ユーザーAさんがTVCMを見て興味を持ったとします。その商品が気になってスマートフォンで検索し、店舗へ来店。商品を体験しましたが、結局、「持ち帰るには重い」と思い帰宅後にPCで購入しました。

 現状のデジタルデータでは、Aさんの行動からは、“PCで購入した”ということしかわかりません。なぜならば、現在主流となっているデータ分析の方法では“デバイス単位”“端末単位”でユーザーを理解する「瞬間×1デバイス」でしか、データを把握できていないからです。しかし「クロスデバイス」でデータを取得し、分析できるようになれば、どのような行動をもとにAさんが商品を購入したのかを、正しく理解できるようになります。

 たとえばPC、スマートフォン上で使うサービスやアプリを同じIDでログインさせたり、その人がスマートフォンを持って移動する際に、位置情報を把握したりすることは、デバイスを連携させる1つの手段です。IoTの進化で、位置情報はボリューム、精度ともに向上しつつあります。いつ、その人が興味を持って、どのように検討して、購入したのか。「時系列」で人を理解することが、これからのデータマーケティングにおいて重要になるのです。

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