人が動くクリエイティブに必要なこと
MZ:実際に配信されたクリエイティブに関して、教えてください。
福吉:クリエイティブに関しては、相当議論しました。我々は立場的にブランディングという視点を重要視するので、ビヤガーデンで提供される「黒ラベル」を前面に出したもので行くべきと考えていました。
その中で、サイバーエージェントさんから提案いただいたのは、飲む時のシチュエーションを想起させるクリエイティブでした。具体的に新宿と書いたり、ビールと一緒に食べるものを載せたり、男女2人がデートしている風景を入れたりなど、ブランド色を極力薄くしたものが中心でした。

MZ:確かに、それらの情報を入れたらブランドロゴなどは主張できなさそうですね。
福吉:ただ、結果的には、サイバーエージェントさんの提案したクリエイティブから良い結果が出ました。そこで思ったのは、お客様は広告から提案を求めていて、具体的なシチュエーションや場所を指し示されたことで立ち寄っていただけたのだということです。
実際に効果が高かったのは、金曜日と入れたクリエイティブでした。これまで「余計な情報を入れるとみんな見てくれない」という意識でいましたが、送客を目的とした施策においては、具体的な情報を入れることが重要なのだと感じましたね。
想定の半額以下で集客に成功
MZ:施策の結果はいかがでしたか。
福吉:KPIを定めないと言っていたぐらいなので、正直あんまり送客できないんじゃないかと考えていましたが、結果はすごく良くて、想定していた単価の半額以下でしたね。最初は本当に「1人あたり1,000円以上かかったら」と心配してはいたのですが、衝撃でした。
MZ:今回ヒストリカル配信とリアルタイム配信を併用したと思いますが、配信方法で単価も異なりましたか。
福吉:最初、リアルタイムの来店コンバージョンはほぼないと想定していたのですが、実際にはリアルタイムがヒストリカルの3分の1の単価だったので、部署のみんなも驚いていましたね。
今後は流通・飲食店とのコラボレーションも
MZ:最後に、今後の展望を教えてもらえますか。
福吉:今後は私たちだけではなく、流通さんや飲食店さんを巻き込んだ施策を展開できたらと考えています。
流通に関しては、位置情報を活用した広告配信を行いながら、自分たちの商品が置いてある棚に来ているかどうかを計測する取り組みですね。これに関しては、すでにテストを進めています。
飲食店に関しては、パーフェクト黒ラベルお取り扱い店舗様への送客を支援できればと考えています。飲食店様の場合、ある程度のチェーン規模でないと販促施策はそこまでできないのが現状だと思います。その中で我々の商品が飲めるお店を告知するお手伝いを位置情報の活用で行うことができないかと模索を進めております。
我々が告知をすることで、飲食店様も「パーフェクト黒ラベル取り扱い店になって良かった」と思っていただけると思いますので、今後取り組んでいければと考えています。