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膨らんでいくデータ、企業はどう向き合う?~データから考える未来のマーケティング像

DMPはいよいよ"クロスデバイス"、"人ベース"の時代に 事業に貢献する「データマーケティング」とは

ビッグデータ活用の現状から見る、DMP導入の課題とは

 しかしながら、クロスデバイスおよび時系列での顧客理解はまだまだ進んでいないと私は考えています。それの参考になるデータを見ながら、企業におけるビッグデータ活用の実態を見ていきましょう。

 公益社団法人・日本アドバタイザーズ協会内にあるWeb広告研究会のBigdata研究委員会が2016年、売上高200億円以上の238企業に調査を行った結果、「ビッグデータ活用のビジネス貢献度が高い」と回答している企業は22.3%という結果でした。

 さらに、「低い」と回答した28.7%の企業と比べると、様々な点での「二極化」が浮き彫りになっています。「ビッグデータを全社的に利用できている」という質問をビジネス貢献度が高い企業と、低い企業に投げた結果、高い企業は52.4%だったのに対し低い企業は14.8%と、大きく差が開きました。全社的にデータを活用できる土壌が整っている企業ではデータのビジネスへの貢献度が高い結果となっています。

 また、データを活用するための「横断的部門」の存在も、高い企業は40.5%、低い企業は9.3%と、貢献度の高い企業が低い企業に比べると大きな差をつけています。

 反対に、ビジネス貢献度の低い企業が課題にしているのは、「データ活用の体制や組織が社内にない」50.0%、「データ活用利用する風土・文化がない」47.8%といった点。このあたりにハードルを感じているようです。

 せっかくデータを取得しても、どのように取り扱うのか。そもそも、どんな目的でデータを収集するのか。経営層の誰が責任を負うのか。そうした組織作りもままならない段階でDMPを導入するべきではありません。準備が整わないままに導入を行えば、せっかくのDMPも役に立たないものになってしまうでしょう。

データ活用のためのハードル1 「分析体制の構築」

 先述のように、組織や体制の問題をはじめ、データ活用にはいくつかのハードルが存在します。ここからは大きく立ちはだかる3つのハードルをご紹介します。

 1つ目は、「分析体制の構築」です。歴史のある企業であればあるほど、現場ごとに、独自に収集したデータを勘と経験に頼って分析し、意思決定を行っている傾向が強いように思います。そのため、高度な分析ができていないケースもあるのではないでしょうか。

 このハードルを越えるために重要なのは、経営層と現場が横断した組織を作ることです。クロスブランドでのデータ分析や外部のデータと組み合わせた分析など、目的に合わせて高度な分析を行うことができるようになります。たとえばペルソナの設定でいえば、今までは感覚で設定していたものを、エビデンスにもとづいて設定できるようになるのです。

 ただ、横断的部門だけを作っても、十分にデータが集まらない、ということもあるようです。あるメーカーでは、横断的部門を設立しても各サービス部門の力が強く、結果としてクロスブランドでのデータ分析をすることができていない状況でした。ここに立ちはだかるのが次のページで紹介する2つ目のハードル、「データ統合」です。

次のページ
データ活用のためのハードル2 「データ統合」

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この記事の著者

小林 秀次(コバヤシ シュウジ)

Supership株式会社 データマーケティング事業部長。2000年から通信販売カタログ雑誌の編集業務を経験。その後2004年から同カタログのオンラインショッピング事業に従事。Yahoo!ショッピング、楽天市場、自社サイトの運営責任者を担当。2006年1月にオールアバウト入社。オンラインショッピング事業部門のマーケ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/08/31 12:00 https://markezine.jp/article/detail/27006

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