『モバイル時代のCRM』では、スマホの登場で劇的に変わった生活者の行動をデータで検証しながら、具体的な事例とともに企業が目指すべき最適なCRMについて解説しています。
最初に取り上げられるのはメール。モバイル時代のメールマーケティングはSNSやアプリに取って代わられるのでしょうか。著者の伴大二郎さん(オプト)は、メールは開封率が低くてもCVRが非常に高いことを強調します。
一方で、SNSについては「CRMに最もマッチした、企業とユーザーのコミュニケーションの中心」だと言いきります。大事なことは、SNSマーケティングをファネル型ではなく共感を軸にした循環型で考えること。「なんとなく好き」と思われることが高いエンゲージメントとコンバージョン、さらにユーザー同士の結びつきへとつながっていくのです。
また、アプリは「企業がCRMを制するには不可欠な接点」だと言います。今やLINEやFacebookを利用していないユーザーは少数派、そこに乗っかることは有望な戦略です。
これら3つの顧客接点を踏まえ、伴さんは「最高のUX」を目指すべきだと強調します。どんな体験をユーザーに提供し、どのように情報を連携させて伝えていくか。そして、それを繰り返し実現していくには、評価と計測を実行するための指標を定めることが必要です。
こうした活動こそがモバイル時代のCRM。本書を読み通せば、その考え方の全体像が掴めるのではないでしょうか。
目次
1章 モバイル時代のCRM
モバイル時代もメールが主役
モバイルの登場で顧客は変わった
各チャネルを理解することから始めよう
各チャネルがもたらす集客効果
CRMに必要な要素が変わってきた
モバイルは顧客と一心同体
2章 メールを見たくなる瞬間とは
スマートフォンで変わるメール
モバイルで見たくなるメール
重要なのはターゲティングとモーメント
ユーザーに新しい情報が届いているか
モバイルならではの「動画メール」
メール施策を見直す
3章 モバイル時代はSNSが主役
時代とともに変化する「価値」
SNSがコミュニケーションの中心に
主要SNSの利用状況
他のメディアとの親和性
SNS内部で行われる検索
売上貢献度を見る
循環型マーケティングの実践
4章 アプリ運用の5つのポイント
アプリで進むオムニチャネルCRM
アプリ運用の施策とKPI
それでも自社アプリが魅力的な理由
強力なプッシュ通知機能
マクドナルドやスターバックスのプッシュ通知許可率は?
アプリでも循環型マーケティングが重要
5章 最高のUXの条件
すべての顧客接点でユーザー体験を考える
最高のUXとは
UXの最適化に活用できる2つのツール
ユーザーごとのUXを実現するメディアデザイン
UXを高めるメディアフォーメーションとは
複雑化するマーケティングにおける評価・計測の課題
※本書は各書店で電書版のみ販売しています。
モバイル時代のCRM
スマホで顧客コミュニケーションはどう変わったか?
著者:株式会社オプト(伴大二郎)
発売日:2017年10月15日(日)
価格:756円(税込)
本書について
MarkeZineでの連載「モバイル時代のCRM」を書籍化したものです。各企業が顧客接点をどのようにコントロールしているかをデータ活用、システム設計、PDCAの視点で事例とともに紹介します。