位置情報を用いてマーケティング施策を展開する広告主へのインタビューを通じて、位置情報活用の現状とこれからを探る本連載。今回はサッポロビールのブランド戦略部の宣伝室にてマネージャーを務める福吉敬氏が登場。位置情報など新しい技術に関心の高い同氏が、活用の背景や実際に行った施策について語った。
社内の雰囲気が位置情報活用を推し進めた
MarkeZine編集部(以下、MZ):今回はサッポロビールの福吉さんに、位置情報活用に関するお話をお伺いします。まず、自己紹介からお願いします。
福吉:私は宣伝室に所属しておりまして、Web、PRやイベント、屋外・交通広告に関する仕事を担当しています。基本的には、クロスメディアで施策を考えているのですが、Webは全体をつなぐものとして、ほとんどのコミュニケーションプランにおいて活用しています。
MZ:元々御社は、位置情報を活用した施策や広告などに対してどのような考えをお持ちでしたか。
福吉:元々私は海外のテックサイトを読むのが好きで、数年前から海外では位置情報の活用が進んでいたのを知っていたので、日本にはいつ来るのかと待ち遠しい気持ちでした。
ただ、位置情報だけでは、顧客を捉えるのは難しいとも当時から考えていました。そのため、ツールベンダーや広告代理店の抱える、もしくは連携しているデータと組み合わせることのできるサービスが出ることを待っていたのです。
その中でエリアデータや郵便番号を活用した広告メニューが出てきて、今回取り組みに活用した「AIRTRACK」など、新しいソリューションの登場もきっかけになりました。
MZ:では前々から「位置情報が来そうだな」と思っていたわけですね。
福吉:交通・屋外広告に関しても担当していると先ほどお話しましたが、それらの広告と位置情報の施策は似ていると思っています。
街で交通広告を見て「この近くでやってるんだったら行こう」というのと、スマホを見ていて、近くにいた時にバナーを見ていこうと思うのは、広告を見る面がリアルかデジタルかくらいの違いしかありません。
そのため、これまでデジタルではできなかった、特定の地点や店舗などの周辺にいる方へのアプローチができる位置情報の施策はとても魅力的だと思っていました。
位置情報でイベント集客を見える化
MZ:今回、御社が夏季限定で運営しているビヤガーデンの集客に位置情報を活用したと聞いています。どういった背景から活用に至ったのですか。
福吉:先ほど、交通・屋外広告と位置情報の施策が似ていると言いましたが、圧倒的に違う点があります。それは計測部分です。交通広告を見てきたかどうかは通常わかりませんが、位置情報の広告経由であれば計測することができる。

また、今回のビヤガーデンの場合、来店してもらうことが弊社の製品を体験してもらうことと同義になります。その送客にどの程度貢献できるかを一度計測することにしました。
MZ:今回の取り組みではサイバーエージェントの「AIRTRACK」を使ったと先ほどお話ししていましたが、その理由を教えてください。
福吉:サイバーエージェントは日本でも最大級のネット専業の広告代理店だと思うのですが、そこなら位置情報と掛け合わせるのに使えるデータを多く抱えているのではと考えたからです。
MZ:施策を始めるにあたって、気を付けたことはありますか。
福吉:まず、最も重要なポイントは社内を説得した時に「KPIを定めない」と決めたことです。施策としてベータ版だったので、その段階で「これだけの数字を取ってこい」と決めてしまうと、新規の施策が打てなくなってしまう。
私としてはまずやってみて、それをきちんと評価して、改善していけばいいと考えていましたし、会社もそれを許してくれました。
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- この記事の著者
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道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)
1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...
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