TVISION INSIGHTSは、2017年に取得した視聴質データを基に、広告出稿量が多かった上位5業種(観光・娯楽・外食/情報・通信/食品/化粧品・トイレタリー/飲料)において、視聴者がどのCMに注視していたかを集計。「2017年度 業種別テレビCM注視度ランキング」を発表した。
同社は、視聴質データとして、VI値(滞在度=Viewability Index)とAI値(注視度=Attention Index)を計測。同ランキングは、AI値が高いCMから順に「注視度ランキング」として算出している。AI値は、数値が高いほどCM放送時に視聴者が画面を注視した時間が長く、人数も多い傾向にあることを示す。
観光・娯楽・外食業界ではラウンドワンのCMが1位に
観光・娯楽・外食業界では、ラウンドワン ボウリング「パーフェクト300点チャレンジ」篇15秒が1位という結果に。企業別では、任天堂が最多で4本ランクインした。ゲームやレジャースポットのCMが多く、プレイ映像や遊んでいる風景をシンプルに見せ、わくわく感をかき立てているものが多く見られる。
トップ10のうち7本にNTTドコモがランクイン
次に、情報・通信業界の1位は、2017年年間テレビCM注視度ランキングでも1位を獲得したNTT ドコモ「みつきのほんき」篇30秒だった。またトップ10のうち9本が30秒CMで、NTT ドコモが7本ランクイン。ドラマ性の高いシリーズ化CMが多く、シリーズを重ねるごとに登場キャラクターのバリエーションも豊富になってきている。
食品業界のCMは「体験価値」を届けられるかがカギ?!
食品業界の1位は、三基商事ミキプルーン「人力車に乗って」篇30秒となった。同CMを属性別に見ると、F1・2層およびM3層で高い注視度を記録している。トップ10のうち8本が15秒CMで、企業別では味の素が2本ランクインした。
食品業種では、画面を明るくして清潔感を強調したCMや調理風景を見せることで、簡単、美味しそうと興味喚起し、真似してみたくなる「体験価値」を届けるCMが多く見られた。ミンティアやゼスプリのように、ユーモアで強いインパクトを残すCMも高い数値となった。
エステー消臭力「愛と平和と消臭力」が強かった化粧品・トイレタリー業界
化粧品・トイレタリーの業界では、エステー消臭力「愛と平和と消臭力」篇30秒が、平均AI値を大きく上回る0.94という高数値で1位にランクイン。「買ってみようか」「置いてみようよ」という語感にちなんだ映像が次々と流れ、商品と映像の良い意味でのミスマッチからくる「ギャップ」と、西川貴教さんによる歌のインパクトが注視を集めたと思われる。
企業別では花王が5本、P&Gが3本ランクイン。中でも花王は、若年層・主婦とターゲットごとに訴求ポイントをチューニングし、伝えたい内容を効果的に届けている。業種全体としては、消費者のニーズや商品の機能、利用シーンをストレートに訴求するCMが多く見られた。
飲料業界は、サントリー ボスが圧倒
飲料業界の1位は、サントリー ボス「25年間」篇30秒。トップ10のうち7本がサントリーのCMで、うち3本がボスのCMであった。また、ドラマ仕立てのシリーズ化CMや、歌を効果的に用いたCMが多く見られる結果に。「結婚しようよ」「カブトムシ」「secret base ~君がくれたもの~」「君といつまでも」といったいわゆる“懐メロ”が選曲されていたのも特徴的だった。
【データ収集方法・概要】
関東800世帯の一般視聴者宅に人体認識アルゴリズムを組み込んだKinectセンサーを設置。顔認証システムを用いてテレビの前に人がいるか、視聴者の表情、どのタイミングで画面に注目したかなど視聴態勢を判断・計測している。2018年2月現在、地上波6局7チャンネルの全番組について、毎秒レベルで視聴質の計測を行っている。
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